2020年07月03日

大倉陶園 ケーキプレート 笹の葉の絵


今回は七夕(新暦)も近いので、大倉陶園の笹の葉の
プレートを紹介します。

「笹の葉 サーラサラ 軒端にゆれる お星さま キー
ラキラ 金銀 砂子」

子供のころは、歌詞の意味が分からないまま歌ってい
ました。

大倉陶園の「笹の葉」の装飾です。笹と竹の違いは難し
いですが、本作のモチーフは間違いなく笹ですね。因み
に、七夕は笹でも竹でも飾ってよいそうです。



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写真1) 大倉陶園 プレート 「笹の葉」の装飾  

大倉陶園は昔から大好きで、当店でも少しずつ扱って
きました。今回の作品は、彩色、構図どれをとっても、
今までの中でベストだと思っています。日本もこれだけ
の作品を作ったのだと誇りたくなります。
大倉陶園、すごいです。



さて、ここでクイズです。

この作品、プリントでしょうか、手描きでしょうか。

いつものように賞品や賞賛はありません。あるのは少しの
自己満足です。画像をよく観察してみてください。
簡単なクイズなので、ノーヒントです。
正解は本ブログ、7月7日の七夕の日に掲載します。



アンティーク西洋陶磁器専門店 
   アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
         TEL-03-5717-3108
   ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/



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2020年06月27日

ニンフェンブルグ フィギュア コメディアデラルテ          イタリア即興仮面劇

今回はニンフェンブルグ窯のフィギュアを紹介
します。


ニンフェンブルグはドイツ最重要七窯の一つで、
バイエルンの王立窯です。開窯は1747年、現
在でもお城の中にある窯で少量生産されています。
ミュンヘン近郊のニンフェンブルグ城は美しいお城
で観光地としても有名なので、ご存じの方も多い
と思います。

ニンフェンブルグの作品は驚くほど高価で、価格
という事ではマイセンを超える程です。
この地方の磁器愛好家はニンフェンブルグをとて
も誇りに思っていて、「マイセン?量産品だろ」など
と何回か聞いたことがあります。

では、そのフィギュアをご覧ください。

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写真1) ニンフェンブルグ フィギュア1980年頃

20世紀の作品ですが、さすがによくできていると
思います。
コメディアデラルテの役者で「コリーネ」という登
場人物です。小間使いの役で、重要な配役の一人
です。初期には中年の女性でしたが、18世紀にな
ると、若い女性に代わります。長いエプロンと頭巾が
特徴で、陽気で機知にとんだ娘として表現されます。



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写真2) 同上 クローズアップ

オリジナルが作られたのは18世紀半ば、作者は
フランツ・アントン・ブステリです。
この時代はイタリアからコメディアデラルテの一座
を呼び、宮廷で劇を演じさせることが流行っていま
した。マイセンのアウグスト2世王も、ザクセンで観
劇しています。



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写真3) 同上

ニンフェンブルグを開窯したバイエルン選帝侯マ
クシミリアン3世ヨーゼフも同じだったのでしょう。
彼所有の王立窯の芸術家ブステリに、コメディア
デラルテのフィギュア製造を命じたのも自然な成り
行きだったと思います。



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写真4) 同作 後ろ姿

ブステリはコメディアデラルテの16体のフィギュア
を作りましたが、これは彼の最高傑作であるばか
りか、磁器愛好家の中ではケンドラーをはるかに
凌ぐと評価する人もいます。


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写真5) 同上 上半身 横顔

作品の評価は人それぞれですが、ことコメディア
デラルテについては、その表情や仕草、そして何
よりもポーズが本当に素晴らしいと考えています。
コメディアデラルテは即興的な劇で、役者は舞台を
存分に動き回りその身体的な能力や美しさを観客
に魅せます。
因みに、手紙にはイタリア語で「約束の言葉を覚え
ているかい リーンディートより」と書かれています。
細かい・・・


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写真6)  同上 下半身と台座

ブステリが素晴らしいのは、作品の台座にも表れ
ています。ロココ曲線のウェーブは身体を包むよう
にデザインされており、磁器の支えとしての機能を
感じさせません。



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写真7) 白磁  18世紀

写真7)は18世紀の白磁です。現在に至るまで
連綿と作り続けられているのがわかります。価格
が高いのも仕方ないと言えるでしょうか。


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写真8) マーク

いつものように、最後にマークをお目にかけます。
ニンフェンブルグのフィギュアには盾のマークが
刻印されます。金文字その他は型番や成型師番号
装飾番号、絵付師番号などです。

どうぞ、お店で手に取ってご覧ください。



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2020年06月19日

マイセン フィギュア 人形 「秘密の手紙」 19世紀

このブログは、マイセンの造形(所謂 人形 置物など)
についての記事が少ないとご指摘を受けてしまったの
で、今回は19世紀後半に尽きられた人形を紹介します。


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写真1)マイセン フィギュア「秘密の手紙」1879年頃

19世紀後半は、マイセンのフィギュアが最高品質に達し
た時といわれます。確かに、磁器に制作技術はほぼ極
まっており、新様式であるユーゲントシュティール時代を
直前にして、伝統的なマイセン作品の品質は、現在も含
めて頂点にあったと思います。

本作はそのよい例と言えるでしょう。
作者はヨハン・ポラック、1879年の作品です。19世紀の
新作ですが、18世紀のケンドラーの伝統を受け継ぎ、王
侯貴族の日常生活の一部を具現化しています。

題名は「秘密の手紙」。男女問わず、愛人や妾を持つ事
がごく普通であったと言われる当時の貴族の心情をよく
描写いています。女性を制しながら手紙を読む男性、ど
のようなストーリーを語っているのでしょう。

どうぞ、その細部をご鑑賞ください。

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写真2) 同上 クローズアップ

女性の表情、すごい描写です。


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写真3) 同上 クローズアップ

しれっとした顔で手紙を読む男性。落ち着いているように
見えますが、内心はどうなのでしょう。


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写真4) 同上 クローズアップ

女性を抑える姿勢で、ベストのボタンが外れてしまっていま
す。繊細は描写です。


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写真5) 同上 クローズアップ

手紙には文字まで描写してあります。ドイツ語が堪能な方
なら、解読できるレベルの表現です。もちろん、手描きです。


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写真6) 同上 クローズアップ

女性のスカートのドレープです。まるで布のように見えませ
んか。磁器の硬さや重さは全く感じさせません。衣装の文様
もすごいです。


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写真7) 同d上 クローズアップ

まるで争う声が聞こえてきそうなリアル感です。このリアルさ
は18世紀の作品にちょっとないものです。
手の指や髪の毛の描写、金彩、彩色、どれをとっても最高の
品質と考えます。


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写真8) 裏面 マーク

最後にマークと刻印をお見せします。19世紀にボタン剣で
すね。時を経てよくぞ残っていてくれたと思えるほど、最高
のコンディションです。

どうぞ、ショップで実物をご覧ください。きっと感動しますよ。




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2020年05月27日

ハインツ・ヴェルナー 水彩画 1954年 「雨の日」           マイセンの芸術家

世界的な社会現象にちょっと委縮気味な日々を過ごす
うちに、あと数日でもう6月です。そろそろ梅雨の時期
ですが、今回のブログでは、ハインツ・ヴルナーが描
いた雨の水彩画を紹介します。

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写真1)ハインツ・ヴェルナー 「雨の日」1954年

マイセンの芸術家ハインツ・ヴェルナー(1928~
2019)が描いた水彩画です。ヴェルナーはマイセ
ン製作所時代から個人的に絵画を描いていました。
マイセン窯退職後は、フリーランスの立場で自宅
をアトリエに本格的に画家として活動していました。

本作はマイセン在籍時代の1954年、ヴェルナー
26才の時の作品です。ヴェルナーの絵画は国際
的に高い評価を受けており、作品集は何冊も出版
されています。これらに掲載されている作品も含め
て、本作は私の知る限り最も初期の作品です。



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写真2) 同作 クローズアップ

エルベ川の河岸に赤い屋根の家がみえます。しかし
こうやってクローズアップにすると、水彩絵の具が
さっと塗ってあるようにしか見えません。


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写真3) 同上

森の木々に垂れこめた雲から淡い雨が降り注いています。
これも見ようによっては抽象画のようです。

改めて全体像をご覧ください。


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写真4) 全体像

これら水彩のタッチがまとまると、雨の日の風景が浮
かび上がってきます。日本の水墨画を思わせますが、
恐るべき表現力だと考えています。

題名は「雨の日」ですが、ドイツ語では「雨でせいで」
というような意が含まれているそうで、なんとなく物憂
げな感じも汲み取れます。

1954年はヴェルナーが妻エルフリーデと結婚した翌年
で、マイセンでは新しい陶板画を創造する仕事につい
ていた頃です。全くの想像ですが、で楽しみにしていた
休日の予定が雨でだめになった日を描いたのかもしれ
ません。



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写真5) 付属の証明書

マイセン以外でのヴェルナーの絵画作品は、ドイツで
ギャラリーを運営する会社に管理されており、作品に
は登録番号が付されています。本作のナンバーは85番
で、非常に初期の作品であることがわかります。

天才ハインツ・ヴェルナーの若い時の表現ですが、雨
降る多摩川の景色と重なりとても思い入れのある作品
です。



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2020年05月14日

ドイツではホワイトアスパラの季節                マイセン自然主義の野菜の絵

今日は梅雨入り前の晴の日で、暑くてもカラッとし
て気持ちがいいです。

ドイツではこの時期、ホワイトアスパラの旬です。
ドイツ人のホワイトアスパラ好きは尋常ではありま
せん。「日本人が桜で春を感じるように、ドイツでは
ホワイトアスパラで春の喜びを感じるんだ」と聞きま
した。

マイセンにもホワイトアスパラを描いた自然主義様
式の絵付けがあるので、紹介いたします。

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写真1)マイセン 自然主義様式の野菜の絵

マイセンの「自然主義様式の野菜の絵」は、とても
珍しいです。本作は19世紀の作品で、白アスパラ
とカリフラワーを中心に、野菜の組み合わせで構成
された絵付けです。



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写真2) 同上 クローズアップ

現在のアンティーク市場では自然主義様式の
「花絵」でさえめったに入手できないのに、「野菜
の絵」はさらに珍品です。経験から感覚ですが、
野菜の絵は花絵の10分の1しかないという感じ
でしょうか。



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写真3 ) 同上 

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写真4) 同上 


自然主義独特のタッチで、ホワイトアスパラやカリ
フラワーが見事に絵付けされています。野菜の持
つみずみずしさや立体感が、非常によく表現されて
います。もっと筆を入れて細密に描いていたら、何
か作り物のような表現になってしまうのではないで
しょうか。自然主義様式の筆致は本当にすごいと
思います。


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写真5) 同作のマーク 1890年頃

マークをお目にかけます。所謂ボタン剣のマークで
すね。19世紀末の制作と推察して間違いないでしょ
う。



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写真6)マイセン市近郊の風景

上の写真はマイセンの近く、マイセン市街の中心地から
エルベ川沿いを下った所です。写真下半分に見える濃い
緑の畑が、実はアスパラの畑です。畑は一面に広がって
いて、旬の頃には臨時の販売所が建てられ、地元の人
たちが車で大量に買っていきます。これがドイツの人々
の春なのですね。


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写真7)旬のホワイトアスパラ

日本ではアスパラというと緑のものを想い浮かべ
ると思いますが、ドイツでは何といっても白です。
柔らかくて甘い香りは緑以上で、最近では日本
のスーパーでも一般的に見かけるようになりました。

ドイツでの旬は4月の終わりから6月24日の「聖ヨ
ハネの日」とされていて、結構、期間限定の食べ物
です。ドイツでの名は「ヴァイセンシュパーゲル」、因
みにカリフラワーは「ブルーメンコール」です。


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写真8) ドイツのカリフラワー

カリフラワーは最近プリッコリーに取って代わられ、
その存在がうすいようですが、ドイツでは人気の野菜
です。本来の旬は初夏で、白アスパラと同時期です。

本作の絵付けであるアスパラとカリフラワーの組み合
わせは、19世紀当時のドイツ人にとってとても季節を
感じるものだったのでしょう。


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写真9) マイセン 陶板画より 19世紀後半

最後に同じモチーフの陶板画をお目にかけます。陶板画
になるということは、このモチーフは当時非常に人気の高
いものだったのでしょう。しかし、その絵付け技術の高さ
故に、作られた作品は限られたものだけであったと推測し
ています。



アスパラの絵付けから、エルベ川のさわやかな風を思い
出しました。




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