aamall

2012年01月20日

夢を叶えるということ

石井さん
車から離れるご主人様を懸命に引きとめようとする健気なワンコ。かわいいでしょ。でも、今日はワンコの話ではなくて、このワンコのご主人、トラックの向うにいらっしゃる石井正樹さんのお話です。
石井さんと言えば、そう、小豆島オリーブ牛の生みの親です。

石井さんが牛を飼い始めたのは、農業高校を卒業した時。先生に学校の仔牛を分けて欲しいと頼み込み、軽トラックに2頭の仔牛を積んで帰ってきたのが始まりです。
なぜ牛だったのか。その理由を聞いて驚きました。
『循環型農業がやりたかったから。』
現在の話ではありません。今から40年以上も前の話です。

農業は毎日本当に忙しい。牛を飼えば畦草を食べてくれるし、牛ふんは堆肥として土づくりに利用できる。いい土からは甘くておいしい野菜や果物が育つし、余った野菜や果物、藁は全部牛が食べてくれる。無駄なものなど何もない。
18歳の青年が夢見た、未来の象徴がこの2頭の仔牛でした。

6年ほど前のある日、牛肉を扱う市場の社長からこんなことを薦められました。
「小豆島で牛を育てるには、コストがかかりすぎる。小豆島のブランド牛を考えてみろ。」
悶々とする日々が続きます。
『名前をつけるだけではダメだ。名実ともにホンモノの、小豆島ブランド牛を作りたい。』
うまい肉にするためには何が必要なのか?
苦悩する石井さんの頭に、あることが閃きました。
『牛の旨味は、油の中に含まれるオレイン酸。オレイン酸は、オリーブの中にたくさん含まれているじゃないか。』
さっそく小豆島のオリーブ会社に話を持ちかけ、オリーブオイルの搾りかすを分けてもらいます。ところが、牛は見向きもしてくれません。当然です。オリーブには強い渋味があり、搾りかすだってもちろんめちゃめちゃ渋いのです。
『この渋味を抜く方法はないものかなぁ。』
悩む石井さんの頭に、突然ぽっと明るい灯が灯りました。
『そうだ、干し柿だ! 渋柿は干すことで甘くなる。ならば、オリーブだって干せば渋が抜けるんじゃないか。』
さっそくオリーブの搾りかすを広げ、天日干しを試みました。乾いてきたらひっくり返し、また乾かします。ようやく乾いたオリーブを自分で食べてみると、
『渋味が抜けてる!』
祈る思いで、牛に与えてみました。
『どうだ、食べてくれよ。』
石井さんの願いが通じたのでしょう。見向きもしなかった牛たちが、おいしそうに食べ始めたのです。

数ヵ月後、その成果に確信を持った石井さんは、オリーブ牛を土産に前出の社長に会いに行きました。そして、何の説明もせず肉を手渡しました。
翌日、小豆島に帰ってきた石井さんのもとに、社長から電話がかかってきました。
『お前、牛に何をした。この肉は旨すぎる。何もせずに味がこんなに変わるはずがない。』
小躍りしたいほど嬉しい社長の言葉でした。
社長のひと言から始まった石井さんの<小豆島ブランド牛を作る!>プロジェクトは、こうして大きな一歩を踏み出しました。

ところで、オリーブの搾りかすは、今まで使えないもの。つまり産業廃棄物でした。それを飼料にすることで、牛の肉に旨味が増し、抗酸化作用まで生まれました。牛ふんは堆肥となり、野菜のみならずオリーブも育てます。そのオリーブからオイルが搾られ、再び牛たちの飼料となります。
40数年前に石井さんが描いた大きな夢は、小豆島の環境の中でこうして新たな循環型農業の形を作り上げたのです。

今や大注目のオリーブ牛ですが、ここに至るまでの苦労は並大抵のものではありません。
『食べていただかないことには、そのおいしさは解ってもらえない。』
今も各地へ出向き、営業マンとして、販売員として、またメディアにも登場したりと、八面六臂の活躍を続けています。もちろん自分で肉を買ってきて、食べ比べてもらうこともしょっちゅう。
奥様やオリーブ牛仲間からは、『どこまで行くんやー!』とあきれられてるそうですが、『消費者から直接、おいしい♪の声を聞ける今が、楽しくて楽しくて仕方がない』そう。
石井さんの夢は、オリーブ牛の成長とともに、今もどんどん大きく成長中!なのでした。


せっかくこまめ食堂にお越しいただいたので、石井さんにもオリーブ牛ハンバーガーを召し上がっていただきました。
「うん、旨い! うちの奥さんにも食べさせてやりたいなぁ。」
何より嬉しいお墨付きをいただきました。

dreamisland1 at 21:40│Comments(4)TrackBack(0)小豆島の ステキな人たち | 小豆島の 食べ物

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この記事へのコメント

1. Posted by (て)みっちゃん   2012年01月21日 10:26
「うん、旨い! 子供達に食べさせてやりたいなぁ。」
ここ 関東に居ながらにして こまめ食堂のオリーブ牛バーガーを食べさせて頂きました
難行苦行でアイディア満載の輸送作戦の末ですが、、、
 一言で言えば〜
既存のハンバーガーのようにソースベットリに頼らないで 肉とパンと野菜で食える日本人の味覚にピッタリだと感じたのです
まだ味覚を毒されていない子供たち 昔の日本の味を覚えている私たち老いていく世代にドンピシャリと合う味だと感じました
 あ ハンバーガーがです

当然 ハンバーグの調理 受け止めるパンズの確かさが存在しているからの話ですが、、、

パイオニアが金を手にできるのは試行錯誤を経て 膨大な投資を経てからが常ですが、、、

   美味しかったです
   肉は美味かったです

今  ああ 食べたいなあ と 口の中が、、

  ここ関東なんだよ
  当分 小豆島にはいけないんだよ(>_<)
2. Posted by 浜   2012年01月21日 10:50
立花さんは伯父の私よりはるかに甥の石井正樹の事を良くご存知ですね寒心致しました。
3. Posted by 立花です。   2012年01月21日 20:17
>(て)みっちゃんさん
お肉便も実行に移しましょうか?
柑橘便は2月上旬にGO!の予定です。

>浜さん
私の知ってた石井さんは、消防署の前にワンコ(柴犬か秋田犬だったと思う)を乗せた軽トラを停め、ニコニコ笑って声をかけてくれる石井さんなんだけど、今回、お話を伺って、その熱意、壮大な夢に感動しました。
浜さんの甥ごさんは本当に凄い人です。
4. Posted by (て)みっちゃん   2012年01月21日 20:51
ネットを覗いてオリーブ牛の情報をば、、、
なかなかねえ、、、まだまだまだ、、
リッチャンが頼りやなあ、、、
 先につながる何かが見えなければ(て)みっちゃんのためだけに動いていただくのは気がひける、、、

柑橘セット! 楽しみ!!

みかん  
いけまっせ いけるいける
とにかく味よし風味よし
今日 遂に冷凍ミカンに手をつけた  家人が喜ぶ喜ぶ
   今年のみかんの時期がきたらジャンジャンお願いね 
昨年 送った先からも たのまれている
販売方法を模索してくださいませ
社長氏自らじゃ恐れ多い、、、、

 オリーブ牛 委細 メールにて(^^ゞ

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立花律子  りっちゃん
こんにちは^^
NPO法人DREAM ISLAND
代表の立花です。

小豆島生まれの小豆島育ち。
'85年より社団法人小豆島観光協会に勤務、刺激的な22年を過ごす。'97年より事務局長就任。ずっこけながらも前進あるのみ!でいろんな企画に手を出し続ける。
'06年9月末日をもって退職。生まれて初めて、自分の夢に向かって起業を決意する。

私の大好きな小豆島をもっともっと知っていただきたい。小豆島が好きな人をどんどん増やしたい。
繋ぐ、結ぶが、私の役目。たくさんの笑顔とハッピーを創造するため、ひたすら楽しみながら走る走る走る!で頑張りま〜す^^v
とりえは笑顔…のみ?!
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