2006年10月25日
しめじ的文体練習17
さてさて
どんどん文体練習をやっていきます!!
1.メモ
五限目が終わり、東西線のホームは学生でひしめいている。三鷹行きの電車に無理矢理乗り込む。目の前に真っ黒なギターケースを抱えた色の白い男。眼鏡をかけていて、縁は青。レンズは汚れていた。
電車が揺れる。男は隣の乗客を睨んでいる。「楽器を蹴るな」と小さく呟くが、男の耳には聞こえていない。それもそのはず、男はイヤホンを差し込んでいる。やがて駅に到着し、男は降りる。
三時間後。高田馬場を歩いていると、先ほどの楽器の男が酔いつぶれてしゃがんでいる。隣には腕の長い男。「ジンは飲むなと言っただろ。今度からは、カルーアにしろ」と言って長い腕で背中をさすりながら酒の飲み方を説明している。
これを24「新刊紹介」でやっていきます!!
24. 新刊紹介
あの日本屈指の実力作家K氏の最新作をお届けいたします。いまや国内外を問わず名高い人気を持つK氏。「フランツ・カフカ賞」受賞を目前に控えた注目の一作です。情景は極めて分かりやすく、登場人物の輪郭、内面を見事な筆力で浮き彫りにしています。老若男女を問わず、全ての読者の心を引きつけること請け合いです。物語の山場はなんといっても主人公である「私」が、謎の人物を電車の中で目撃するシーン。この謎の人物が隣の男といきなりダイナミックなバトルを展開するのです。結末には、戦い疲れたこの謎の人物を、現代の銀月の騎士と言うべき信頼ある友人が介抱するという感動的なシーンが用意され、読む人の涙を誘います。
K氏が今もてる全ての力を注ぎ込んで書かれた魂の名作。魅力溢れる感動巨編です。
それではまた。
2006年10月21日
しめじ的文体練習16
さてさて
どんどん文体練習をやっていきます!!
1.メモ
五限目が終わり、東西線のホームは学生でひしめいている。三鷹行きの電車に無理矢理乗り込む。目の前に真っ黒なギターケースを抱えた色の白い男。眼鏡をかけていて、縁は青。レンズは汚れていた。
電車が揺れる。男は隣の乗客を睨んでいる。「楽器を蹴るな」と小さく呟くが、男の耳には聞こえていない。それもそのはず、男はイヤホンを差し込んでいる。やがて駅に到着し、男は降りる。
三時間後。高田馬場を歩いていると、先ほどの楽器の男が酔いつぶれてしゃがんでいる。隣には腕の長い男。「ジンは飲むなと言っただろ。今度からは、カルーアにしろ」と言って長い腕で背中をさすりながら酒の飲み方を説明している。
これを23「あらたまった手紙」でやっていきます!!
23. あらたまった手紙
謹啓
時下益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、この度ぶしつけながらお手紙を差し上げましたのは、この私が、かくも恐ろしい事件に遭遇いたしましたので、公正なる目撃者として、以下の通り謹んでご報告申し上げるためでございます。
事件当日午後六時頃、早稲田駅から東西線に乗り込む最中でした。早稲田という町は、東京でも有数の学生街、授業の終わった学生たちが同じ電車に乗り合わせて参りました。当該電車は既に定員超過の体を表して降りましたが、学生たちの乗車マナーの悪さ、そして当該駅員が寛容と無謀をはき違え、行き過ぎた温情主義に端を発した職務規則の侵犯の結果、まさにすし詰め状態になりながら電車は発車したのでございます。もちろん乗客間での接触や衝突が起こるのは想像に難くないと存じます。その混乱はひとりの青年の怒気をはらんだつぶやき声によって一気に昇華されたのです。青年は隣に立っていた紳士に向かって、眼光煌びやかに抗議の視線を送っておりました。ただ、いかんせん弱々しさを指摘せざるを得ない、青年の抗議は、ついに紳士の耳に届くことなく、電車を降車してしまったと添え申し上げておくべきかと存じます。
さらに補足いたしますれば、この問題の青年が身元不詳の一人物と同伴している姿を、約三時間の時間を経た後に再び目撃したのであります。青年は道路の上にいみじくも寝ころんでいて、体からはアルコール臭を周囲に発散しておりました。目も当てられない体をさらしている彼に対して、彼の同伴者はしきりに、アルコールの正しい摂取方法について解説を交えて説明を行っていたように推察いたします限りであります。
つきましては、ご多用中まことに恐縮ではございますが、以上の状況を鑑みてこれらの事実をいかように判断すべきか、また今後の私の人生に於いていかなる行動を取り、いかなる態度を示すべきか、先生のご教示を賜りたく、お願い申し上げている次第でございます。
はなはだ、手前勝手なお願いとは重々に存じ上げておりますが、何卒宜しくご検討のうえ、ご返事をいただけますよう、謹んでお願い申し上げます。
恐惶頓首
それではまた。
2006年10月17日
しめじ的文体練習15
さてさて
どんどん文体練習をやっていきます!!
1.メモ
五限目が終わり、東西線のホームは学生でひしめいている。三鷹行きの電車に無理矢理乗り込む。目の前に真っ黒なギターケースを抱えた色の白い男。眼鏡をかけていて、縁は青。レンズは汚れていた。
電車が揺れる。男は隣の乗客を睨んでいる。「楽器を蹴るな」と小さく呟くが、男の耳には聞こえていない。それもそのはず、男はイヤホンを差し込んでいる。やがて駅に到着し、男は降りる。
三時間後。高田馬場を歩いていると、先ほどの楽器の男が酔いつぶれてしゃがんでいる。隣には腕の長い男。「ジンは飲むなと言っただろ。今度からは、カルーアにしろ」と言って長い腕で背中をさすりながら酒の飲み方を説明している。
これを22「語尾の類似」でやっていきます!!
22. 語尾の類似
ある日の夜、電車に乗る。線路を走る。ぐるぐる揺れる電車の中に、ぶるぶる立ってるワルがいる。ぷるぷる揺れてる客が蹴る。「この猿、何する」威張るがすぐ去る。
夜のまた夜。はるばる来ると、ガードレールに寄る、さっきのワルがいる。アルコールを飲み過ぎる話をしてる。
それではまた。
2006年10月13日
しめじ的文体練習14
さてさて
どんどん文体練習をやっていきます!!
1.メモ
五限目が終わり、東西線のホームは学生でひしめいている。三鷹行きの電車に無理矢理乗り込む。目の前に真っ黒なギターケースを抱えた色の白い男。眼鏡をかけていて、縁は青。レンズは汚れていた。
電車が揺れる。男は隣の乗客を睨んでいる。「楽器を蹴るな」と小さく呟くが、男の耳には聞こえていない。それもそのはず、男はイヤホンを差し込んでいる。やがて駅に到着し、男は降りる。
三時間後。高田馬場を歩いていると、先ほどの楽器の男が酔いつぶれてしゃがんでいる。隣には腕の長い男。「ジンは飲むなと言っただろ。今度からは、カルーアにしろ」と言って長い腕で背中をさすりながら酒の飲み方を説明している。
これを21「区別」でやっていきます!!
21. 区別
電車の中で(棺桶の中ではない)、わたしは、ギター(キターm(゚∀゚)mではない)ケースを抱えた(かかあ、得たではない)男を見かけた(男を見限ったのではない)。彼は(枯れ葉ではない)ひどく汚れた眼鏡をかけていた(汚れた眼鏡がひどいわけではないし、駆けていたわけでもない)。とてもこんでいたために(「いたためる」という動詞はない)、隣の客が(ドナリーの客ではない)楽器を蹴った(餓鬼を買ったわけではない)。男は文句を言ったが(モンクになったわけではない)、客には聞こえず(庭の梢ではない)、駅に到着したので(液が付着したわけではない)、無言で降りた(無下に堕ろしたわけでは決してない)。
そのあと(尾行したわけではない)、高田馬場駅(三田や駒場ではない)ロータリーで(ノータリンではない)その男が酔いつぶれていた(押し倒したわけではない)。友人から(友人は帝人に勤めているわけではない)、酒の飲み方について(鮭の丸呑み方法ではない)ちんたらしゃべっていた(ちんぴらがシャブ打っていたわけではない)。
それではまた。
2006年10月09日
しめじ的文体練習13
さてさて
どんどん文体練習をやっていきます!!
1.メモ
五限目が終わり、東西線のホームは学生でひしめいている。三鷹行きの電車に無理矢理乗り込む。目の前に真っ黒なギターケースを抱えた色の白い男。眼鏡をかけていて、縁は青。レンズは汚れていた。
電車が揺れる。男は隣の乗客を睨んでいる。「楽器を蹴るな」と小さく呟くが、男の耳には聞こえていない。それもそのはず、男はイヤホンを差し込んでいる。やがて駅に到着し、男は降りる。
三時間後。高田馬場を歩いていると、先ほどの楽器の男が酔いつぶれてしゃがんでいる。隣には腕の長い男。「ジンは飲むなと言っただろ。今度からは、カルーアにしろ」と言って長い腕で背中をさすりながら酒の飲み方を説明している。
これを20「アナグラム」でやっていきます!!
20. アナグラム
語源眼が終わり、投剤船の法学生はムヒで湿いている。見たか雪飲む車輪に槍ノリでこむ。目の前を真っ黒に凪ぎ案山子たーすけーたえろい呪い男。根を目がけて掻いて、不知は阿保。牛頭連はよれていた。
油田しゃがれる。鳩なりの音を上告にきゃらんでいる。「餓鬼をっけルナ」土地戦粒焼くが、床のみ臣に箱消えていない。楚々ものはずれ、十八番と嫌本を差し込んでいる。エキガニと牛着やて、音緒は懲りる。
参時間語。高台のばばあテルといるを、さっきの餓鬼と矛が世の井戸イブつれて顔謝でいる。派手な海栗の鳥顔な従兄弟。「ノムナイ人は撮っただろ。紺唐土は、カルー兄しろ」鵜となって夏の世界をさすりながら袈裟の味方が出で瀬泥を盲している。
それではまた。