2006年04月25日

しめじ的文体練習7

しめじです。こんばんは。

不定期ながら、文体練習を更新していきますよ。

 

今日は

11.以下の単語を順に用いて文章を作れ
「性、歴史、ライバル、ライフル、薬師堂、菩提樹、手紙」

 

をやっていきます。

 

まずは1.メモ

 

 五限目が終わり、東西線のホームは学生でひしめいている。三鷹行きの電車に無理矢理乗り込む。目の前に真っ黒なギターケースを抱えた色の白い男。眼鏡をかけていて、縁は青。レンズは汚れていた。

 電車が揺れる。男は隣の乗客を睨んでいる。「楽器を蹴るな」と小さく呟くが、男の耳には聞こえていない。それもそのはず、男はイヤホンを差し込んでいる。やがて駅に到着し、男は降りる。

 三時間後。高田馬場を歩いていると、先ほどの楽器の男が酔いつぶれてしゃがんでいる。隣には腕の長い男。「ジンは飲むなと言っただろ。今度からは、カルーアにしろ」と言って長い腕で背中をさすりながら酒の飲み方を説明している。

 

これを11.の言葉を使って書いていきます。

 

11.以下の単語を順に用いて文章を作れ
「性、歴史、ライバル、ライフル、薬師堂、菩提樹、手紙」

 

 五限目が終わり解放されたを求めた学生の群れが、東西線に押しかける。遺伝子の歴史がそうさせるかのように、無理矢理に狭い車内に入り込もうとするライバルたち。混雑した車内の中には、誰ひとりとしてライフルを構えていない。その中で、黒いケースを抱えた青年が眼鏡をしきりに持ち上げ、隣の男を睨んでいる。ケースに入ったライフルを取りだそうとした瞬間、車内アナウンスが流れる。「薬師堂薬師堂……」

 三時間後、高田馬場のロータリーに大きな菩提樹の木が生えていた。祇園精舎の鐘の下、先ほどの青年がぐったりと横たわっている。酒のしみた手紙にはこう書かれてあった。「ジンは飲むな、カルーアにしろ」

 

 なかなかに無理やりな感じがしますね。そんなこんなで、次回は12.ためらいをやっていきます。

  

Posted by dream_of_dolphin at 23:42Comments(0)TrackBack(0)

2006年04月21日

しめじ的文体練習6

しめじです。

 

長らく放置していたブログを再開します。

まずは文体練習の続きから……

 

 

1.メモ

 五限目が終わり、東西線のホームは学生でひしめいている。三鷹行きの電車に無理矢理乗り込む。目の前に真っ黒なギターケースを抱えた色の白い男。眼鏡をかけていて、縁は青。レンズは汚れていた。

 電車が揺れる。男は隣の乗客を睨んでいる。「楽器を蹴るな」と小さく呟くが、男の耳には聞こえていない。それもそのはず、男はイヤホンを差し込んでいる。やがて駅に到着し、男は降りる。

 三時間後。高田馬場を歩いていると、先ほどの楽器の男が酔いつぶれてしゃがんでいる。隣には腕の長い男。「ジンは飲むなと言っただろ。今度からは、カルーアにしろ」と言って長い腕で背中をさすりながら酒の飲み方を説明している。

 

今回はこれを10.「虹の七色」で書いていきます!!

 

 


10.虹の七色

 

 ある日、紫色のラインが入った電車に乗ると、藍色のギターケースを抱えた青年が立っていた。縁の青い眼鏡をかけた彼は、電車が揺れると緑色の顔をして隣の男をにらみはじめる。その隣で、セーター服の少女が黄色い声で笑い合っていた。
 オレンジ色のネオンが照る高田馬場。ロータリーを歩いていると、先ほどの青年が真っ赤な顔をして倒れ伏している。隣には友人らしき人物。「ジンは飲むなと言っただろ。次からは虹色カクテルにしろ」と言って背中をさすっていた。

 

 

 色彩をちりばめると言うことは、活字の視覚作用を前面に押し出すことになります。うまくいけば、情景描写の強い武器になります。今回の虹の七色では、色名を使っていますが、なるだけ名詞から想像できる色を配置していくとより自然に視覚効果が高まるはずです。『文体練習』に即して上記のようにしましたが、できれば色名の乱発は避けた方がよさそうですね。わざとらしくなってしまいます。

 

 

 次回は11.以下の単語を順に用いて文章を作れ
「性、歴史、ライバル、ライフル、薬師堂、菩提樹、手紙」

で文体練習をやっていきたいと思います!!

  
Posted by dream_of_dolphin at 01:20Comments(0)TrackBack(0)