2012年03月

2012年03月29日

KPMベルリン クロッカス ロココ金彩レリーフ 飾り皿

今年は寒い日が続きましたが、3月も終わりの声を聞くと
さすがに春本番といった日が多くなります。といっても桜は
まだですが。
という訳で、今回はKPMベルリンの絵付けで、春の花である
クロッカスを紹介しようと思います。

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写真1)  春の花 クロッカス

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写真2)KPMベルリン [クロッカス」 自然主義様式の花絵

アンティークファンにはお馴染みの「ロココ金彩レリーフ」の飾り皿
です。約100年前に作られたプレートですが、概してこのシリーズ
の絵付けはとても高品質です。当時から人気があったようで、他
の窯でも類似の作品が作られていますが、KPMベルリンを凌駕
するようなものは少ないと思います。アンティーク市場では果物の
モチーフをよく見かけますが、花や木の葉などのシリーズもあります。

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写真3)上記作品のクローズアップ  1910年頃

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写真4) 同作のマーク  

柔らかい筆致でリアルに描かれているのは、やはり自然主義様式の
花絵のジャンルと考えます。花の持つ雰囲気だけでなく、その質感
や立体感をよく捉えており、結果としてとても生命感を感じさせます。
これらの表現は決してボタニカルアートのような説明的なものではな
く、絵画としてのクオリティーを高い位置で保っています。
この時代のKPMベルリンは本当にすごい。もちろん、今ではこうした
絵付けは出来ないことから、最近は世界的に見ても非常に人気が
出ており、ますます数が少なくなっています。
入手に際して、この種の作品にはKPM以外で描かれた所謂「ハウ
ス・マーレライ=ホームペインターによる絵付け」のものも多く出回っ
ているので注意が必要です。


アンティーク西洋陶磁器専門店 
               アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
                 TEL-03-5717-3108
           ホームページはこちらです  http://archiv.jp/

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2012年03月27日

Peter Strang ペーター・シュトラングの素描       マイセンの芸術家

前回はペーター・シュトラングのマニュスクリプトを紹介しました。

彼は造形の芸術家であると同時に、優れた画家でもあります。
シュトラングはすでにマイセンを引退していますが、現在はフリー
の芸術家として、彫刻や絵画の作品を積極的に発表しています。
今回のブログでは、まだ彼がマイセンに在籍していた当時の
素描を紹介します。

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写真1) シュトラング画   29.5cm×20.5cm

1998年に描かれた作品です。マイセンの用紙にボールペンで
描いた素描ですが、とても力の入ったもので充分に作品として
通用するレベルです。天使と悪魔、光と影を対比させた彼らしい
モチーフであり、当時の彼の考え方と知る上でも貴重な作品と
言えるでしょう。

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写真2) 同上 サインと日付  1998年3月29日

ペーター・シュトラングは1936年の生まれですので、マイセンの
5人の芸術家集団の中では一番若く、マイセンにも65歳まで
在籍していました。2001年に定年で退職し、現在ではフリーの
アーティストです。5人の芸術家集団のマイセンへの功績は計り
知れないものがありますが、すでにお2人が亡くなり、ブレッチュ
ナイダーさんは全く芸術活動をしていない事から、シュトラングさん
が健在でがんばっていてくださるのは、本当に嬉しいことです。
芸術家の73歳は決して晩年ではありません。これからも私達に
素晴らしい作品を見せてくれる事でしょう。


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2012年03月20日

マイセナー・マニュスクリプト Vol.15             ペーター・シュトラング

今回のブログは、久しぶりに「マイセナー・マニュスクリプト」の
紹介です。マイセナー・マニュスクリプトのNo.15はペーター・
シュトラングの特集です。

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写真1)マイセナー・マニュスクリプト No.15
     ペーター・シュトラング特集

この書籍は、とても充実しています。総ページは129ページ、
ペーター・シュトラングの作品をほぼ網羅しており、その意味
ではカタログレゾネといっても良いでしょう。シュトラングの
マイセンへの功績は多大であり、現代マイセンを把握する上
でも、また彼の作品を追求していく上でも必携の書といえます。

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写真2)アトリエにて   2000年

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写真3)左より ツェプナー ヴェルナー シュトラング 1967年

個人的に興味のあるのは、彼の初期の活動です。写真3)は
エウゲニー・シュヴァルツの文学作品「ドラゴン」に発想を得た
フィギュアの制作です。作っているのは劇中の登場人物「ランツェ
ロット」ですね。貴重な写真です。

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写真4)2000年に作られたウニカート 

彼のウニカートはもうぶっ飛んでいますね。これも現代マイセンの
芸術的側面です。後期の作品の評価は非常に高いもので、現代
マイセンのファンはシュトラングのウニカートを入手したいと奔走
しています。今やほとんど出てきませんが・・・・

シュトラングもすでにマイセンを引退していますが、未だ活発に
芸術活動をしているようです。

書名   Meissener Manuskripte XⅤ
      「Peter Strang 」
発行      マイセン磁器制作所
編著者      Uwe Beyer
発行年    2001年    
         5000部限定 129ページ

*現在の入手は難しいようです

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2012年03月17日

マイセン 野菜の絵付け 古典様式画法と自然主義様式画法

マイセンの野菜の絵付けについて、ご質問を頂きました。
*いつ頃から描かれているのか
*今でも作られているのか
というご質問でした。個人的にもお答えしましたが、このブログ
でも触れておきたいと思います。

マイセンのおいて、野菜の絵のモチーフは18世紀半ばには
描かれるようになります。最初は花や果物のバリエーションと
考えられます。従って、野菜が単独で描かれるというよりも、
花や果物と一緒に野菜が描かれる事が一般的でした。

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写真1)18世紀に描かれた野菜の絵  1760年頃
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写真2) 上作品のマーク 

18世紀独特の渋い色調であり、影付けが銅版画調の線描
で表されています。こうした描法を現在のマイセンでは
「古典様式の画法」と分類しています。

これに対して、19世紀の後半に現れたのが、自然主義様式
で描かれた野菜の絵です。

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写真3)自然主義様式の画法で描かれた野菜の絵 
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写真3)上記作品のマーク  1900年頃

これらは明らかに「野菜」を主題として描かれており、花や果実
の代替ではない事がご理解頂けると思います。水彩画のような
柔らか色彩、決して描きすぎない優しいタッチはこの時代独特
のものでしょう。

現在でも極僅かに野菜の絵は描かれていますが、やはりオリジ
ナルの時代を凌ぐ出来栄えではないと感じます。
皆様はどちらがお好きですか?

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2012年03月11日

KPM ベルリンのフラワーベース              

お客様にお花を頂きました。
とても可愛いお花だったので、KPMベルリンのベースに
活けてみました。3月の半ばでも寒い日が続きますが、
ショップの中がちょっと春になりました。
ありがとうございました。

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写真1) KPMベルリンのベースに活けた花

写真のベースは1910年頃に作られたKPMベルリンの作品
です。作家はフォルムがKamp, 装飾はAdolph Fladと思わ
れます。フォルムはKPMの資料から確定できるのですが、
装飾はその作風からの類推です。従って「思われます」という
曖昧な表現になりました。

KPMのユーゲント期は、芸術的に本当に充実しており、有名
無名の多くの芸術家が活躍しました。その種類や品質は、
同じドイツのマイセン窯を遥かに上回っていたと言ってよいで
しょう。

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写真2)ベースの装飾 エナメル彩  KPMベルリン c.1910

本作の装飾にも是非ご注目下さい。
花文様のアスターは、黄色のエナメル絵の具をを丹念に
置いて描かれたものです。これらが集まって渦巻状の模様が
本体を取り巻き、ユーゲントシュティール独特の装飾に仕上
がっています。何気ない作品ですが、非常に手がかかって
おり、現在ではもはや再現不可能でしょう。

とても、小さくて使いやすいベースなので、花容れによく登場
します。お気に入りです。


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2012年03月08日

マイセン フィギュア 「エルツ山地の歩荷」                   ヒューゴ・シュピーラー作 1897年頃

久しぶりのブログ更新です。
しばらく時間があいてしまって、申し訳ございませんでした。

今回はマイセンの珍しいフィギュアを紹介しましょう。

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写真1)マイセン フィギュア「エルツ山地の歩荷」 1925年頃

本作のオリジナルは1897~98年に作られた「民族衣装の人々」
というシリーズの一体です。本作はそのうちの「エルツ山地の
歩荷(=ぼっか 山岳荷上げ人)」という作品です。エルツ山地は
ドイツとチェコの国境にある山岳地帯です。エルベ川はこの北東
になります。
作家はヒューゴ・シュピーラー(1854~1922)、マイセンでは初期
のユーゲントシュティール期の作品と位置づけられています。

本作は1925年頃に再生産されたものですが、持ち物がパイプ
からハンマーに変えられており、顔の表情や服の彩色なども、
オリジナルと大きく異なっています。オリジナルは牧歌的な雰囲気
の漂う作品ですが、本作は「登山家」というにふさわしいものです。
ドイツでは伝統的に登山が盛んであり、当時からこうしたフィギュア
がうけたのかもしれません。

バックに作品と合うような景色を配して、写真を撮ってもらいました。
(撮影 by パックン)昨今、登山が再びブームのようですが、本作は
表情やポーズなどとても惹かれる作品ですので、紹介させて頂き
ました。

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