2017年09月

2017年09月30日

マイセン 透かし彫りプレート「インドの花の絵」

今回のブログは、マイセンの東洋文様を紹介します。


マイセンの呼称では、東洋に影響を受けた文様のことを
「インド文様」と呼びます。一般に使われるような「シノワズリー」
とか「ジャポネズリー」というような名称は使いません。


マイセンにおける「インド」とは国をさすのではなく、18世紀当時
の概念である広く東洋を指す言葉です。ですから、「インド文様」
はイコール「東洋文様」と理解していいと思います。

今回紹介するのは、「インドの花」のプレートです。

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写真1) プレート 「インドの花」 1985年頃

マイセン公式カタログ上の正式な名称は、いつものように長い名前
です。


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写真2) マイセン 公式カタログより


インドの花の絵
二つのパートの構図
酸化銅彩色と多色の絵付け 金彩

装飾番号は451110です。

名称の中の二つの部分というのは、インドの花の文様が、上下二つ
に描かれている事に由来するものです。
では、その二つの部分のクローズアップをご覧ください。


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写真3) 同上 クローズアップ


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写真4) 同上

分かり易いように、同じ方向での写真を提示しました。
一見、同じ文様に見えますが、花の形など細部は異なる
デザインであることがお分かり頂けると思います。

文様の葉に当たる緑の色彩と、添え花の青の色彩が「酸化
銅」の絵の具によるものです。この酸化銅の彩色は、上位の
インド文様では必須のテクニックで、実はとても高い技量を
要する絵付けなのです。


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写真5) 同上

この作品の大きな見所は、インド文様だけではありません。
窓絵や金彩、透かし彫りも大きな特色です。
オープンワーク=穴あけの技法は、焼成前の粘土の状態
で、専門の職人が小刀であけていきます。


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写真6)オープンワーク専門の工房  マイセン磁器製作所

この時エッジをシャープにカットしておかないと、釉薬をかけると
甘い細工になってしまいます。この後、焼成するわけですが、き
ちんとしたカットできていないと、焼成中に割れてしまいます。

オープンワークはとても高度な技法なので、透かし彫りの装飾
が加えられると価格も高いものになります。


最後に裏面のマークをご覧ください。

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写真7) 同作  双剣のマーク

マークや刻印から、1980年頃の製作と推定しています。



西洋陶磁器専門店
 
アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
     TEL-03-5717-3108
 ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/




dresdner220 at 16:12|PermalinkComments(0) マイセン作品紹介 | 作品紹介

2017年09月23日

ニンフェンブルグ  「ジャパニーズ・チン」 犬のフィギュア  狆(ちん)  テオドール・ケルナー作品

今回は、ニンフェンブルグの犬のフィギュアを紹介します。

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写真1) ニンフェンブルグ フィギュア「ジャパニーズ・チン」

ニンフェンブルグのユーゲント時代の代表作です。


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写真2) 同上 クローズアップ

狆(ちん)は日本原産の小型愛玩犬で、長い日本の歴史の中で
独特の飼育がなされてきたものです。
その語源は、「小さい犬」「ち犬」が「チン」になったと言われます。
1853年にペリーによって持ち帰られ、そのうちの二頭が愛犬家
であったビクトリア女王に献上されたことから、ヨーロッパに
普及していったそうです。


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写真3) 同上  後面

ケルナーの動物作品のうちでも、犬のフォギュアは特に有名で
人気も高く、ニンフェンブルグのオリジナル時代のものは、ア
ンティーク市場でも滅多に出てきません。



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写真4) 原作者 テオドール・ケルナーのサイン


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写真5) テオドール・ケルナー アトリエにて


原作者のテオドール・ケルナーは1884年生まれのドイツの彫刻
家です。人物像もありますが、そのほとんどの作品が動物像で
あり、ユーゲント時代のニンフェンブルグやローゼンタールに
作品を提供しています。ドイツでは、1984年に単独の展覧会が
開催されるほど有名な芸術家です。


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写真6)製昨年と陶工のイニシャル


本作には、作品の背面に、RB1918.の記述があります
が、これはニンフェンブルグの名工であったRobertBock
イニシャルであり、製造年の
1918年もはっきりと記述されています


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写真7)ベルリン「ブレーハン美術館」のカタログより

本作はユーゲント蒐集で有名なブレーハン美術館(ベルリン)
と同等なものであり、正にミュージアムピースといえるでしょ
う。(ブレーハン美術館に所蔵されているものは
1914年製)


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写真8) 本作 クローズアップ

本作のポーズ、表情、質感など、どれをとってもケルナーら
しさの出た傑作と断言できます。



ケルナーは他にも、色々な窯で作品を残しており、このブログでも
また作品を紹介したいと思っています。




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dresdner220 at 19:23|PermalinkComments(0) 作品紹介 | ニンフェンブルグ 作品紹介
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