2018年11月11日

今年もシュトレンの頃  ドレスナー・クリスマス・シュトレン     シュトレーン ドレスデン

11月も半ばになると、ドレスデンではクリスマスの
お菓子・シュトレンがいっせいに売り出されます。

今年は、今までのシュトレンが手に入らなくなってし
まったため、他のお店のものを直輸入しました。

xx-2C8T2191_1









写真1) 今年のシュトレン 1kg

といっても、現地のドイツ人と相談して、今までに負
けないようなシュトレンを選びました。

ご存知のように、「ドレスナークリスマスシュトレン」
という名称が許されるのは、法律で決まったレシピ
に忠実な作りで、ドレスデン近郊の決まったお店だ
けです。

これらのお店のシュトレンには、馬に乗ったアウグ
スト王の金のラベルが貼られています。

xx-2C8T2187










写真2) アウグスト王の金のラベル

今回入手したシュトレンにも、もちろんこのラベルが
貼られています。ドイツ人のアドバイサーによれば、
「このブランドなら間違いない」との事でしたが、や
はり実際に試食するまでは不安でした。



xx-2C8T2185








写真3)シュトレンの外箱

今回のシュトレンは大手のブランドでしたので、とて
もスムーズに入手できました。問い合わせに対して
の対応も親切で、発送までの時間もとても早いもの
でした。


xx-2C8T2189







写真4) シュトレン 1kg 本体

シュトレンは大きい方が美味しいと2kgのものを勧
められたのですが、扱いやすさから、今まで通り、
1kgのものを選びました。 最近の日本製シュトレン
はどこのものでもサイズが小さく、ここが一番の違い
と思います。

去年までのシュトレンに比べて、まぶした砂糖が若
干少なめのように感じますが、形や色はほとんど同
じです。前述ようにレシピが細かく決められているの
で、「ドレスナー・クリスマス・シュトレン」である限り、
それほど大きな違いはないのかもしれません。


xx-2C8T2194








写真5) 切り口

で、試食です。
香や風味は、とても美味しく思います。レーズンや
ナッツの入り具合もグッドです。
問題はしっとりとした歯ごたえです。
到着当初の歯ごたえは若干パサついていたように
感じましたが、日をおくと熟成してしっとりとしたきま
す。実際に1週間の間にとてもしっとりとした良い歯
ごたえになりました。

シュトレンはアドベントの期間(降臨節 クリスマスの
4回前の日曜日 2018年は12月2日から12月25日
まで)に少しずつ食べるものなので、日持ちがし熟成
していくように作られています。今回のシュトレンは20
19年の1月3日が賞味期限です。(風通しのよい冷暗
所に保存し、冷蔵庫には入れないで下さい。)

今年のシュトレンはこれに決めましたので、12月に
恒例の「アンティーク アーカイヴのクリスマス」の期
間に、お茶菓子としてお出し致します。シュトレンの試
食だけでも結構ですので、どうぞご来店下さい。
(催事の詳細は別途掲載いたします)




アンティーク西洋陶磁器専門店 
   アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
         TEL-03-5717-3108
   ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/




dresdner220 at 16:44|PermalinkComments(0) イベント 催事 | その他

2018年10月29日

銅版画「ハーレクインとコロンビーヌ」1919年パウル・ショイリヒ ショイリッヒ

今回のブログは、一枚の銅版画を紹介しましょう。


xx-2C8T2166














写真1)銅版画「ハーレクインとコロンビーヌ」1919年

銅版画に描かれているのは、マイセンのフィギュア「ハ
ーレクインとコロンビーヌ」です。マイセン磁器ファンの
方ならご存知の有名な作品ですね。作者はパウル・
ショイリヒ、1919年頃に発表された作品です。

1919年は、後にマイセンの総裁になるマックス・アドル
フ・プファイファーが営業職として会社にやってきた年
です。プファイファーはその優れた手腕でマイセンの
改革を始めますが、その一つに「ウア・シュトック」という
手段を用いました。これは、新作の最初の11個に番号
と芸術家のサインをいれ、これに当該作品の銅版画を
つけて販売するという計画でした。

この計画は、ごく短期間しか実現しなかったのですが、
本銅版画は、この「ウア・シュトック」に付けられるはず
であった銅版画です。銅版画は当時マイセンに在籍
したそうそうたる芸術家が創作し、手彩色で描かれた
芸術性の高いものです。


xx-2C8T2170














写真2)マイセン フィギュア 1919年頃

写真2)は実際の作品です。銅版画が作られた当時と
同じ頃の製作されたものです。本作は「ウア・シュトック」
の11個の限定品ではありませんが、時代的にはほぼ
同等にものです。



xx-2C8T2172







写真3)作品の品番

この作品のマイセンにおける品番は、最初 D287 と
いうものでした。しかし、すぐにA1005という新品番に
変更されます。現在は73306という品番になっています
が、これは1974年から用いられているものです。
従ってD287という品番は非常に希少であり、まさに
ショイリヒ現役時代のオリジナル作品といえるでしょう。



xx-2C8T2168















写真4)バレエ「カーニバル」の絵葉書


xx-2C8T2169















写真5)「カーニバル」の 舞台イラスト

ショイリヒのこの一連の作品は、バレエの演目である
「カーニバル」に発想を得て製作されたものです。
当時、バレエは非常に人気のある娯楽であり、ショイ
リヒもその影響を大きく受けていた事が伺われます。

マイセンにおけるショイリヒの「カーニバル」は、全部
で5体のシリーズからなり、アールヌーボー、アール
デコ期のマイセンの傑作と評価されています。


xx-2C8T2171







写真6)本作 ペインター番号

本作のペインター番号は12、これは当時職人として
働いていたパウル・ベルナーの可能性を示唆していま
す。

ショイリヒは自身の作品に強いこだわりを持っていたよ
うで、自分の作品を作る成型師や絵付け師を指定して
います。マイセンの公式見解によれば、絵付け師12は
後にマイセン芸術を担う事になるパウル・ベルナーの
職人時代の番号かもしれないと論じています。


ショイリヒの貴重なオリジナル作品、どうぞ実際にご覧
ください。



アンティーク西洋陶磁器専門店 
   アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
         TEL-03-5717-3108
   ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/



dresdner220 at 15:51|PermalinkComments(0) マイセン作品紹介 | ユーゲントシュティール

2018年10月21日

セーブル 「ゴーヴネの照明」   秋の夜長   アールデコ  セーヴル

この頃は、日が短くなって、秋の夜長という言葉
が実感されます。今回はセーブルのランプを紹
介しましょう。

xx-2C8T2156








写真1)セーブル「ゴーヴネの照明」 1935年頃

ご存知のように、焼き締まった磁器は透光性が
あります。この性質を利用してランプをつくる試み
は昔からありました。しかし、本格的にランプ(キャ
ンドルスタンドとは別として)が作られるようになっ
たのは、やはり電気が普及してからです。それまで
の蝋燭の光では、磁器を照明として利用する事は
難しかったのでしょう。



xx-2C8T2153










写真2) 同上

1925年のアールデコ博覧会において、アンリ・ラパ
ンがパビリオンの組織委員会メンバーのなります。彼
は国立セーブル製陶所の組織委員もつとめ、「光の
サロン」と題された部屋の企画とデザインを担当して
います。この時、ラパンはジャン=パティスト・ゴーヴネ
との共作で、「光の噴水」という大型の照明を出品して
高い評価を得ます。




xx-2C8T2157







写真3) 同上

本作はこのゴーブネによるものです。ゴーブネは彫
刻家ですが、セーブルで磁器に掘り込みをする技術
を研究し、数々の作品を生み出します。本作もその一
つで、葡萄の実の上にとまった一羽の鳥を掘り込みで
表現しています。装飾の明暗は素地の厚みを調整す
る事によって得られます。アールデコらしいシンプル
な装飾で、この時代の特徴をよく表していると思います。




xx-2C8T2161








写真4) 同上

もちろん、電球を消灯すれば白磁ですが、セーブル
独自の柔らかい白で、白磁作品としても充分に観賞
価値のある作品です。器型もラパンと共通するものが
あり、これだけでも美しいです。



xx-2C8T2155









写真5) 同上

本作の上部は大きく開口しているので、バックに反射
する光も美しく輝きます。ゴーヴネは当然このような効
果も計算していたのでしょう。作品を置いて点灯しただ
けで、一つの世界ができあがります。照明における光
の効果はすごいですね。



xx-2C8T2158










写真6)「アールデコ様式のセーブル磁器展」1993年より

1993年に東京都庭園美術館で開催された「アールデコ
様式のセーブル磁器展」は、個人的に最も感銘をうけた
美術展の一つです。旧朝香宮邸のインテリアとセーブル
の陶磁器が完全にマッチングしていました。この時の図録
に本作と同じ作品が掲載されています。


本作に灯をともすと、あの美術展を思い出し、本作を今
扱えることを本当に嬉しく思います。
どうぞ、実際にご覧ください。



アンティーク西洋陶磁器専門店 
   アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
         TEL-03-5717-3108
   ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/




dresdner220 at 16:58|PermalinkComments(0) セーブル | 作品紹介

2018年10月03日

セーブル ティーカップ&ソーサー 1867年           セーヴル フランス ティーC&S

今回はセーブルのティーカップ&ソーサーを紹介しま
しょう。


xx-2C8T2138








写真1)セーブルC&S ミントグリーン 花絵 1867年

滅多に入手できないセーブルの最上級のC&Sです。
ミントグリーンとホワイトのツートンカラーを地に、窓絵
に赤紫の単色花絵が描かれています。



xx-2C8T2143







写真2) 同上 カップ 


白磁部分には、淡い色彩でアイビーが添えられていま
すが、とても素晴らしい筆致で見事な出来です。高台
には半円形の金彩が装飾されており、これはこの作品
が最上級のグレードである事を示しています。



xx-2C8T2142








写真3) 同上 カップ内部とハンドル

カップ内部はフルに金彩が施され、上部には金彩を掻き
落とす技法で渦巻き文様が描かれています。これも作品
の格を示すものですね。



xx-2C8T2144








写真4) 同上 カップの絵付けと盛金

単色の花絵は多色と違って、濃淡だけで質感や色彩を
表現しなければならず、難しい技法といわれています。
花絵を囲む窓の金彩は、盛金(レイズゴールド)の技法
が使われています。セーブルは金彩に銅板転写を使う
事が多いのですが、これらはもちろん全て手描きです。



xx-2C8T2139








写真5) 同上

花絵はカップに4面、ソーサーにも4面描かれています。
もちろん、全体としてのバランス・構成の傑出したもの
で、フランスの洒落た雰囲気を醸し出しています。



xx-2C8T2141









写真6) 同上 ソーサー裏面

マークから白磁が1860年、装飾をつけて全体が完成する
のは1867年と分かります。
絵付けはL-D-Barre、1844年から81年までセーブル窯に
在籍した花のペインターです。



アンティークとしてのコンディションも素晴らしいものなの
で、是非手にとってご覧ください。




アンティーク西洋陶磁器専門店 
   アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
         TEL-03-5717-3108
   ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/





dresdner220 at 15:08|PermalinkComments(0) セーブル | 作品紹介

2018年09月23日

ウェリントン公爵のサービス       マイセン、セーブル、KPMベルリン、ウィーンの競作

「ウェリントンサービス」という食器セットをご存知です
か。正しくは「ウェリントン公爵のためのサービス」と
言います。

ウエリントン公爵は、ナポレオン戦争の際、連合軍を
率いて1815年のワーテルローの戦いに勝利した将軍
です。この勝利を記念し、思い出と感謝のしるしとして、
同盟諸国から贈られたのが、「ウェリントンサービス」
です。

Wellington












写真1)ウェリントン公爵の肖像

「ウェリントンサービス」がいかに重要なプロジェクト
であったか、以下国立マイセン磁器公団資料編纂室
の論文(マイセン磁器 美術出版社1990年)から引用
しましょう。

この仕事は単なる受注生産といった性格をこえて、
その成功が絶対に義務づけられていた。セーヴル、
ウィーン、ベルリン、マイセン―ヨーロッパの最高
峰に位置する四大磁器工場が総力をあげて、一つ
の<ウェリントンのセルヴィス>を製作するという
雄大な計画がそれである。マイセン工場はこのヨー
ロッパ磁器工場同士の最初で最後の競争に参加し、
自らの独創性をかけて、その力の証明を迫られた
のである。


では、実際にどんな作品が作られたのか、おおいに
興味をそそられますね。そのほんの一端を紹介しま
しょう。

xx-2C8T2108










写真2)マイセン「ザクセンサービス」 1818年頃

マイセンの担当は、後に「ザクセンサービス」と呼ばれ
る134点からなるデザートアンサンブルです。オークと
ローレルの植物を周囲に配し、中の絵付けにはザク
センの風景やナポレオン戦争の様子が描かれました。



xx-2C8T2107










写真3)セーブル「エジプシャンサービス」 1811年頃

セーブルは、ナポレオンのために作られていた「エジプ
シャンサービス」を「ウェリントンサービス」に振り替え
ました。これはナポレオンのエジプト遠征に発想を得た
食器セットであり、136の食器とセンターピースからな
るディナー用のアンサンブルです。
絵付けはセピアの単色で描かれた風景で、周囲には
エジプトの文様が添えられました。



xx-2C8T2110











写真3)KPMベルリン「プロシアンサービス」1818年頃

KPMベルリンの担当は、ワインクーラーやコンポートを
含むディナーのアンサンブルでした。これらは「プロシ
アンサービス」と呼ばれていました。柏の葉を周囲に配
し、絵付けのモチーフはマイセンと同じく、戦いの様子
や関連する風景を描いたものでした。写真はイギリス
のイートン校です。



xx-2C8T2109











写真4)ウィーン窯「ヴィエニーズサービス」1815年頃

ウィーン窯が担当したのも、デザートのアンサンブルで
す。装飾には歴史に関するモチーフが選ばれており、周
囲には古代ギリシャローマの小物が配され、中心には歴
史上の偉人の絵が描かれています。写真はジュリアス・
シーザーですね。


以上見てきたように、一つの目的で、マイセン、セーブル、
KPMベルリン、ウィーンの四大窯が共作したのですが、
このような例は現在までありません。正に一度きり、最初
で最後の例といえるでしょう。

なんとか、これらのサービスを一同に揃えてみる事は
できないものでしょうか。磁器の歴史における最高傑作
ですので、なんとか日本で実現できないものでしょうか?
無理ですかねぇ。




アンティーク西洋陶磁器専門店 
        アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
            TEL-03-5717-3108
      ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/





dresdner220 at 15:54|PermalinkComments(0) セーブル | マイセン作品紹介
プロフィール

dresdner220

記事検索