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毎年恒例ですので、本日公開された最新のインパクトファクターを眺めていきます。
まずは基礎医学・生命科学分野のものから。

一流紙:CNSとその仲間たち


基礎科学系雑誌の御三家とも呼ばれるCNSを中心としたトップジャーナルグループ。3誌とも順調に点数を伸ばしており、Scienceも40点台へ。括弧内に過去2年分も表示しました。

Nature: 41.578 (2017: 40.136, 2016: 38.136)
Science: 41.059 (2017: 37.204, 2016: 34.659)
Cell: 31.399 (2017: 30.409, 2016: 28.708)

Nature姉妹紙の中から自分が読むものをいくつか取り上げてみます。記念受験できるのは果たしていつの日か……。

Nature Medicine: 32.622 (2017: 29.885, 2016: 30.355)
Nature Genetics: 27.126 (2017: 27.959, 2016: 31.616)
Nature Methods: 26.920 (2017: 25.061, 2016: 25.326)

準一流誌:IF2桁はなんとなく嬉しい


上記のトップジャーナルに論文を載せるなんて自分には生涯縁がなさそうですが、なんとかワンチャンス掴んでこの辺りには挑戦したい…なんて考えることもある2nd Tierのジャーナルたち。

Science Translational Medicine: 16.711 (2017: 16.796, 2016: 16.264)
Journal of Clinical Investigation: 13.252 (2017: 12.784, 2016: 12.575)
Nature Communications: 12.353 (2017: 12.124, 2016: 11.329)
Science Advances: 11.510 (*今回が最初のIF)

Nature Commnicationsは順調に成長を続けていますね。高額な出版費用($5,200 + tax)がかかるため気軽に投稿できませんが、それを払えるほど潤沢な研究資金を持つビッグラボしか投稿できないので比較的質が保たれやすいのかもしれません。

Science Advancesは2013年に創刊されたScience姉妹誌で、今年初めてインパクトファクターがつきました。ResearchGateで議論されていましたが、無事に10点台をクリア。Scientific ReportsレベルではなくNature Communicationsと比較していけそうです。現時点での掲載料は$5,300となっており、こちらもNature Communicationsと同水準。

現実的な中堅誌


昨年のグループ分けから少し変更し、インパクトファクター7点以上のものを中堅誌という形でまとめてみました。昨年はJBCを中堅ジャーナルに含めたいということから4点以上で分けてみましたが、今回はeLifeを一つの基準にしてみました。今までサイレポやプロスワン等のオープンアクセスジャーナルと一緒に括っていましたが、やはりeLifeの方が上でしょう。PNASは2001年の10.9をピークに低下しており、なかなか10点台に復帰できません。

Plos Biology: 9.164 (2017: 9.797, 2016: (8.668)
Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS): 9.505 (2017: 9.661, 2016: 9.423)
Current Biology: 9.252 (2017: 8.851, 2016: 8.893)
Jornal of Cell Biology: 8.785 (2017: 7.955, 2016: 8.717)
Cell Reports: 8.032 (2017: 8.282, 2016: 7.870)
eLife: 7.616 (2017: 7.725, 2016: 8.303)

サイレポ、PlosOne、BBRCなどなど


たとえ研究がうまくいかなくても、なんとかデータをまとめて論文という形にはしたい。学位申請に間に合わせるため、短報でも良いから早く出版したい。競争相手に先んじて論文化するために、査読・出版プロセスの速いところに出したい。様々な事情があって高インパクトのジャーナルには出せないようなときにお世話になるジャーナルたち。


Scientific Reports: 4.123 (2017: 4.259, 2016: 5.228)
Journal Of Biological Chemistry (JBC): 4.01 (2017: 4.125, 2016: 4.258)
Febs Letters: 2.999 (2017: 3.623, 2016: 3.519)
Plos One: 2.767 (2017: 2.870, 2016: 3.057)
BBRC: 2.559 (2017: 2.466, 2016: 2.371)

Febs LettersとBBRCはこの位置をずっと保ち続けていますが、そこにPlos Oneが落っこちてきたという感じでしょうか。論文出版数が圧倒的に多いのでいずれインパクトファクターが落ちてくるとは言われていましたが、当初4点台を誇っていたPlos Oneもついには2点台へ。約16万円($1495)の掲載料を支払うことを考えると、ちょっと投稿するのに躊躇してしまうようになりました。
みんな大好きBBRCはこの3年間再び上昇傾向。

自分の中では中堅ジャーナルの水準となる生化学系名門誌なのでJBCをここに含めるのは違和感がありますが、IFで分類していったため仕方なく。ギリギリ4点をキープ。


明日は臨床系ジャーナルを眺めます。

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