2011年03月

2011年03月25日

「マイセン磁器の300年」展  私的見所 part1            ティタニアのまつげ

今回のブログも地震とコレクションについて書く
予定でしたが、あまり後ろ向きな話ばかりでなく、
ちょっと明るくしたいので、お約束していた「マイ
セン磁器の300年」展のオタク的な見方について
書こうと思います。

今回は3月7日の記事のコメントで触れられていた
「ティターニアのまつげ」について書いてみます。

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写真1)ティタニアのフィギュア  図録より 1969年製

今回展示されていた「ティターニア」のフィギュアの
まつげに注目した方はオタクです。「冷やかし客」様
のご指摘通り、まつげは短くちょっと太めでした。
もちろん私もすぐ気付きましたよ。

ティタニーアのまつげはこのフィギュアの「売り」です。
多くのティターニアを見てきましたが、このフィギュアの
まつげは折れそうなくらいに長く繊細に作られていま
した。当店で扱った作品も同様でした。
この時の写真が残っていたので、ここに掲載しましょう。

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写真2) 当店で扱った作品 1985年くらいの制作

いかがですか?繊細でしょう?
何度か運搬した事もありますが、とても気を使いました。
本当にちょっと触れば折れてしまいそうでした。

ところで、今回「マイセン磁器の300年」展で展示されて
いたこのフィギュアは1969年製です。(カタログのデータ)
これはオリジナルの年代のものですが、かつて1983年にも
ティターニアのフィギュアが来日しています。「マイセン現代
磁器展」で展示されたもので、これは1969年製のもので、
マドイツのイセン美術館で展示されている「モデル」のよう
なものと思います。マイセンから出版された書籍や資料に
もこれが掲載されています。

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写真3)「マイセン現代磁器展」 図録より 1969年製

そこで、1983年の図録を調べてみると、ティターニアの
まつげが何とか確認できました。これをみると、なんと短い!
これは今回来日のフィギュアと同程度のものと思います。

とすれば、作者であるP.シュトラングは始めはそれほど
まつげの長さを意識していなかったのではないでしょうか?
しかし、このフィギュアの人気が上がるにつれて、その
まつげの繊細さが注目されより長くなっていった、そして
まつげはこのフィギュアの「売り」になった考えるのですが、
いかがでしょう。

かく言う私もこの作品をお勧めする時、先ずまつげを見せ
ました。確かにこの繊細さには驚かされます。
オタクネタ第一弾でした。


アンティーク西洋陶磁器専門店 
               アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
                        tel 03-5717-3108
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dresdner220 at 16:40|PermalinkComments(3)TrackBack(0) イベント 催事 

2011年03月20日

地震とコレクション その2

前回の続きで、地震とコレクションについて思いつくままに
書いてみます。

その前に、今回は色々な事に驚きましたが、そのひとつに
海外からの反応があります。ドイツやアメリカのディーラー
からたくさんのお見舞いや励ましのメールを頂きました。
そのひとつをここでご紹介します。色々と考えさせるメールです
が、やはり感じるのは素直に「人と人の絆」です。

地震そのものでの被害はありませんでしたというこちらのメール
に、アメリカのディーラーから妻に来たメールです。やはり原発
の事故を強く意識した内容です。プライベートな事もあるので、
日本語に訳して紹介します。

「あなた方の無事を知り、夫と一緒に喜んでいます。でも
もし危険と思ったら、いつでもOO(アメリカ)に来てちょうだい。
空港で落ち合って、OO(地名)まで車で行きましょう。
使っていないベッドルームが二つあるし、庭も広いわ。
近くにはビーチもあるのよ。キッチンでお料理でもしながら
お話しましょう。きっと楽しいと思うわ。そうそう、犬と猫も
いる事をお知らせしておかなくちゃね。

事がうまく運んで、無事でいる事を祈っています。でもあなた
方が必要なら、私たちはいつでもここにいますからね。」


地震の時はデパート8Fので仕事していた事は前回のブログに
書きました。ガラスケースを押さえながら中の磁器を観察して
いて以下のような事に気付きました。当たり前の事なのですが、
今後何かの参考になるでしょうか。
(ただし、今回より大きな、例えば直下型など、地震がくれば、
こんな事は何の参考にもなりません。即身を守るべきです。)

磁器のお皿をプラスチック製の皿立てで展示していましたが、
これは案外安定していました。ガラスの上をお皿を乗せたまま
動き回ります。大きな揺れには滑ったり、カタカタと跳ねたり
もします。しかし、お皿は倒れてはきませんでした。これを見る
と、従来「皿立てを両面テープなどで固定しておく」ことを推奨
してきましたが、やはりこれでは不十分です。これに加えて、
何らかの方法、(例えば養生テープなど)で皿立てと皿そのもの
も固定する必要があります。本来なら木製の大型皿立てを使用
するのが一番良いでしょう。

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写真1) 当店で使用中のプラスチック製

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写真2) 同上

ショップでは大量に使いますので安価(200円位)である事は
メリットです。また出展の際、軽量であることも理由にこれを
使っていますが、地震には不十分です。

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写真3)木製の大型皿たて

自宅等でのコレクションにはこれが良いでしょう。床面と
皿立て、さらに皿立てと皿そのものを何らかの方法で固定
してやれば、地震に対する強度はさらに増します。高価なの
が難点です。(3,000~5,000円位)

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写真4) 皿立てと作品の目安

さらに大きさも重要です。きちんとバランスを取っていないと、
安定しません。特に小さな皿たてを、立つからといって、無理
に使用すると非常に不安定です。


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写真5)木製の皿立て  全く使用していません。

写真5)は百均で買った木製の皿立てですが、接地面積が
小さく、ガラスの上で滑ります。その上、展示した時のバランス
も悪いので使い物になりませんでした。

地震の時の経験から言うと、きちんとした皿立てに乗った
お皿は思いのほか安定し、ある程度のゆれでも倒れないと
思いました。

と色々皿立てについて書いてきましたが、それでは当店がこれら
を即実行するかといえば、それは疑問です。高価な皿立てを
使って、しっかりと固定してしまっては仕事にならないからです。
何しろ、包んでは開けて、開けては包んでというのが骨董屋の
一番の仕事なのですから。



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               アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
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dresdner220 at 16:33|PermalinkComments(5)TrackBack(0) その他 

2011年03月16日

地震とコレクション その1

前回のブログでは、地震お見舞いのお礼を述べさせて
頂きましたが、その後も多くのご心配のを頂きました。
この場で再度、当店の作品に被害がなかった事のご報告
をし、改めて御礼を申し上げたいと思います。
誠にありがとうございました。

既に、最大の関心事は原発問題に移っていますが、余震は
頻繁に続いています。今回、地震時の陶磁器の様子を案外
冷静に観察していたので、ここでは地震とコレクションについて、
思いつくままに書いてみようと思います。


地震の当日は、銀座のデパートの8階で催事の仕事を
していました。揺れ始めた時は、お客様の「あら、揺れて
いるかしら?」という声で地震と気づきました。その時は
「ああ、またか」というような感じでしたが、ガラスケース
(高さ150cm幅120cm奥45cm)2台にマイセンをなど
の陶磁器が入っていたので、ちょっと気にしました。
いつもなら、揺れは徐々に収まってゆくのですが、この時
はますます激しくなっていきます。慌ててガラスケースを
押えに走りました。ドンと突き上げる激しい揺れやグワァン
グワァンという大きな揺れで、売り場は唖然として声も出
ないといった感じです。

ケースの中にはパゴダ人形が入れてありました。パゴダの
首が狂ったように前後し、赤い舌が出たり入ったりしています。
これを見た時に「地震の時の陶磁器がどんなことになるに
なるのか、しっかり見届けてやろう」と思いました。

ガラスケースにはキャスターが付いています。通常でしたら
ケースの自重で滅多に動くことはありません。しかし、この時は
まったく別でした。まるで、意思があるように動きだそうとします。
もう、一人で2台のケースを押さえることはできません。その時、
デパートのスタッフが1台を支えてくれました。しかし、お礼を言う
余裕もなく、お互い無言で顔を見合わせるだけです。

ふと見ると、壁の陶板画がバタンバタンと大きく揺れ、展示台
も、やはりキャスターが付いているので、今にも動き出しそうです。
これが動いてどこかにぶつかりでもすれば、置いてあるグラスや
カップ&ソーサーは間違いなく全滅でしょう。しかし、ここも同業者
の男性が押さえてくれています。妻も展示台を押さえながら、一方
の手でグラスを床に伏せています。

もうこれが限界!これ以上揺れれば陶磁器はあきらめようと思
ったところで、少しずつ揺れが収まってきました。

次回に続けます。



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dresdner220 at 19:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0) その他 

2011年03月12日

地震お見舞い御礼

国内外の方から、たくさんのお見舞いや問い合わせ
のご連絡を頂きました。

ただ今、ショップにてざっと確認したところなのですが、
全く被害なしにすんだようです。
(細かいところは再度確認が必要です)

地震当日は、某デパートの8Fで催事の仕事をしていた
のですが、本当に焦りました。押さえていなければ、
ガラスケースが飛んで行きそうな勢いでした。
同業者やデパートのスタッフの気転のおかげで、こちら
もほとんど被害なしにすみました。

ご心配頂いたお客様や関係者の皆様に、この場を借りて
報告と御礼を申し上げておきたいと思います。
まことにありがとうございました。


とりあえず、ご報告まで。

アンティーク アーカイヴ    勝川達哉 育子





dresdner220 at 12:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0) その他 

2011年03月07日

マイセン磁器の300年                            サントリー美術館

もう、終わってしまったのですが、遅ればせながら
「マイセン磁器の300年」展 於サントリー美術館へ
行ってきたので、その感想を書きます。

もう、終了間際だったのですが、妻と二人で夜の乃木坂
からミッドタウンに向かいました。サントリー美術館は、
水曜日から土曜日は20時まで(入館は30分前まで)
開館しています。仕事帰りにもちょっと立ち寄る事が出来る
ので、これは嬉しいですね。

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写真1)マイセン磁器の300年のパンフレット

結論から先に言うと、私個人的にはとても楽しめました。
マイセンの300年の歴史をざっと俯瞰するには、とても
良い企画だったと思います。マイセンの創成期から現代
まで、時代に偏りもなく上手く展示されていたと思います。
特にユーゲントシュティール、アールデコ時代が、きちんと
テーマに取り上げられていたのは嬉しかったです。

ただ、当店のお客様を始め、コレクターや熱心な愛好者
の皆様には、ちょっと物足りないところもあったようです。

一番多く聞かれたのは「オリジナルの時代の作品ではない」
とか「新しいものが多い」といった不満です。
これは私も全く同感です。少し前に大倉集古館のマイセン
を見ていただけに、これは強く感じました。例えば、フィギュア
などはほとんどが19世紀や20世紀のものでした。作品の出来
は素晴らしいのですが、18世紀のものもこの品質と勘違いして
しまう可能性があります。(というか、一般の観覧者のほとんど
がそうでしょう)このブログを読んでいる方は是非大倉集古館の
フィギュアと今回のフィギュアを比較してみる事をお勧めします。

また、マークが見られなかったのも、愛好者には歯がゆいところ
です。大倉集古館の場合は、マークが写真で見られました。

といったところで、不満ばかりでは前向きでないので、この
展覧会の見所も紹介しましょう。東京では終わってしまいまし
たが、展覧会はこれからまだ巡回します。

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写真2)展覧会のこれからの予定

一般的な見所はたくさん紹介されているので、このブログでは
ちょっと「オタク的」な見方をしてみましょう。次回に書きますので、
ついてこられる方はついてきて下さい。


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