さてさて
どんどん文体練習をやっていきます!!
1.メモ
五限目が終わり、東西線のホームは学生でひしめいている。三鷹行きの電車に無理矢理乗り込む。目の前に真っ黒なギターケースを抱えた色の白い男。眼鏡をかけていて、縁は青。レンズは汚れていた。
電車が揺れる。男は隣の乗客を睨んでいる。「楽器を蹴るな」と小さく呟くが、男の耳には聞こえていない。それもそのはず、男はイヤホンを差し込んでいる。やがて駅に到着し、男は降りる。
三時間後。高田馬場を歩いていると、先ほどの楽器の男が酔いつぶれてしゃがんでいる。隣には腕の長い男。「ジンは飲むなと言っただろ。今度からは、カルーアにしろ」と言って長い腕で背中をさすりながら酒の飲み方を説明している。
これを24「新刊紹介」でやっていきます!!
24. 新刊紹介
あの日本屈指の実力作家K氏の最新作をお届けいたします。いまや国内外を問わず名高い人気を持つK氏。「フランツ・カフカ賞」受賞を目前に控えた注目の一作です。情景は極めて分かりやすく、登場人物の輪郭、内面を見事な筆力で浮き彫りにしています。老若男女を問わず、全ての読者の心を引きつけること請け合いです。物語の山場はなんといっても主人公である「私」が、謎の人物を電車の中で目撃するシーン。この謎の人物が隣の男といきなりダイナミックなバトルを展開するのです。結末には、戦い疲れたこの謎の人物を、現代の銀月の騎士と言うべき信頼ある友人が介抱するという感動的なシーンが用意され、読む人の涙を誘います。
K氏が今もてる全ての力を注ぎ込んで書かれた魂の名作。魅力溢れる感動巨編です。
それではまた。