2006年10月13日

しめじ的文体練習14

 






 さてさて


 どんどん文体練習をやっていきます!!


 


 1.メモ


 五限目が終わり、東西線のホームは学生でひしめいている。三鷹行きの電車に無理矢理乗り込む。目の前に真っ黒なギターケースを抱えた色の白い男。眼鏡をかけていて、縁は青。レンズは汚れていた。


 電車が揺れる。男は隣の乗客を睨んでいる。「楽器を蹴るな」と小さく呟くが、男の耳には聞こえていない。それもそのはず、男はイヤホンを差し込んでいる。やがて駅に到着し、男は降りる。


 三時間後。高田馬場を歩いていると、先ほどの楽器の男が酔いつぶれてしゃがんでいる。隣には腕の長い男。「ジンは飲むなと言っただろ。今度からは、カルーアにしろ」と言って長い腕で背中をさすりながら酒の飲み方を説明している。




 これを21「区別」でやっていきます!!

21. 区別

 電車の中で(棺桶の中ではない)、わたしは、ギター(キターm(゚∀゚)mではない)ケースを抱えた(かかあ、得たではない)男を見かけた(男を見限ったのではない)。彼は(枯れ葉ではない)ひどく汚れた眼鏡をかけていた(汚れた眼鏡がひどいわけではないし、駆けていたわけでもない)。とてもこんでいたために(「いたためる」という動詞はない)、隣の客が(ドナリーの客ではない)楽器を蹴った(餓鬼を買ったわけではない)。男は文句を言ったが(モンクになったわけではない)、客には聞こえず(庭の梢ではない)、駅に到着したので(液が付着したわけではない)、無言で降りた(無下に堕ろしたわけでは決してない)。
 そのあと(尾行したわけではない)、高田馬場駅(三田や駒場ではない)ロータリーで(ノータリンではない)その男が酔いつぶれていた(押し倒したわけではない)。友人から(友人は帝人に勤めているわけではない)、酒の飲み方について(鮭の丸呑み方法ではない)ちんたらしゃべっていた(ちんぴらがシャブ打っていたわけではない)。

それではまた。

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