2010年10月

2010年10月26日

マイセン訪独 その12  カルチャーカレンダー 2010年後半

前回の続きで、マイセン市発行の「カルチャー・カレンダー」
に掲載されている資料を紹介しましょう。

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写真1) マイセン素描学校生徒の作品「赤い実」

秋らしい「赤い実」を描いた水彩画です。詳細は分かりませんが、
マイセン製作所付属の素描学校生徒の作品か、あるいは職人が
習作に描いた作品と思います。
右下に日付とサインがあり、99年11月3日となっています。
サインはRichterと読めます。印刷なのではっきりとしませんが、
紙の汚れ方などからみて、1899年とするのが妥当でしょう。
この頃活躍した芸術家にPaul・Richter(1893年に花の絵付師)
がいますが、彼のスケッチとしたら貴重なものです。



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写真2)同上 「フルーツ」

これには日付もサインもないので、なにも情報がありません。
マイセン磁器絵付けの典型的な「果実絵」ですね。簡単に感じ
で描いてありますが、上手い・・・・



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写真3) フィギュアの素描

これは習作ではなく、カタログ的な資料でしょう。
子供の「コメディアデラルテ」のフィギュアですね。人物の下に
アイテムナンバーが付けられているので、単にフィギュアを
スケッチしただけのものではないと推定できます。
これも古そうです。



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写真4)ビアマグの絵付け見本 「伝説の動物」の絵

これは新しいものでしょう。ビアマグにレーベンフィンクの
「伝説の動物」を絵付けするための見本です。「伝説の動物」は
マイセンでも非常に格の高い絵付けです。確かこのビアマグが
カタログに載っていたと思いますが、非常に高価なことは間違い
ありません。

このカレンダー、今年いっぱいまでの催事が載っていますが、
マイセンファンには見ているだけでも興味は尽きません。


アンティーク西洋陶磁器専門店 
          
     アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
                 TEL-03-5717-3108
           ホームページはこちらです  
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2010年10月23日

マイセン訪独 その11  カルチャーカレンダー 2010年後半


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写真1)マイセン市 「カルチャー カレンダー」
     2010年 後半

前回に引き続き、マイセン市発行の「カルチャー・カレンダー
2010 」の下半期を紹介します。表紙は「アラビアンナイト」ですね。

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写真2) 2010年10月23日のイベント

今日は10月23日なので、本日の催事を見てみましょう。
なな何と、今日はマイセン工場の「オープンデイ」です。

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写真3)マイセン「オープンデイ」の広告
     カルチャー・カレンダーより

オープンデイはご存知の方もいらっしゃると思いますが、いつも
は入れない工場を一般の人も見学できる貴重な機会です。
春と秋の年2回行われ、工場と顧客の親睦をはかるのが目的
です。マイセン磁器の製作現場を見られるのと、アウトレットの
バーゲンなどが行われるので、楽しみにしている人も多いです。

普段のマイセン工場では、実際に絵付けしているところなどは
全く見学できません。ところが、この日は絵付けの部屋に入って
絵付師と言葉を交わす事もできます。マナーさえ守れば写真など
もかなり自由なようです。またオープンデイには、工場内に特設
売り場が儲けられ、中にはコレクター小躍りするような珍しい作品
も一般製品に混じって売られる事があるそうです。
また、カレンダーによると、工場やお城でコンサートがあったり、
聖母教会でも催しがあるようで、マイセン市をあげて盛り上がって
いるようですね。マイセンファンには夢のような日です。

本日10月23日がその日でした。

オープンデイの話が長くなってしまったので、カレンダーの紹介は
次回に続けましょう。

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2010年10月21日

マイセン訪独 その10 カルチャーカレンダー2010年前半


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写真1)マイセン市 「カルチャーカレンダー 2010 前半」
    コメディアデラルテ(イタリア即興劇)の作品

今回はちょっと変わったカレンダーを紹介しましょう。
写真1)はマイセン市で行われる文化行事のカレンダーです。
マイセン市に住んでいる人たちに配布されるもので、市が
製作発行しています。市役所や観光案内所または大きなホテル
にも置いてあるので、ご存知の方もいるかもしれませんね。

これが実にすごいのです。
美術館・博物館はもちろん、映画や演劇、音楽のコンサート等
のスケジュールが一日の時間単位で掲載されています。
そして今年はマイセン開窯300周年だけあって、マイセン磁器
に関する催しがめじろ押しです。マイセン美術館での記念展示や
工場内にあるレストランでの会食会など、マイセンファンにとって
は垂涎のイベントが並んでいます。

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写真2)1910年頃のマイセン工場のスケッチ

そして、この小冊子の一番の見所は、マイセンの文献室から
借りてきたと思われる貴重なスケッチがたくさん載っている
ところです。前書きに、「300年を記念して貴重なスケッチや
作品をお借りした」というような記載があります。

写真2)はユーゲント期の「アルブレヒツブルグ城」と「マイセン
工場」の水彩画です。タッチからA.Barthの作のようにも見え
ますが・・・・・ こんな資料は今までのどの文献でも見た事が
ありません。

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写真3)マイセンのバラの習作

有名な「マイセンのバラ」の習作でしょう。資料についての解説が
ないので詳細は分かりませんが、写真3)の資料も古そうに見え
ます。いつ頃描かれたものなのでしょうか? 気になります。

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写真4) 柿右衛門様式の絵付け 

これも貴重なものです。ティーボウルに描くための柿右衛門の
デザイン画です。「王立マイセン製作所」のスタンプがあるので、
19世紀以前のものでしょう。「モデル」の文字が見えるので、
絵付けの手本になる原画でしょう。  欲しい・・・

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写真5)ブルーオニオンのスケッチ

これにも「王立マイセン製作所」のスタンプが押してあります。
竹の根元にマイセンのマークがない事、繊細で未だ様式化
されていない絵画的な描写からみで、19世紀半ば以前の
スケッチでしょう。

この他にもまだたくさんの資料が掲載されています。25000部
の限定発行ですが、今からでもマイセンに行けば入手できると
思いますので、是非観光案内所などで訪ねてみてください。
次回もこのカレンダーの2010年後半をご紹介しましょう。


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2010年10月10日

マイセンの秋  A.Barth 風景シリーズより


すっかり秋らしくなりました。
10月に入ると、ドイツは秋本番です。
今回は、マイセンの秋の風景を描いた作品を紹介します。

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写真1)マイセン プレート 「秋の風景」 (絵付け部を拡大)
     Arthur Barthの作と推定 1925年頃

アルトゥール・バルトは一貫してマイセンの土地を描き続けた
芸術家です。マイセンの素描学校の出身ですが、磁器絵付け
だけでなく多くの版画や絵画を描き、その一部はマイセン市立
博物館にも収蔵されています。
彼の風景画シリーズの飾り皿は、マイセンのユーゲント期の
傑作として高く評価されています。

本作もそのうちの一部であり、彼自身かあるいはごく周辺の
職人の絵付けになるものでしょう。マイセンにも詳細な資料は
ないようではっきりとは分かりませんが、1926年に彼が
48才でなくなると、この風景のシリーズは全く途絶えてしまう
ので、専ら彼一人の製作になるものだったのかもしれません。

本作の風景はアルブレヒツブルグ城の北側の側面を描いた
ものと思います。作品をよく見ると、中心が谷になっていますが、
そこに道が通っており、これが現在の「マイサ通り」だと思います。
建物の石組みの塀や屋根の形状もアルブレヒツブルグ城の一部
と推定できますが、確認はしていません。

いずれにしても、飾り皿という工芸品の枠を超えて、「ファイン
アート」といってもよいような作品であり、個人的にも大好きな
逸品です。いかがでしょうか、マイセンの秋を感じて頂けた
でしょうか?

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dresdner220 at 17:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0) マイセン作品紹介 

2010年10月02日

マイセン 訪独 その9 ドレスデン 日本宮殿

訪独の記事から、思わぬ回り道の日本宮殿ですが、いよいよ
今回で最後です。


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写真1)日本宮殿の屋根 計画(上)と現在(下)

アウグスト王の夢の計画「日本宮殿」ですが、最後に宮殿の
ファサードの構想を紹介しましょう。
これも驚きです。

宮殿の屋根は染付けの磁器製になる構想でした。上の写真
を見てください。白い磁器に釉下青の東洋文様です。左右の
屋根には王冠を頂いたARの文字、そして中央には羽を広げた
異国の鳥、それに連なる東洋風の樹木は、正にマイセン磁器
にありそうな東洋文様ではないですか。
染付け磁器の屋根!   すごい・・・


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写真2) 日本宮殿 外壁 計画(上)と現在(下)

なな、なんと、アウグスト王は外壁にも磁器を飾り付ける
予定でした。皿をはめ込み、壷を置き、人形の姿さえ
見えます。こんな外壁がありでしょうか?
この上に磁器の屋根がのる訳です。 こんな計画は現在の技術
を駆使しても多分不可能でしょう。王はマイセン工場の能力に
過度の期待を持っていたといいます。というよりも、工場の
首脳部が王の歓心を買うために、過大に喧伝したのでしょう。
この計画が可能だった否かは別にして、王の発想には感服し
ざるを得ません。

私は日本宮殿の前で妄想してしまいました。
アウグスト二世王が計画半ばで逝去するような事がなければ、
もしかしたら王はこの計画を実現させてしまったかも知れないと。
完成した日本宮殿、 見たかった・・・・


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2010年10月01日

マイセン 訪独 その8 ドレスデン 日本宮殿

催事のためしばらくブログを更新できず、申し訳あり
ませんでした。今回もしつこく日本宮殿です。


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写真1) 魚を呑み込むペリカン ケンドラー

アウグスト王による日本宮殿のさらなる計画とは、二階部分
に磁器の動物園を作る事でした。これがすごいのです!
何がすごいかといえば、アウグスト王の発想がすごい。

「磁器の間」所謂「ポーセリンキャビネット」は、アウグスト王
以前にも存在していました。しかし「磁器の動物園」などという
前例はありません。しかもその磁器動物像は、当時としては
驚く程巨大なものでした。しかしマイセン工場は未だ、王の
計画ほどの巨大磁器像を作れるほどの技術はありませんで
した。磁器製造の秘法をやっとの事で解明し、少しずつ軌道
に乗り始めたとはいえ、まだ小さな食器などが製造の中心
だったのです。
「あらゆる鳥や(家畜や野生の)動物の大型像を磁器で製作
せよ」  王は命令を発しました。


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写真2) 磁器像の原型となった銅版画

この無理難題の命をうけたのはキルヒナーと若きケンドラー
でした。特に天才ケンドラーは磁器という素材を使いこなし
これを完成させてしまいます。

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写真3) サイ 白磁 キルヒナー 

その一部はツヴィンガー城の磁器蒐集館で見る事ができますが、
すごい迫力です。磁器の動物園、完成した姿を見たかったです。

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