2018年03月

2018年03月30日

マイセン イースターエッグ    復活祭の卵飾り            今年のイースターは4月1日(日)

日本では、クリスマスやバレンタインほど一般的ではありま
せんが、キリスト教の国ではイースター(復活祭)は大きな
意味をもつ一日です。

イースターは、「春分の日の後の、最初の満月の日から数え
て、最初の日曜日」と定められていて、今年2018年のイース
ターは、4月1日の日曜日だそうです。

復活祭では、生命の誕生を意味する卵がシンボルであり、卵
をモチーフにした飾りを飾ってお祝いします。
西洋の王侯貴族は、この卵飾りにステータスをかけ、豪華な
工芸品をつくらせて威厳を競いあいました。
この最高峰が、ロシアのファベルジェ製の宝飾品であった事は
ご存知の通りと思います。

ヨーロッパ最高峰の磁器窯であるマイセンも、当然のように
イースター用の卵の磁器飾りを作っています。
今回は1870年頃に作られたイースターエッグを紹介しましょう。

紺地に金彩、花の窓絵が三面に描いてあります。三面全てを
ご覧にいれます。


zz-2C8T1677















写真1) マイセン イースターエッグ 紺地花絵 1870年頃


zz-2C8T1676














写真2) 同上


zz-2C8T1678














写真3) 同上


絵付けは、柔らかく軽いタッチで描かれた花束で、香るように立体
的に見えます。しかし、これをクローズアップで見ると、案外ラフな
筆使いであることがご理解頂けると思います。このタッチこそが、
19世紀末の花絵の特徴であり、20世紀になると、もっと固いタッチ
に戻ってしまいます。どうぞ、クローズアップをご参照ください。
これも三面をご覧ください。


zz-2C8T1681








写真4) 同上 絵付けクローズアップ


zz-2C8T1680







写真5) 同上


zz-2C8T1679







写真6) 同上




zz-2C8T1683








写真7) 同上 脚と花のレリーフ装飾

ステータスを格付けする工芸品なので、細部まで手を抜いて
いません。きっと当時は庶民には手の届かない贅沢品であっ
たと思います。

最後にマイセンマークをご覧ください。

zz-2C8T1682










写真8) マイセン マーク

ボタン剣のマークです。脚の一本に描かれています。




アンティーク西洋陶磁器専門店 
        アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
            TEL-03-5717-3108
      ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/








dresdner220 at 17:09|PermalinkComments(0) マイセン作品紹介 | 作品紹介

2018年03月26日

ヘレンドの大皿と桜文  ヘレンド展  汐留ミュージアム

今年はこの時期に、桜が満開です。
お天気もよいので、たくさんの花見客が名所に繰り出すの
でしょう。

桜で思い出すのが、当店に在庫しているヘレンドの大皿です。


x-2C8T1595











写真1) ヘレンド 大皿「タカーチ夫人のための大皿」 1990年


本作の正式名は「TMAの装飾絵皿」といいます。
作者はタカーチ・ゾルターン、1951年生まれの芸術家です。ヘレ
ンドは1985年に社内にアトリエを設け、磁器デザインを専門とする
芸術家を招聘します。タカーチ・ゾルターンもこの一人で、ヘレンド
にも多くの斬新な作品が誕生しました。


zz-2C8T1671








写真2) 同上 クローズアップ


本作は1990年に作られた作品で、TMAはアグネシュ・マテヨブス
キ・タカーチ夫人を表しています。筆の描写だけでなく、スプレー
ガンや刷毛、ペンなども使って、小花、矢飾、蜂の巣、星、木の葉
などを描いています。

個人的な印象ですが、一目で日本風の桜文様を思い起こしました。
作者が意図しているのかどうかは不明ですが、亀甲文や七宝文な
ども散見され、非常に日本的だと感じます。着物の文様にもありそ
うな絵柄です。


sak-1











写真3) きものの桜柄

日本独自のこうした文様は、世界にはとてもモダンに見えるとい
います。作者のタカーチ・ゾルターンは、日本の文様を意識して
いたのでしょうか。
タカーチ・ゾルターンは2002年国際陶磁器フェスティバル美濃に
おいて銅賞を受賞しており、2016年には岐阜現代陶芸美術館に
も展示されるなど、日本にも馴染み深い芸術家です。


zz-2C8T1673









写真4) 同作 ヘレンドマークとサイン

裏面にはヘレンドのマークと80388/TMA,タカーチ・ゾルターンの
サインがあります。もちろん、一般市販向けの作品ではなく、芸
術家のアトリエ作品という位置づけでしょう。
サイズは直径38cmという大きなものです。


zz-2C8T1675






写真5)ヘレンド展 チケット 

先日終了してしまいましたが、ヘレンド展でもタカーチ・ゾルターン
の作品が展示されていました。とても見ごたえのある展覧会で、作品
一つ一つを堪能したきました。観覧のお客様もとても多かったです。
(但し、上述の作品はこの展覧会には展示されておりません。)



zz-2C8T1674











写真6) ヘレンド展 図録

ヘレンドの磁器の中には、素地が純白でなく青みがかった白磁を
たまに見ます。もちろん、今デパートにおかれているような白磁は
純白ですが、アンティークの中にはたまに見かけます。
今回の展示作品の中にもそうした白磁があり、その制作年代に注目
しながら鑑賞してきました。こうした差異は実物を見ないと分からない
もので、こうした展覧会は本当にありがたいものです。

今後とも、西洋陶磁器の展覧会に期待したいものです。



アンティーク西洋陶磁器専門店 
        アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
            TEL-03-5717-3108
      ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/



dresdner220 at 17:58|PermalinkComments(0) 作品紹介 | ヘレンド

2018年03月16日

マイセン フィギュア 異国の人々 「東屋の中国人」

今回のブログは、マイセンのフィギュアを取り上げます。


フィギュアは、食器と並んでマイセンの重要なジャンルですが、
あまりにたくさんの種類があり、把握するのが難しいです。

zz-2C8T1665








写真1)マイセン フィギュア「東屋の中国人」 1983年頃

マイセンのフィギュアには多くのカテゴリーがありますが、本作は
「異国の人々」と分類される作品群の一つです。
中国人や日本人などの東洋人が中心ですが、ポーランド人や
トルコ人なども含まれます。有名なパゴダ人形もこのカテゴリーに
入ります。


zz-2C8T1668








写真2)マイセン公式カタログより

マイセンの公式カタログには、本作が内表紙で紹介されてい
ます。作品だけ見ると、これが日本人なのか中国人なのかは
区別できませんが、カタログでは、中国人として紹介されてい
ます。



zz-2C8T1667









写真3)1920年頃の公式カタログ より

1920年のカタログでは、本作は「2653」の製品番号が与えられ
ています。


zz-2C8T1670






写真4) マイセン製品番号対照表

マイセンの製品番号は1974年に大きく改定されています。これは
コンピュ-ター登録するための新番号で、これは現在でも踏襲され
ているシステムです。写真4)の製品番号の対照表を見ると、「2653」
の番号は「25640」に変わってうるのが分かります。



zz-2C8T1669









写真5) 本作の製品番号

本作は1983年の製造なので、新品番になっています。「65640」の
手彫りの表示が写真でご確認いただけるでしょうか。



zz-2C8T1666







写真6) 同作 クローズアップ

東屋の中に座って読書しながら語り合う、二人の中国人の姿が表現
されていますが、本作のオリジナルが作られた18世紀半ばは、東洋
は平和で安らかなユートピアとして捉えられていました。当時のヨー
ロッパ宮廷文化の一端を伺うことのできるマイセンフィギュアの傑作
と思います。



アンティーク西洋陶磁器専門店 
        アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
            TEL-03-5717-3108
      ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/



dresdner220 at 18:03|PermalinkComments(0) 作品紹介 | マイセン作品紹介

2018年03月08日

ロイヤル・コペンハーゲン  冬季降オリンピック パラリンピック

久しぶりのブログで、申し訳ございません。

平昌の冬季オリンピックが終わり、パラリンピックが始まり
ます。オリンピックは日本選手の大活躍で、本当に楽しめ
ました。パラリンピックでも、選手が存分に力を発揮できる
よう期待しております。

さて、今回はロイヤル・コペンハーゲンの作品を紹介しま
しょう。

zz-2C8T1659








写真1)ロイヤル・コペンハーゲン プレート 1986年

一瞬、抽象画のようにも見えますが、中心に人物が描かれて
いるのがお分かりと思います。スピードスケートの選手のよう
にも見えますが、足元にスキーのようなものも見えるので、
ジャンプ選手にも見えます。背景の楕円はトラックでしょうか。
見れば見るほど色々と想像が膨らみますが、ウィンタースポ
ーツをモチーフにした作品である事は間違いないでしょう。



zz-2C8T1660







写真2) 同上 クローズアップ

とても面白い絵付けですが、もちろん全て手描きです。恐らく
型紙を使ったマスキングの技法が使われていると思います。
筆跡を積極的につかったスピード感のあるタッチですね。
背景はスプレーで彩色されています。
モチーフがウィンタースポーツにもかかわらず、暖色系の色で
まとめられているのも意欲的だと思います。釉下彩の技法
ですが、赤系の色を出すのは難しいので、コペンの焼き物と
しては珍しいのではないでしょうか。



zz-2C8T1661







写真3) マークとサイン

残念ながら、作者の情報はありません。ZT.は作者のイニシャル
でしょう。年号も1985年2月とあるので、これが製作年月でしょう。
グリーンのコペンのマークの製作年の符号とも一致します。
何かのウィンタースポーツ大会の記念で製作されたものでしょうか。



ついでという訳ではないのですが、このような作品も在庫してい
ます。

zz-2C8T1662














写真4)ロイヤル・コペンハーゲン ジョージ・ジェンセン ベース

かつて、ジョージジェンセンのブランドで販売されたベースです。
スポーツのモチーフではないようですが、スピード感のある人物
像がモチーフです。


zz-2C8T1663















写真5) 同上

風の中の人物が、浮き彫り装飾されています。かなり大型の
ベースで(高33cm)飾栄えしますし、実際に花を生けての実用
性もあます。


zz-2C8T1664








写真6) 同上 裏面 マーク

本作ジョージジェンセンのデザインを、ロイヤルコペンハーゲ
ンに委託して製造されたものです。ロイヤルコペンハーゲン
はジョージジェンセンの子会社だったこともあり、同じデンマー
クということで、同じ土壌に立った会社でした。裏面に純銀の
プレートがはめ込まれており、ジョージジェンセンの版上サイン
が入っています。

現在、ロイヤルコペンハーゲン製品のほとんどが東南アジア
で製造されていることを考えると、Denmarkの文字が入って
いるこうした作品にデンマーク工芸の誇りを感じます。



冬季オリンピック、パラリンピックを思いながら、こんな作品を
紹介しました。



アンティーク西洋陶磁器専門店 
        アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
            TEL-03-5717-3108
      ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/




dresdner220 at 16:08|PermalinkComments(0) ロイヤルコペンハーゲン | 作品紹介
プロフィール

dresdner220

月別アーカイブ
記事検索