2018年06月

2018年06月30日

マイセン アルブレヒツブルグ城 銅版画 

今日はドイツからの友人会い、旧交をあたためました。
本当にしばらくぶりでしたので、とても懐かしかったです。
また、マイセンを旅したくなりました。

という訳で、今回はマイセンのお城の古い銅版画を紹介しましょう。

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写真1)マイセン市とお城の銅版画  1840年頃

この銅版画がいつ作られたのかははっきりしませんが、間違い
なく言える事は1860年以前だという事です。マイセン市の町の
様子や、エルベ川にかかる橋の形状から推測できるのですが、
マイセン磁器のファンにとって見逃せないのは、お城の一角から
煙が上がっていることです。これは言うまでもなく、マイセン磁器
工場からの煙です。

マイセン磁器工場は、1860年に現在の場所であるトリビッシュ
タールに移転していますので、この銅版画が製作されたのは、
少なくとも1860年以前と分かるのです。


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写真2) アルブレヒツブルグ城の写真

写真2)は古いモノクロ写真です。この写真の撮られた年ははっきり
しています。アメリカで出版された旅行記の写真で、1896年に撮影
されました。もちろん、煙は見えません。


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写真3) 銅版画 クローズアップ

一方、銅版画をアップにすると、お城からの煙がはっきりと分かる
と思います。尖塔の右に大きな屋根の向こうから、煙がモクモクと
上がっています。という事は、この場所に工場の焼成窯があったと
いう事です。


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写真4) 写真 クローズアップ

角度や縮小率が違って見にくいですが、1896年の写真には煙は
全く見えません。恐らくマイセン磁器工場の移転に伴って煙突など
の構造物は全て解体されたのでしょう。


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写真5) 現在のお城の姿

現在のお城は、二本の尖塔が特徴的ですが、これは1908年に建造
されたものです。もちろん、マイセン磁器工場は跡形もなく、窯がどこ
に位地していたのかも最近まではっきりしていませんでした。
マイセンが300周年を迎えた2010年に窯跡が発掘され公開されまし
たが、今ではまた元のように埋め返され、一般の観光客にはその
痕跡さえ分かりません。

お城の中のマイセン磁器工場がどんなものであったのか、磁器ファン
には非常に気になるところです。



アンティーク西洋陶磁器専門店 
        アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
            TEL-03-5717-3108
      ホームページはこちらです  
http://archiv.jp/





dresdner220 at 17:51|PermalinkComments(0) マイセン訪独 | その他

2018年06月22日

KPMベルリン ベース 「ウスバキチョウ」の絵  蝶の絵付け

今回のブログでは、KPMベルリン「ウスバキチョウ」のベースを
紹介します。

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写真1)KPMベルリン ベース 「蝶の絵付け」 1958年

第二次大戦後、KPMベルリンのデザインはモダンなものにシフト
していきますが、その中でジークムント・シュッツの存在は忘れ
る事ができません。シンプルで無駄のないデザインは、シュッツ
の真骨頂であり、戦後のKPMベルリンに大きな方向性を与え
ました。本作の器型デザインも彼の手になるものです。


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写真2)ジークムント・シュッツ 

シュッツは1906年の生まれ、ドレスデンのアカデミーで、マイセンの
芸術家カール・アルビカーの元で彫刻を学びます。1932年より、フリ
ーランスとしてKPMベルリンで働き始めますが、その後1970年まで
KPMベルリンの芸術家として仕事する事になります。彼の創作した
ティーサービス「アルカディア」は、KPMベルリンの代表作です。



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写真3)「ウスバキチョウ」の絵付け

当店では過去何回かこの絵付けの作品を扱っていますが、昆虫
少年であった私は、この絵付けには特別な思い入れがあります。
ここに描かれているのは、多少デザイン化されてはいますが、「ウス
バキチョウ」に間違いありません。



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写真4) ウスバキチョウ

昆虫少年であった私にとって憧れ中の憧れがこのウスバキチョウ
でした。この蝶は「高山蝶」と呼ばれる特別な種類で、日本では
大雪山山系にの高い標高にしかいない貴重な蝶です。もちろん、
国の天然記念物であり、採集など思いもよらない事ですが、一度
でも見たい蝶でした。

初めて見た時には、この様な作品がKPMベルリンにある事は
本当に驚きでした。


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写真5)エルゼ・モェッケル

ウスバキチョウのデザインを考案したのはエルゼ・モェッケル
という女性芸術家です。1901年に生まれ、1925年から1928
年までKPMベルリン窯の陶芸特別クラスで学びます。同時に
装飾絵付け師として働きますが、KPM窯で彼女独特のスタイル
を創造し、磁器芸術に大きな影響を与えました。
モェッケルは画家でもあり、植物や昆虫などの自然が常に発想
の原点でした。



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写真6) ウスバキチョウの装飾 手描き

本作は、個人的に、写実性とデザイン性を兼ね備えた究極の
磁器装飾と考えています。もちろん全て手描きで描かれており、
蝶は器上部の縁にとまらせています。縁はプラチナで装飾さ
れており、極シンプルなデザインでありながら、氷河期の生き
残りといわれるこの蝶の性質もよく表していると思います。



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写真7) 同作品

花器として作られていますので、実際に植物を活けてみました。
高山のウスバキチョウが枝に止まっているように見えるでしょうか。
エルゼ・モェッケルはこうした効果も計算してデザインしていたの
でしょう。



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写真8) 大雪山 這い松に止まるウスバキチョウ 

残念ながら実際のウスバキチョウはまだ目にしていませんが、本作
を目の前に思いを馳せるばかりです。



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写真9) 同作 裏面のマーク

最後にマークをお見せします。釉下青の錫杖のマークは白磁
がKPMで作られた事を意味します。赤の宝珠のマークは絵付
けがKPMで描かれた事を意味します。1832年以降はこの二つ
のマークが存在して、初めてKPMベルリン窯の作品とされます。

どうぞ、当店にて実物をご覧ください。




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dresdner220 at 14:23|PermalinkComments(0) KPM作品紹介 | 作品紹介
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