2011年09月

2011年09月29日

ロイヤルコペンハーゲン ビングオーグレンダール展

今回は、現在開催中の素晴らしい展覧会をご紹介します。
今までのこの種の展覧会は一般に作品を紹介するのが主目的
で、作品の羅列が多かったのですが、今回の催事ではテーマを
絞り、単なる作品紹介を超えて、さらにその奥底にまで迫って行こう
とする画期的な展覧会です。10月8日から愛知県陶磁資料館で
始る「開窯300年マイセン陶磁器の誕生」もそうですが、こうした
テーマをきちんと絞った展覧会が開催されることは、今までには
なかった事であり、本当にすばらしい事と思っています。


        -塩川コレクション-
ロイヤルコペンハーゲン ビングオーグレンダール展
        魅惑の北欧アールヌーボー
       2011年9月16日~11月27日
       岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリーⅠ

パンフレットの写真を大きめに掲載します。
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写真1)パンフレット 表面

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写真2)パンフレット 裏面

当店のお客様でもある陶磁器研究家 塩川氏のコレクションを
中心にコペンハーゲンやB&Gのアールヌーボー期の作品を一同
に集めて展示する展覧会です。塩川氏はこの分野にかけて日本一
の世界的コレクターであり、その研究成果は高い評価を受けてい
ます。しかし、これらは熱心な愛好家やコレクターの間だけもので
あり、一般にはほとんど知られていませんでした。しかし、今回の
展覧会によってこれらの成果は大きく普及してゆくと考えます。
ロイヤルコペンハーゲンを単なる高級ブランドとしか捉えていなかっ
た方々は、本展覧会をご覧になれば、きっと驚かれるでしょう。

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写真3)図録の表紙

図録も非常に充実した内容です。単に逸品を並べただけでなく、
技法や芸術家などの紹介、時代背景や日本との関係など、今まで
の研究の集大成だと思います。塩川氏も「相当なところまでこの
図録に掲載した」と語っておられました。愛好家には気になる裏面
のマーク写真まできちんと掲載されており、図録として理想的な
仕上がりです。氏もおっしゃっていましたが、本当に労作ですね。
(塩川氏にはロ社のブルーフルーテッドの起源に関する優れた研究
もありますが、今回はテーマから外れているので見送られたようです)

実は私もまだ図録を拝見しただけなのですが、是非岐阜まで足を
運んでみようと思っております。この後各地を巡回するそうですが、
岐阜の展覧会が一番充実しているとの事なので見逃せません。

ロイヤルコペンハーゲンを初めとする陶磁器の窯が安易なブランド
ではなく、高度な伝統や芸術性を有する「文化」であることを、多く
の方に知って頂く素晴らしい機会になる事を願って止みません。

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写真4)開催要項の詳細 パンフレットより

最後に、開催要項の詳細を写真に押せておきます。


アンティーク西洋陶磁器専門店 
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                        tel 03-5717-3108
           ホームページはこちらです  http://archiv.jp/


dresdner220 at 13:43|PermalinkComments(1)TrackBack(0) イベント 催事 | ユーゲントシュティール

2011年09月22日

マイセン市立美術館   マイセンの秋

前回はマイセン美術館の「マイセン磁器の動物園」を
紹介しました。芸術の秋ということで、今回はマイセン
市立美術館を紹介します。

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写真1)マイセン市立美術館 

マイセン市立美術館は、ずばり穴場です。
アルブレヒツブルグ城の美術館は観光客に人気ですが、
ここはいつもすいていてガランとしていた印象です。
ハインリヒ広場にある古い教会(旧フランシスコ修道院)
の建物が美術館として利用されています。

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写真2)ハインリヒ広場の木陰

ハインリヒ広場には大きな木で木陰になっており、近くには
カフェなどもある雰囲気のいいところです。普段はマイセン
市の歴史的な展示が多いのですが、磁器に関する展示も
少しあります。

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写真3)「マイセン市民と磁器工場」の特別展

2010年は磁器はマイセン磁器300年に因み「マイセン市民
と磁器工場」という特別展が開催されました。実はこれを一番
の目的に訪独したのですが、私にとっては正に「嵌った」特別
展で、いったん入場したら最後、もう出てこられない状態でした。
あまり長くいるので、館長さんにあきれられてしまったほどです。

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写真4)「マイセン市民と磁器工場」の展示の一部

展示内容はこのブログではとても書き切れませんし、非常にマニ
アックなものなので、関心のある方はショップにいらしてください。
大いに語りましょう。旧東独時代にマイセン工場に関心のあるマニ
アには、素晴らしい展示そして資料でした。

マイセン市立美術館には分館があります。

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写真5)「Torhaus-Museum 城門美術館」分館

ここは本館と離れたアルブレヒツブルグ城の城門です。ここが美術館
になっているのですが、城門そのものもとても美しい建物です。
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写真6)城門  城門そのものも非常に美しい建築物です

ここはマイセンの画家「ルードヴィッヒ・リヒター Ludwig Richter」
が住んでいたところで、彼に関しての展示があります。リヒターは
絵本画家としても有名で、ドイツではとてもよく知られた芸術家です。
リヒターはマイセン磁器ともとても深い関係があります。彼はマイセン
工場で仕事をしており、1828年から~35年までは付属素描学校で
教師として絵付け師の指導ににあたりました。

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写真7)「L・リヒターとマイセン素描学校」 小冊子 市立美術館編

ドイツ・ロマン派の画家であったL・リヒターは風景画を得意として
おり、彼の風景画や子供達の絵は、マイセン磁器の絵付けに多大
な影響を与えました。2005年に日本で開催された「ドレスデン国立
美術館展ー世界の鏡」では、リヒターの絵画はフリードリヒと共に
展覧会の目玉でしたね。

これからマイセンを旅しようとする方々には、是非お勧めの美術館
です。


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                        tel 03-5717-3108
           ホームページはこちらです  http://archiv.jp/


dresdner220 at 17:57|PermalinkComments(1)TrackBack(0) マイセン訪独 | イベント 催事

2011年09月12日

マイセン磁器の動物園


芸術の秋
今回のブログは2010年にマイセン美術館で開催された
「マイセン磁器の動物園」をご紹介しましょう。

マイセン磁器製作所が、現在大きな改革の途中であることは
ご存知だと思います。マイセンは王立、国立、州立などと、常に
公的な保護を受けてきました。しかし、近年、州からの補助金が
打ち切られ、効率化・合理化が求められています。平たく言えば
独立採算でやりなさい、自分で儲けなさいということです。

マイセンにとって製品を売るのが一番の命題なのですが、観光客
の誘致も非常に大切です。そのため、マイセンは美術館の見せ方
大きく変えました。「マイセン磁器の動物園」はそのシンボルとも
言える展示です。

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写真1)ゲストハウスの入り口

工場は観光客用に立派なゲストハウスを新設しました。入り口
では、マイセンの剣マークの陶板がお客様を迎えます。

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写真2)エントランス

ロビーにはクロークやお土産の販売店があります。写真2)は美術
館への入り口。インストアでは限定品やマスターピースなどの逸品
を販売しています。とてもきれいになって、垢抜けました。そうなると
昔の狭い入り口が懐かしくなるのが、マイセンオタクの本音です。
エントランスから階上へあがると、そこが美術館です。

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写真3)「マイセン磁器の動物園」の展示

そして、最初に「マイセン磁器の動物園」の展示がありました。
まるでどこかのテーマパークと錯覚するようなポップな展示です。
東独時代の美術館とは雲泥の差で、とても驚きました!
動物の形に切り取られた窓から中を覗くと、マイセン磁器の動物
たちが鑑賞できます。例えば、アフリカや海といったようなテーマ
別にたくさんの動物たちが、制作された時代や作者には関係なく
配置されています。とても面白い企画で、子供たちなら喜びそうで
すが、実はこれが物議を醸しています。

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写真4)キリン オットー・ピルツ 作 1900年頃

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写真5) ワニとヒョウ ピエール・メネ 1900年頃

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写真5)猫とネズミ  オットー・ピルツ 1900年頃

とても、楽しい展示である事は確かです。しかし、東独時代から
マイセンを知っている人たちにとっては、あまりに観光客に迎合
した展示であり、マイセン磁器の真価を伝えていないという事
なのです。確かに、これらの作品を真剣に鑑賞しようという人たち
には、ちょっと物足りません。しかし、一般の観光客のほとんどは
コレクターや研究者ではありません。マイセン磁器を身近に感じて
もらうためには、こうした展示の方が良いのかもしれません。

こうした論争は現在でも行われており、保守派と改革派が対立
しているのが現状です。これは単に美術館の展示の問題という
だけでなく、マイセン存亡にも関る本質的な問題なので、そう簡単
に答えはでませんが、皆様は「マイセン磁器の動物園」をどう思い
ますか?


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