2013年11月

2013年11月30日

マイセンの街のショーウィンドウ            

街はクリスマスのイルミネーションで輝いています。
今日は土曜日だったので、二子玉川のデパートは、買い物
の人たちでいっぱいでした。お歳暮でしょうか?それとも、もう
すぐ来るクリスマスと年末のための下見でしょうか?

今回のブログは、マイセンの街で見かけたお店のショーウィン
ドウです。マイセンに限らず、ドイツでは、お店の窓は夜でも
ウィンドウショッピングできるように美しく飾られています。寒い
夜でも何となく暖かさを感じさせてくれます。

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写真1) マイセンの街のケーキ屋さん

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写真2) 同上

日本では、夜にこうしたディスプレイをしているお店は少ないように
思います。いかがですか、必ずしも豪華ではありませんが、日本の
ディスプレイとはまた違った趣があるのではないでしょうか?

明日から師走、慌ただしいですが、楽しい時期です。
風邪などひかないよう、身体に気をつけながら頑張りましょう。


アンティーク西洋陶磁器専門店 
               アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
                 TEL-03-5717-3108
           ホームページはこちらです  http://archiv.jp/

dresdner220 at 18:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0) マイセン訪独 | その他

2013年11月26日

マイセン ユーゲントシュティールの風景画                     ルドルフ・ヘンチェル

秋もそろそろ終わりに近づき、晩秋という表現がぴったりの
今日この頃です。多摩川の川原を散歩していると、日が暮
れるのが本当に早く感じます。
今回のブログでは、そんな川原の風景を描いたマイセンの
作品を紹介します。

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写真1)マイセン 「川辺の風景」 釉下彩 1910年頃

マイセンのユーゲントシュティール期、芸術家は身近な風景の
中に自然の美しさを見い出し、作品に表現しました。ほんの何気
ない風景ですが、それまでのマイセンにはないモチーフとして、
若い芸術家によって作られました。当時としては非常に斬新な
作品だったのでしょう。本作は釉下彩(=アンダーグレーズ)で
表現された作品です。
こうした作品は色々試みられ、言わば実験的な作品として作
られていたようです。

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写真2) マイセン 同じモチーフの作品 1910年頃

上の写真をご覧ください。細部に至るまで全く同じ風景を題材
としていることは明らかでしょう。

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写真3) マイセン 「川辺の風景」 上絵付け 1910年頃

写真3)は写真1)と同じモチーフを上絵付けで描いたものです。
画像ではよくお分かりにならないかもしれませんが、その絵付け
方法の特性から、作品の仕上がりはかなり違います。
こうした作品が2種類とも集まるのはまずないことなので、是非
当店にてお手にとって見比べてみてください。


こうした実験作を制作した芸術家は誰だったのかは、非常に
興味があります。個人的にはルドルフ・ヘンチェルではないか
と思っていますが、サインなどはないので、確定的な証拠はあり
ません。ただ、ルドルフ・ヘンチェルはこうした風景を好んでモチ
ーフに取り上げているので、そう考えました。

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写真4) 銅版画 「川辺の風景」 ルドルフ・ヘンチェル 1900年頃

写真4)はルドルフ・ヘンチェルの署名がはいった銅版画です。
(当店所有の作品ではないので、画像の質を落とし掲載しています)
彼はこうした版画作品も多く残していますが、写真1)3)の作品に雰
囲気がよく似ていると思います。
しかし、この時代のマイセンにはルドルフ・ヘンチェルのような
優れた芸術家が他にも存在し、同様な作風の作品もあることか
ら、サインがあるもの以外は作品の同定が非常に難しいのが事実
です。
マイセンのユーゲントは本当に興味が尽きません。


アンティーク西洋陶磁器専門店 
               アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
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dresdner220 at 23:04|PermalinkComments(2)TrackBack(0) マイセン作品紹介 | ユーゲントシュティール

2013年11月07日

マイセンのシクラメンの絵付け    マイセン磁器

二子玉川のフラワーショップでも、シクラメンの鉢植えが
たくさん見られるようになりました。シクラメンは、「アルプスの
スミレ」と愛称される、正に冬を代表する花ですね。

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写真1) 白いシクラメンの花

実はマイセンにもシクラメンの花絵付けがあります。19世紀
後半の自然主義様式の花絵の時代に描かれたものですが、
現在のマイセンでは、ほとんど見られないモチーフです。
日本でも馴染み深く人気のある花なのに、現在では描かれない
のは何故なのでしょう。
それでは、約100年以上前のマイセンのシクラメンをご覧ください。

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写真2)マイセン 自然主義様式で描かれたシクラメンの花の絵 1890年頃

コバルトブルーの地色に白いシクラメンの株が描かれています。
コバルトブルーは釉下彩なので、あらかじめマスキングして一度
焼成し、その後上絵付けされたものです。水彩画調のラフなタッチ
ですが、花びらや葉の質感など見事に描かれています。


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写真3)マイセン チョコレート色の地に描かれたシクラメンの絵 1890年頃

珍しいチョコレート色の地色に、やはり白いシクラメンの絵付けです。
こちらは絵付けの後にチョコレート色の地を塗ったものでしょうか?
あるいは、1)と同様、先に地色を塗ったのでしょうか。
写真2)のタッチとは微妙に違いますが、シクラメンの生き生きした
姿が見事です。構図のセンターにはスミレが描かれていることにも
ご注目下さい。

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写真4)マイセン 釉下彩のグリーンに金銀で描かれたシクラメン1900年頃

これはとても珍しいグリーンの下地に描かれた金と銀のシクラメン
です。金は24金の絵の具、銀はプラチナの絵の具です。本作は釉下
のグリーンを全面に塗布し、マスキングなしにプラチナ・ゴールドでモ
チーフを描いたものです。筆の勢いやかすれなどのタッチを生かし
た、日本の墨絵のような描法です。暗いグリーンの地色ですから、
絵の具が一番多く塗られたところがハイライトになる訳です。通常
の上絵付けとは全く逆になる訳で、非常に難しい技法なのです。
シクラメンのモチーフ、グリーンの地色、プラチナ・ゴールドの描法、
全てに渡って珍しく、アンティーク市場でも非常に希少価値のある
作品と言えるでしょう。

皆様はどのシクラメンがお好きですか?



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dresdner220 at 16:04|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 花とマイセン | 自然主義様式の花絵

2013年11月02日

マイセン アムステルダムの花 part 2                  FFブルーメ 最上級の花絵

前回に引き続き、マイセンの「アムステルダムの花」について
の解説です。

マイセン付属美術館の責任者であったハンス・ゾンターク博士の
著書によると、下の写真の作品も「アムステルダム花」の様式と
分類されています。

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写真1)「Die Sprache der Blumen 」1995年刊 より

1番目上 はロココ様式の窓絵
2番目中 は「レースの金彩」
3番目下 は「波の金彩」
です。つまり、金彩の種類は問わず、コバルトブルーのボーダー
に窓を設け、そこに花束ブーケが描かれている事が、アムステル
ダム様式の条件のようです。また、上の2つ窓の中に描かれてい
るのは「様式的な花」であり、ここには必ずしも自然主義様式の花
絵が描かれなければいけないという訳ではなさそうです。

また、アムステルダムの花絵として、スープチュリーンの例もあげて
います。これは、波の金彩に花が描かれています。
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写真2)「Die Sprache der Blumen 」1995年刊より チュリーンの例

前回のブログとあわせて見てくると、「アムステルダムの花」の様
式は、次のように定義できるのではないでしょうか?

*FFブルーメ 最上級の花絵である。
*コバルトブルーのボーダーに、窓絵が設けられ、ここにも花束
  ブーケが描かれるが、必ずしも自然主義様式である必要はない。
*豪華な金彩(レースの金彩や波の金彩等)で縁どりされ、窓は
  カールトゥーシェ(=ロココ風渦巻き文様)で装飾されている。
*中央には、自然主義様式の豪華な花束(あるいはそれに類する
  花束)が描かれているが、非常に高度な絵付け技術を必要とする
  ものである。これらの花絵は、しばしば、昆虫と結びついて描写さ
  れる。
*19世紀の末から20世紀初頭に成立したものである。

これは、あくまで当方独自の見解であり、マイセンに公式な定義で
ない事をご承知置き下さい。

さて、残るはこの様式をなぜ「アムステルダム」と呼ぶのかという問題
ですが、これは今だにはっきりとした資料文書が見つかりません。
しかし、東独当時、マイセンの花絵付け師の第一人者であり、付属
素描学校の教師、指導者であもあったS・ヴェンドラー氏は、有力な
示唆を下さいました。
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写真3)S・ヴェンドラー氏

これによれば、1900年頃、アムステルダムにあったマイセンの代
理店を通して、この様式での食器セットのオーダーを受けた事から、
「アムステルダム」の名称が付けられたのでないか、という事です。
自然主義様式の花絵が完成されたのも、19世紀後半ですし、この頃
はマイセンも好景気で大きな注文が来たと言いますから、この説は
有力でしょう。

では、その当時の「アムステルダム様式」の作品をご覧ください。
当店にごく最近入荷したばかりの作品です。
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写真4)マイセン 「アムステルダムの花絵 ピンクと黄色のバラ」 プレート 1890年頃

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写真5)マイセン 「アムステルダムの花絵 ローズと赤のバラ」 プレート 1890年頃


自然主義様式で描かれたバラのブーケ2例です。光や質感を意識
した柔らかいタッチの絵付けです。今やこうした描法は出来ないの
ではないでしょうか。

もう一つ、かわいいミルクピッチャーです。
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写真6)マイセン「アムステルダムの花」 ミルクピッチャー1890年頃

アムステルダムの花の作品は、アンティーク市場でも本当に少なく
なりました。自然主義様式の花絵の最高峰、まさしくFFブルーメ=
最上級の花絵と言えます。



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dresdner220 at 17:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 自然主義様式の花絵 | マイセン花絵付けについての考察
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