2022年11月28日

今年のシュトレン「アンティーク アーカイヴのクリスマス」

この時期、二子玉川はクリスマスイルミネー
ションが賑やかに飾り付けられています。

アンティーク アーカイヴでも恒例のクリスマス
フェアを開催中です。例年通り、今年もドイツ
ドレスデンからクリスマス菓子「シュトレン」
が届きました。


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写真1)クリスマスシュトレン

このブログでは毎年シュトレンについて書い
ていますが、最近はクリスマスのお菓子とし
て、日本でもずいぶん定着してきたようです。

ただ、ドレスデンのシュトレンは伝統的な製
法やレシピが法律で決まっており、保存協会
により厳しくコントロールされています。
ですので、日本のシュトレンはもちろん、ド
イツでもドレスデン周辺以外で作られたもの
は本当のシュトレンではありません。


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写真2)ドクターケント社の外箱

保存協会の規定によって、材料や生産地など
厳しい条件をクリアしたしたシュトレンだけ
に、「ドレスナークリスマスシュトレン」の
名称が許され、コントロールNo.とゴールド
シールが与えられます。


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写真3)ゴールドシール

このゴールドシールは毎年審査があり、規定
を外れるとシールは与えられません。本品ド
クターケント社のシュトレンは今年も見事に
シールとコントロールNo.を獲得しています。


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写真4)シュトレンとブルーオニオン

ドレスナーシュトレンをお皿に置いてみまし
た。伝統的なシュトレンには、伝統的なブル
ーオニオンの文様が良く似合います。

アドベント(降臨節 今年は11月27日)から
クリスマスまでの間に、少しづつスライスし
て食べるのが、ドイツの人々の楽しみです。


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写真5)ブルーオニオン文様

このブルーオニオンのプレートは19世紀半ば
の制作です。古いものなので、通常、樹の根
元に描かれている双剣のマークはまだありま
せん。


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写真6)同上 マーク

裏面のマークは所謂ボタン剣のマークです。ブ
ルーオニオンは18世紀から現在に至るまで連綿
と作り続けられているマイセンの代名詞ですね。


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写真6)ショップの窓飾り

ショップの窓にはシュヴィップボーゲンという
木製の窓飾りを置きました。この窓飾りもマイ
セン市にあるアルブレヒツブルグ城をモチーフ
にしています。

クリスマスフェア中、お買い上げのお客様には
ドレスナーシュトレンをおすそ分けしておりま
す。(数に限りがあります)お忙しい時期とは
思いますが、どうぞ一息つきにいらして下さい。


アンティーク アーカイヴのクリスマス

期間:1127() ~ 1218()
営業時間:13 ~ 18

 

1130()121()3()
  7()8()14()15()
は申し訳ございませんが、
お休みさせて頂きます

*あらかじめリクエストいただければ、
 お休み、時間外でもご来店をお待ちして
 おります


アンティーク西洋陶磁器専門店 
   アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
         TEL-03-5717-3108
   ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/




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2022年10月31日

マイセン 伝説の動物 レーベンフィンクの絵付け

今回は、マイセンのとても珍しい絵付け「伝説の
動物」について説明します。


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写真1)マイセン 「伝説の動物」


表題の「レーベンフィンク」というのは人名
です。レーベンフィンクは18世紀のマイセン
の絵付師で、ヘロルトの弟子にあたる人物です。
当時から、その筆力や発想で、師であるヘロル
トを凌ぐと言われていました。ヘロルトはその
才能に嫉妬し、無理難題を押し付け彼の才能を
抑えようとしました。このため、レーベンフィ
ンクは1736年にマイセン窯を脱走し、ヨーロッ
パ各地を語り歩いて磁器の秘法を伝えました。



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写真2)伝説の動物の装飾 プレート

レーベンフィンクの大きな功績の一つに「伝説
の動物」の装飾を完成したことが挙げられます。
ヘロルトのそれまでの発想にはなかった絵付け
であり、レーベンフィンクの創造した架空の動
物は「伝説の動物」と呼ばれ人気を博しました。


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写真3)同上 カップ

「伝説の動物」は、牛のような鹿のような奇妙
な姿をしています。描法は線描を中心とした東
洋的でグラフィックなものですが、その形態の
基本は西洋的なものです。つまり西洋と東洋を
融合させた装飾であり、へロルトシノワズリー
のカテゴリーには当てはまらないものです。


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写真4)同上 ソーサー

これらの奇妙な動物は、当時の王侯貴族には
とてもエキゾチックに感じられたのでしょう。
変わった装飾のマイセンは珍重されましたが、
レーベンフィンクがマイセンを去ると、この
装飾は作られなくなりました。従って現在の
アンティーク市場でも非常に希少品です。


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写真5)18世紀のオリジナル

写真5)は18世紀に作られたオリジナルのもの
です。写真は有名なホフマイスターコレクション
からのものです。こうして比べてみると、絵付け
の上手い下手ではなく、現在のマイセンがいかに
忠実に18世紀の装飾を伝えているかがわかります。


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写真6)公式パターンブックより

写真6)はマイセン社の公式パターンブックに
掲載されているものです。

装飾番号 289010
伝説の動物
レーベンフィンクに因む
周回におよぶ絵付け
多色
金彩

とあります。装飾番号の289010はへロルトシノ
ワズリーや港湾風景と同等のレベルであること
を示し、非常に高度な絵付け技術が必要とされる
ことがわかります。当然ながら、価格も非常に高
いものになります。(因みに、1985年頃には、
アラビアンナイトと同等の価格だったと記憶して
います)


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写真7) 同裏面マーク

マイセンの双剣マークのほかに、朱色で装飾番号が
入っています。ペインター番号は101、このレベル
の装飾になると描ける絵付師はほんのわずかなので、
カップ、ソーサー、ケーキプレートともに同じ絵付
け師が描いています。製造年は1987年頃のものと推
定しています。

非常に希少な「レーベンフィンク 伝説の動物」の
C&Sとプレート、是非お手に取ってご覧ください。



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   アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
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2022年09月30日

セーブル カップ&ソーサー アールヌーヴォー  A・サンディエによるデザイン

今回のブログは、ちょっと珍しいセーブルの
器形を紹介します。
セーブルのシェイプといえば、ペイールやリ
トロン、オボイードなどという名前をよく聞
きますが、本作のシェイプ「パンプルネリ」
の名はちょっと珍しいと思います。



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写真1)セーブル ティーC&S 

写真は「パンプルネリ」シェイプのティーC
&Sです。デザインしたのは、アレクサンド
ル・サンディエ、1897年にセーブルの美術監
督に就任し、セーブル芸術をアールヌーヴォ
ーの方向に舵取りした人物です。

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写真2)セーブル器形「パンプルネリ」1902年

ハンドルが大きな特徴です。当時のアールヌー
ヴォーの曲線が美しいです。構造的にとても複
雑で、技術的にも製造が難しかったと思います。


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写真3) 同上

全体像をみても、アールヌーヴォー的な曲線
で構成されており、それまでのロココや古典
主義様式の器形とは全く異なる赴きです。
因みにシェイプ名のパンプルネリとはバラ科
の植物の名前で、和名はワレモコウです。


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写真4) 同上 

文様はアイビーのボーダーです。アイビーは
セーブルの代表的な文様ですが、ヌーヴォ―
様式にもよく合います。


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写真5) 同作 裏面マーク

いつものようにマークをお見せします。
緑のマークは白磁が作られた年で、1919年、
赤いマークは装飾がなされ製品として完成
された年で、1925年です。DAは本作は
硬質磁器であることを示しています。MADE
IN FRANCE とあるのは、本作が輸出用
であったことを示しています。


どうぞ、ショップにて実物をご覧ください。




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2022年09月26日

セーブル ベース イエローグリーン釉 アールヌーヴォ― 

今回のブログは、セーブルのベースを紹介
します。


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写真1)セーブル ベース  1902年

高さが30㎝近くあるので、かなり大きなベ
ースです。絵付けや文様はありません。黄
緑から淡い青になだらかに変化してゆく絶
妙のグラデーションが本作の白眉です。写
真に撮るのがとても難しく、PCの画像でこ
れをお見せするのは不可能かとも思ってし
まいます。


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写真2) 黄緑の釉薬 

何とも言えない色ですが、上部は淡い黄緑
です。微妙なグラデーションで青みが増し
ていきます。恐らく粘性の少ない釉をスプ
レーガンで噴射し、この絶妙なグラデーシ
ョンを作っていると思います。

19世紀半以前には磁器釉薬の粘性が強くき
めも荒かったため、スプレーのノズルが詰
まって、このようなテクニックは使えなか
ったと言われます。



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写真3) 同 下部

作品の下部は青い色が強く出ています。特
に最下部は釉薬がたまって、「孔雀の青 
ピーコックブルー」と呼ばれるような青が
光沢とともに表現されています。



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写真4) 全体像

丸みを帯びた柔らかな輪郭は、やはりアール
ヌーヴォーの曲線を彷彿とさせます。直線的
な鋭さは皆無です。実はショップで花を活け
る時には、この作品をよく使います。シンプ
ルにドウダンツツジなどをポンと投げ入れて
やれば、これを見ただけで本作がセーブルと
言い当てられる人まずいないのではないでし
ょうか。


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写真5) 同作品 マーク

制作は1902年ですので、まだアールヌーボー
の真っただ中と言ってよいでしょう。和物に
も通じる簡素な美は、ごく限られた最上級品
のみが持つものと考えます。


どうぞ、ショップで実物をご覧ください。


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2022年08月31日

ロイヤルコペンハーゲン「サクソンフラワー」のすごさ

今回のブログは、ロイヤルコペンハーゲンの
「サクソンフラワー」の装飾を紹介します。

「サクソンフラワー」には個人的に思い入れ
があります。1980年代前半の頃は私もまだ若
く、西洋陶磁器に夢中になり始めた頃でした。
ロイヤルコペンハーゲンは早くから日本に進
出し、有楽町に本店がありました。(この頃
は、ジョージジェンセン・ジャパンの傘下だ
ったと記憶しています)赤坂の東急ホテルに
も店舗があり、私もよくショップ訪ねていま
した。当時、そう買い物をできる訳でもない
私を、スタッフはいつも歓迎してくれ、コペ
ンについて色々教えてくれました。あのフロ
ーラダニカを手に取らせてもらったり、デン
マークで出版された貴重なカタログを頂くな
ど、とても親切にして頂きました。

いつものように私がショップで製品を見てい
る時、たまたま専務さんがいらして、「それ
では、いいものをお見せしましょう」と大事
そうに取り出してきたのが、サクソンフラワ
ーのコーヒーC&Sでした。


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写真1)「サクソンフラワー」1960~70年頃

サクソンフラワーは、この時期にはすでに製
造中止になっており、デンマークでの在庫が
僅かに流通しているだけで、日本ではほとん
ど見ることができませんでした。
専務さんのお話では、
*全て手描きされているため、非常にコスト
 がかかること
*熟練したペインターの減少していること
*上絵付のペインターをフローラダニカやヘ
 ンリエッテにに振り向けた方が効率が良い
 という経済的問題
*定番の花絵付けに対する需要というマーケ
 ティングの問題
このような要因で製造中止になり、とても
残念だと感想を述べられました。

この時のときめきは今でも鮮明です。
その後、このC&Sがどうなったかは知る由も
ありませんが、以来今に至るまで、サクソン
フラワーには特別の思いを抱いています。

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写真2)スープC&S 1962年

サクソンフラワーのサクソンとはドイツのザ
クセン国のことであり、ザクセン国はマイセ
ン窯を有する国です。ですから、ザクセンの
花とはマイセンの花と同義です。つまりマイ
セン様式で描かれたスタンダードな花絵とい
う意味です。


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写真3)同上 

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写真4)同上

このようなマイセン様式の花絵は、ヨーロッパ
の伝統的な各窯でコピーされ、独特のアレンジ
を加えられながらも基本の装飾として存在して
いました。しかし、あまりに一般的であるため
に、これを手描きすることに企業として意味を
見出せず、そのほとんどがプリントでの装飾で
した。


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写真5)プレートのクローズアップ

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写真6)同上


ロ社もその例にもれず、このような手数のかか
る上絵付は非効率と判断されたのでしょう。サ
クソンフラワーがいかに高度な技術を要する絵
付けかは、クローズアップの写真をご覧いただ
ければ納得されると思います。花絵ということ
だけでみれば、フローラダニカ絵付けに勝ると
も劣りません。


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写真7)フリッセンボーグ カタログより 

また、ロ社には「フリッセンボーグ」というプ
リントによる花絵付け装飾も存在していました。
つまり、マイセン様式のスタンダードな花装飾
は、プリントによる低価格な製品に委ねるとい
う判断だったのでしょう。


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写真8) サクソンフラワー ライト

また、フリッセンボーグの他に、「サクソンフ
ラー ライト」というレンジも存在しました。
絵付けは手描きですが、技術的にぐっと簡略化
されています。この「ライト」に対して、今ま
で述べてきた絵付けは「サクソンフラワー リ
ッチ」と称されることもありました。リッチと
ライトの差は、リッチがのこぎり状の金彩であ
るのに対し、ライトは一本のラインであること
でも区別されます。

因みにサクソンフラワーは1990年代に復刻され
ますが、この時は「ライト」での発売でした。


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写真9)スープC&S 裏面 マーク


スープC&Sのマークをお見せします。サクソン
フラワーの装飾番号は1221、年代印は1962年
製であることを示しています。

1980年代初頭、フローラダニカのコーヒーC&
Sの価格は130,000円で、大卒初任給とほぼ同じ
です。現在の価格は242,000円との事なので、現
在でも初任給の価値のC&Sということになり
ます。

それでは、当時のサクソンフラワーの価格は幾
らだったかといえば、実は客観的な資料を持っ
ていません。記憶ではC&Sで4~50,000円だっ
たような気がします。ライトの方はその半額位
2~30,000円の設定だったと記憶しています。
因みに1987年のヘンリエッテは C&Sで
100,000円でした。ロイヤルコペンハーゲンが
主な生産を東南アジアに移した今もう望むべく
もありませんが、今「サクソンフラワー リッ
チ」を作ったなら、一体いくら位になるので
しょう。


サクソンフラワーについては過去のブログでも
取り上げているので、重複した内容については
どうぞご容赦下さい。


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