2013年04月

2013年04月25日

セーブルのジャルダニエール                  アールヌーボー時代の傑作

今回のブログでは、セーブルのジャルダニエールを紹介致し
ます。

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写真1) セーブル ジャルダニエール 1903年頃

ジャルダニエールという名称はアンティーク市場ではよく使わ
れる言葉ですが、もともとは園芸用の植物を植える植栽のた
めの器です。ジャルダン(Jardin 仏)はフランス語で庭の意味
ですね。

これから転じて、テーブルウェアでは野菜を盛り付けるため
の器とされます。一般に、低めの丈で、横長の形状のものを
ジャルダニエールを呼ぶようです。
こうした器に色とりどりの野菜を盛り付けると、テーブルの
上にまるで小さな庭が現れたようです。アンティーク陶磁器
として、とても人気がありますが、チュリーンなどと違って
各メーカーでもあまり作られておらず、数はとても少ないです。

本作は、セーブルでアールヌーボー期につくられたとても
希少な作品です。装飾は所謂「アートグレイズ=芸術釉」と
よばれる窯変の技術で制作されており、これは日本を始め
とする東洋の焼き物の影響を言われています。

一般に「アートグレイズ」は低温焼成に陶器で作られることが
多いのですが、セーブルは磁器でこれを完成させました。この
目的のために、セーブルは新しい素地を開発し、これを「新磁
器」と呼びました。本作の裏面に刻印されているPN(pate nou=
velle)は新磁器を意味しています。

作者はレオン・リゴレット。RLのイニシャルが刻印されています。
1900年から1935年までセーブルで働いていた陶工です。
窯の炎が生み出す偶然の美、アールヌーボー期の特徴をよく捉
えた素晴らしい器型、個人的にはセーブルの傑作と考えていま
すが、いかがでしょうか?

5月1日から東京プリンスホテル(芝公園)で開催される、ザ・
美術骨董ショーにて、展示即売致します。

催事の詳細はこちらからご覧下さい。


アンティーク西洋陶磁器専門店 
               アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
                 TEL-03-5717-3108
           ホームページはこちらです  http://archiv.jp/

dresdner220 at 18:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0) セーブル | 作品紹介

2013年04月15日

フランツ・アントン・ブステリのコメディアデラルテ              ニンフェンブルグ

このブログを読んでくださっている方でも、フランツ・アントン・
ブステリの名前をご存知の方はそう多くないでしょう。
ニンフェンブルグ窯で18世紀に活躍した芸術家です。彼の
代表作は、何と言っても16体からなるコメディアデラルテ(イタリア
仮面即興喜劇)の作品です。
今回そのうちの6体が入荷しましたので、紹介しましょう。

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写真1)今回入荷したコメディアデラルテ像 6体 20世紀半

写真左より
*イザベッラ
*コリーネ
*オクタビーロ
*メッツェティーノ
*ドンナ・マルティーナ
*ララーゲ

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写真2)コメディアデラルテの登場人物
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写真3) 同上

コメディアデラルテの磁器像は、マイセンのケンドラー作のものも
有名ですが、ドイツではブステリの評価は非常に高く、特にミュンヘン
など南ドイツでは、マイセンを遥かに凌ぐとさえ言われています。
確かに、独特の動きやしなやかなポーズはケンドラー以上と、個人的
にも思います。またその表情はユニークであり、ある種の毒を含んで
いるように感じます。この個性こそが、ブステリの魅力なのでしょう。

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写真4)ブステリの研究書 2004年刊 552頁

ブステリについては、552ページにも及ぶ研究書なども出版されてい
ますが、彼の生涯についてはわからないことが多いのです。
1723年に生まれ、1754年からニンフェンブルグで仕事を始めます。
1763年にニンフェンブルグで亡くなりますが、18世紀磁器芸術の
分野における最も個性的な芸術家といってよいでしょう。

今回入荷した作品は20世紀半ばのものですが、非常によくブステリ
の雰囲気を伝えています。
どうぞ、ショップにて、お手に取ってご覧下さい。



アンティーク西洋陶磁器専門店 
               アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
                 TEL-03-5717-3108
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dresdner220 at 15:23|PermalinkComments(1)TrackBack(0) ニンフェンブルグ 作品紹介 | 作品紹介

2013年04月09日

スミレの花咲く頃                          マイセンのスミレ

スミレの花咲く頃の歌詞が、いつの頃の事を歌っているの
かは定かではありませんが、アンティーク アーカイヴの周り
でもスミレの花を見かけました。

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写真1)プリケアナ 西洋すみれ

園芸植物として、一般的なスミレだそうです。近所のお宅のお庭で
見かけました。日本のスミレとは種類が違うようですが、愛らしい
ですね。

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写真2)マイセン 「自然主義様式のスミレの絵」 1890年頃

1880年頃から現れる、マイセンの自然主義様式で描かれたスミレ
の絵です。水彩画のような技法で、柔らかく淡い色彩で描かれて
います。こうした描法は伝統的な花絵より難しく、19世紀が最高の
レベルにあったと言われています。

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写真3) マイセン「新しい花の絵 スミレ」 1975年頃

写真3)4)はV.ブレッチュナイダーとH.ヴェルナーによって創作
された「新しい花の絵」と呼ばれる花絵です。正式には「コバルト
ブルーと多色による新しい花の絵付け」という、長い名前ですが、
釉下彩と上絵付けのコンビネーションで効果的に描かれています。
マイセンでは非常に画期的で、しかも高い技術をようする絵付け
です。

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写真4) 同上

写真は1974年に、この装飾が発表されたその時代のもので、
このようなスミレのモチーフは現在では作られていません。最も
この装飾自体、日本でもドイツのでもほとんど見かけなくなって
しまいました。個人的に大好きな花絵だけに、高品質を維持しな
がら、ずっと作り続けて欲しいものです。

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写真5)染付のよるスミレの花 B&G 1920年頃

おまけです。デンマークのB&G窯の染付のスミレです。青の濃淡
で描かれていますが、とても微妙な色彩です。素晴らしい出来の
作品でしたので、前にも紹介しましたが、参考までに。


アンティーク西洋陶磁器専門店 
               アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
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dresdner220 at 14:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 花とマイセン | マイセン作品紹介
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