2013年10月

2013年10月29日

マイセン アムステルダムの花 Part 1                         FFブルーメ 最上級の花絵

今回のブログではマイセンの「アムステルダム芸術様式の
花絵」について説明します。アムステルダムの花についての
解説は今まで全くなく、日本では本ブログが初めてだと思い
ます。


私がマイセンの「アムステルダムの花」という言葉を知った
のは、1985年の「マイセン磁器展」においてでした。この展
覧会は、マイセン創設275年を記念して行われた大きな催し
で、作品もマイセンの歴史を俯瞰できるような優れたものが
展示されていました。

その中に「アムステルダムの花絵付」という用語がありまし
た。これはどのような様式の花絵を言うのかとても知りたい
と思いましたが、展覧会の解説にも図録の中でもこれに対し
ての説明はありません。

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写真1) マイセン磁器展  1985年 図録より

この「アムステルダムの花絵付け」について、マイセンの関係者
やペインターに訊ねたのですが、「昔からこう言っているからねー」
というような曖昧な答えしかえられませんでした。

実は、「アムステルダムの花」はマイセンの公式カタログや専門の
研究書などにも使われている公式ものなのです。
下の図はマイセンの公式カタログからのものです。

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写真2)マイセンの公式カタログより

このカタログのドイツ語を訳すと、おおよそ位以下のようになります。
最上級(FF)の花の絵 中央と窓絵
アムステルダム芸術の様式
王者の青 ボーダー 光沢
金の波型の縁取り装飾
金彩の縁取り

このカタログにおいて、この作品が最上級(FF)の花絵と定義されて
いることにご注目しておいて下さい。後に説明します。

さらに専門書の例をご覧ください。

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写真3) 専門書  図版より

マイセンの花絵付けの分野に限定して書かれている定評のある
専門書です。題名は「Sprache der Blumen」 1995年 著者は
Hans Sonntag博士です。この中にも最上級の花(FFブルーメ)
とアムステルダム芸術が表されています。しかし、どうしてこの
様式がアムステルダムと呼ばれるのかという説明はありません
でした。

さらにマイセンの付属美術館にもこの様式の作品が展示されて
います。
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写真4)マイセン付属美術館のプレートの展示

マイセン付属美術館にあるプレートの展示コーナーです。写真4)
でお分かりのように、花絵付けに限って歴史的な成立順に展示
されており、歴代のマイセンの花絵が把握できるように配置されて
います。


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写真5) 同 作品のアップ

この中にアムステルダムの花が展示されています。写真5)
この展示でもアムステルダム芸術と呼ばれる理由や正確な定義は
提示されていません。

しかし、上に挙げた4例から、なんとなくアムステルダム芸術の形と
いうものが見えてくるような気がします。

コバルトブルーのボーダーにリッチな金彩が施されており、窓絵
にもリッチな花束が描かれています。さらに作品の中央には、
非常に豪華で技術的にも難しい花絵付けがある、これをアムス
テルダム様式と呼ぶようです。しかし、やはりこれでは漠然としてい
ますし、アムステルダムと呼ばれるようになった理由が知りたいと
思いました。そして何と言ってもきちんとした定義が欲しいと考えて
いました。


長くなってしまったので、この項は次回に続けます。



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dresdner220 at 15:32|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 自然主義様式の花絵 | マイセン花絵付けについての考察

2013年10月22日

マイセンの柿右衛門写し 「梅に鶉」 part 2           クイズの答え

前回のクイズの答えが遅くなり、すみませんでした。
色々な反響を頂きましたが、皆様概ねご正解でした。

正解は写真1)が18世紀の柿衛門写し、写真2)が現代ものの
絵付けでした。
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写真1) マイセン「梅に鶉 柿衛門写し」 プレート 1730~40年頃

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 写真1-2)  写真1)の作品の剣マーク

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写真2) マイセン「梅に鶉 柿衛門写し」 C&S 現代もの

現代ものの絵付けは、柿衛門の描写がややパターン化して、
線描も均一です。これはある意味綺麗な描写なので、こちらを
好む方もいらっしゃると思います。
ただ、18世紀のものの方が、味があるように思います。それは
輪郭の線によく表れており、線の強弱や筆致がご覧になれると思い
ます。これは現代ものはペンを使って線を描くのに対し、18世紀
のものは筆を使っているからでしょう。
いずれにしても、どちらが良い悪いではなく、皆様の感性にお任せ
しようと思います。


さて、ここでもう一つ、賞品のないクイズ。
一つは18世紀のマイセン、もう一つは同じく古い柿衛門写しですが、
窯不明の作品です。双方ともにマイセンのマークは入っていますが、
一枚は本来のマークを削って、後からマイセンマークをいれたもの
と思います。どちらがマイセンでしょう。当ててみて下さい。
リクエストがあれば、いずれ解答します。

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写真3) 古い柿衛門写しのプレート

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写真4) 同上

柿衛門文様は、世界に多くの専門家が研究する程とても難しい
テーマです。日本にも専門のコレクターや研究家がおり、素晴らしい
コレクションが存在します。マイセンと柿衛門の関係は、とても興味を
ひくテーマであり、アンティーク市場でもマイセンの古い柿衛門写し
は、驚く程高い価格で取引されています。出来の良い柿衛門写しは、
マイセン作品の中でも最も高価なものの一つ言えるでしょう。



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dresdner220 at 15:13|PermalinkComments(1)TrackBack(0) マイセン作品紹介 | マイセン 柿右衛門
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