2009年12月

2009年12月23日

「マイセナー・マニュスクリプト」Vol.-7 フォルクマール・ブレッチュナイダーpart 2

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20世紀マイセンの芸術家グループの一人、フォルクマール・
ブレッチュナイダーのpart 2です。
マイセンでの彼の仕事はpart 1で紹介したウニカートの
製作がよく知られていますが、そのほかにも大変に重要な
仕事をしています。その多くはハインツ・ヴェルナーらの芸術家
グループとしての仕事で、有名な装飾である「新しい花」「森の木
の葉」などはヴェルナーとの共作の一例です。

しかし、彼はもともと果物と花鳥などを得意とするペインターで
した。自由に製作できる芸術家になった後も、これらの絵付けを
下敷きにした作品をたくさん作っています。これらはアトリエ作品
として、多くの定番作品になっています。

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写真左 「Alle Winde」 ウニカート 1994年
写真右 「ワインアンサンブル」ウニカート1993~4年

日本ではほとんど知られていませんが、彼が単独で創った食器用
装飾もあります。現在のマイセンでもほとんど作られていないので、
よほどのコレクターでもない限り知らない事かもしれません。
ブレッチュナイダーがマイセンに残したサービス用の装飾は
2つあります。「インプレッション」 「ブーケ」と名付けられた装飾
です。
*「ブーケ」の作品を以下で紹介しましょう。

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写真左 「ゲーテプレート」 ゲーテを記念して 1993年
写真右上 「溶解する固定点」 サブタイトル 変化する仮党
       (東独の崩壊を象徴する作品といわれる)ウニカート
写真右下 食器セット 「ブーケ」 器型グロッサーアウシュニッツ
       1989年

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当店に販売可能なコーヒーC&Sがありましたので、ここで紹介
します。器型そのものを花に見立て、階調のある赤紫と僅かな
金彩で彩色しています。大胆で勢いのある筆遣いは。ブレッチュ
ナイダーの個性をそのまま表現しています。ハンドルの金彩も
非常に効果的です。


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器型そのものを花にするという事は、ソーサーを見るとより分かり
安いでしょう。グロッサー・アウシュニッツはもともと蓮の花にインス
ピレーションを得てつくられた作品ですが、ブレッチュナイダーに
よって、その意図がより明らかになりました。
五つの大きな切れ込みを花弁に見立て、金彩で花の芯を描いて
います。白磁の白を充分に生かし、一見するとまるで抽象画のよう
ですが、そこから花の形が見えてくるのは見事というほかありません
カップと組み合わせる事によって、さらにその魅力を増します。
敢えて縁取りに金彩が使われていないのも、花を表現する有効な
手段でしょう。

そして、これをサービスとしてセッティングすると、テーブルの上に
素晴らしい「ブーケ=花束」が現れます。花絵付けのマイスターで
あった彼らしい装飾です。
素晴らしい!

尚、V.ブレッチュナイダーが現在全く芸術活動をしていないのは本当
に残念な事です。(奥様の介護に全精力を注いでいるという話です)

マイセン コーヒーC&S 「ブーケ」 1993年頃
     当店価格 97,000円(税込み) 1客限り 希少

*先ずはお問い合わせ下さい。また売り切れの際はご容赦下さい。


             アンティーク西洋陶磁器専門店 
             アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
                 TEL-03-5717-3108
           ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/  



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2009年12月22日

「マイセナー・マニュスクリプト」Vol.-7    フォルクマール・ブレッチュナイダー

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「マイセナー・マニュスクリプト」Vol.-7は、5人の芸術家グループ
の一人、「フォルクマール・ブレッチュナイダー」の特集です。
この号のタイトルは「HERBST」と題されています。
20世紀マイセンの重要な芸術家ですので、この号も2回に渡って
紹介しようと思います。

ブレッチュナイダーは1930年生まれ、マイセン付属素描学校の
出身です。1946年、16才で絵付師として働き始めます。すぐに頭角
を表し、特に果物と鳥の絵では高い評価を得るようになりました。
「芸術的創造のための集団 Kollektives Kunstlerische
Entwicklung」は1960年に創設されましたが、ブレッチュナイダー
は早くからグループにかかわっていたようです。正式にグループ
に加わるのは1975年。以降ウニカートの製作も含め、20世紀の
マイセンにとって欠かせない重要な仕事をする事になります。


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写真左ページ上段は、1958年果物の絵付をするブレッチュナイダー。
中段、P.シュトラングのフィギュアに絵付け 1980年
下段 ウニカートを製作中 1981年
写真右ページ  マイセン製作所のアトリエにて 1995年


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写真左ページ ウニカート1978年「お買い物」 1988年「女性の顔」
写真右ページ ウニカート1987年「雲の花」のシリーズ


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写真左ページ ウニカート「秋の果実」 1993年
写真右ページ ウニカート「タマネギ」 1994年

表紙 一番上の写真 ウニカート「最後の薔薇」 1994年

次回に続きます。



書名   Meissener Manuskripte Ⅶ
      「HERBST」 
発行   マイセン磁器製作所
編者   Uwe Beyer
発行年 1995年 2500部限定 24ページ

*現在の入手は難しいようです


            アンティーク西洋陶磁器専門店 
               アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
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2009年12月20日

「マイセナー・マニュスクリプト」Vol.-6  チェス

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「マイセナー・マニュスクリプト」Vol.-6は
「王者の楽しみ」と題されたチェスの特集です。

マイセンでは古くから磁器製のチェスセットが作られて
きました。マイセン開窯初期、べドガー炻器でアウグスト王
自身をモチーフにしたチェスの駒が作られたのは有名です。
以来、色々なテーマでチェスセットが作られてきました。


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写真は18世紀半ばケンドラーによって作られた「ポーランド人
とムーア人」を題材にしたチェスセットです。


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こちらは、1925年頃、芸術家マックス・エッサーによって作られた
動物や海の生物をテーマにしたチェスセットです。マイセンの
アール・デコ様式の傑作と言えるでしょう。個人的にも大好きな
作家です。

この他にも、A.シュトルクによる「カエル」のチェスセットや冊子の
表紙になっている(一番上の写真)P.シュトラングの「天国と地獄」
のセットなども紹介されています。



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たまたま、当店にも作品がありましたので、ご紹介します。
べドガー炻器で作られた動物シリーズのチェスの駒です。
単体でも芸術性を損なわない素晴らしい作品です。
オリジナルの年代ではなく1990年頃の製作ですが、とても
よい出来です。(オリジナルの年代のものは非常に高価です)
販売可能ですので、先ずはホームページよりお問い合わせ
下さい。

写真向かって左から
山猫   5cm      18000円
いのしし 7cm      28000円
ガゼル  9cm      28000円
価格は税込み 各一体限り




書名   Meissener Manuskripte Ⅵ
      「Ein Konigliches Vergnungen」 
発行   マイセン磁器製作所
編者   Uwe Beyer
発行年 1994年 3000部限定 24ページ

*現在の入手は難しいようです


            アンティーク西洋陶磁器専門店 
               アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
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2009年12月12日

「マイセナー・マニュスクリプト」Vol.-5  コメディア・デラルテ

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「マイセナー・マニュスクリプト」Vol.-5はコメディア・デラルテ
(イタリア仮面即興喜劇)の特集です。

このフィギュアのシリーズはマイセンのベストセラーであり、人気
の高いものですが、日本の方にはあまり馴染みの無いモチーフ
です。17世紀はコメディア・デラルテはヨーロッパ中で人気の演劇
でした。18世紀の初頭、ザクセンのアウグストⅡ世王もドイツに
劇団を招き公演させています。こうした当時の流行を考えると、
マイセンがこのテーマでフィギュアを作ったもの、極当然の成り行き
であったのでしょう。

マイセン磁器をテーマにした映画「マイセン幻影」(邦題)の中で
ウッツ男爵が、ろうそくの光の下で、この人形を動かして遊ぶ
シーンは印象的でした。
演劇の初期の形といわれるコメディア・デラルテもとても興味ある
テーマです。マイセンの人形はその作りや彩色の見た目だけに
関心が向きがちですが、実に深い意味や主題を持っています。

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写真はコメディア・デラルテの銅版画。

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コメディア・デラルテの登場人物である「ドットーレ」と
「パンタローネ」。このシリーズは1760~1775年頃
にかけて製作された14体からなるシリーズ。


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こちらは、19世紀の後半に作られた12体からなる
新しいコメディア・デラルテのシリーズ。
コンラッド・ヘンチェルやアルフレッド・ケーニッヒと
といったユーゲント・シュティール時代に活躍する
芸術家達が製作に参加しています。

書名   Meissener Manuskripte Ⅴ
      「harlekin & Aelecchino」 
発行   マイセン磁器製作所
編者   Uwe Beyer
発行年 1994年 5000部限定 28ページ

*現在の入手は難しいようです


            アンティーク西洋陶磁器専門店 
               アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
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2009年12月08日

「マイセナー・マニュスクリプト」Vol.-4  ハインツ・ヴェルナー その2

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マイセナー・マニュスクリプトのハインツ・ヴェルナー特集の
2回目です。個人的にヴェルナーには特に思い入れが
あるため、この号はとても貴重な資料です。
前回に紹介したごく初期の作品から、1993年当時の
最新作まで幅広く紹介されているのがうれしいです。


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写真左 「青い葉と赤紫のバラ」1964年
 器型 「格子のレリーフ」L・ツェプナー
写真右 「アラビアンナイト」1974年
 器型 「グロッサー・アウシュニッツ」L・ツェプナー


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写真 「真夏の夜の夢」ティーポット1969年
  器型 「花の輪舞」 L・ツェプナー

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写真 「コバルトブルーにプラチナで描かれた動物の絵」1970年
 器型 「花の輪舞」 L・ツェプナー

器型「花の輪舞」はマイセンが1970年頃極僅かの期間のみ作った
超希少品です。コレクターの間では「幻の現代マイセン」と
いわれ、驚くような高い価格で取引されています。今ではドイツ
の市場にも全く無いので、もし国内で見つかれば、即買いです。

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写真左上 「水鳥の狩猟」1974年
 器型 「グロッサー・アウシュニッツ」L・ツェプナー
写真左下と右 「猟師のほら話」1974年
 器型 「グロッサー・アウシュニッツ」L・ツェプナー

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写真 「マスケラーデ」1991年
アンドレアス・ヘルテンとの共作
 器型 「グロッサー・アウシュニッツ」L・ツェプナー

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写真 「エラート」 1992年
 器型 「ミシュティカ」S.ワックス J・ダニエルチェク

以上、サービスを中心に紹介しましたが、この他にも
「ブルーオーキッド」や「アーモンドの樹」「新しい花」など
おなじみの装飾も掲載されています。
しかし、最近のマイセンではこの種の作品はほとんど
見かけなくなりました。ドイツではアラビアンナイトさえ
ショップに無いありさまです。アラビアンナイトは日本国内
が一番あるのではないでしょうか?
マイセンは製品のレンジを大幅に変更をしているようで、
20世紀を共に過ごしたヴェルナーファンとしてはとても寂しく
感じます。

書名   Meissener Manuskripte ⅳ
      「VISIONEN」 Heinz Werner
発行   マイセン磁器製作所
編者   Uwe Beyer
発行年 1993年 3000部限定 64ページ

*現在の入手は難しいようです


            アンティーク西洋陶磁器専門店 
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2009年12月07日

「マイセナー・マニュスクリプト」Vol.-4  ハインツ・ヴェルナー


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「マイセナー・マニュスクリプト」Vol.-4 は、満を持して
ハインツ・ヴェルナーの特集です。
「ヴィジョン」 マイセンにおけるハインツ・ヴェルナーの
装飾
 という題名が付いています。

ヴェルナーといえば、アラビアンナイトやサマーナイトなど
現代マイセンを代表する装飾を生み出した芸術家であり、
マイセンでは人間国宝的な存在です。マニュスクリプトで
彼の功績を紹介する事は、マイセンにとって必然的な事
であったでしょう。冊子も今までのページ数を大幅にアップ
して、力の入った詳しい内容になっています。
本ブログでも2回に渡って、この冊子を紹介しようと思います。

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写真のページはヴェルナーの少年時代が紹介されています。
ヴェルナーの少年時代の写真、1943年15才の頃。
右の写真はアトリエのあったモーリッツブルグ城の庭で、スケッチ
をするヴェルナーとシュトッレです。1971年。


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上のページはマイセン工場で絵付けをする若き日のヴェルナー、
1973年頃。「狩猟」の絵付けをしています。
右の写真はヴェルナーヴェルナーが製作所内で芸術家として
独立した頃の初期の作品、1959年頃。

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1960年に芸術家グループが結成されてからの初期作品。
写真左 「スイトピーの文様」1962年
写真右 「ミュンヒハウゼン ほら吹き男爵の冒険」1964年
器型はL.ツェプナー「シェイプ67」1961年

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マイセン工場のアトリエの様子、1980年頃。
5人の芸術家グループの他に、彼らと協力して新しい作品の
創造にあたったG.ロンコヴスキーやG.シャンツェなどの姿も
見えます。

この項は次回にも続きます。

書名   Meissener Manuskripte ⅳ
      「VISIONEN」 Heinz Werner
発行   マイセン磁器製作所
編者   Uwe Beyer
発行年 1993年 3000部限定 64ページ

*現在の入手は難しいようです


            アンティーク西洋陶磁器専門店 
               アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
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