2018年08月

2018年08月31日

マイセンの芸術家 オットー ・フォイクト キツネのリトグラフ

今回のブログでは、マイセンの芸術家オットー・エデュアルド・
フォイクトのリトグラフを紹介します。


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写真1)オットー・フォイクトのリトグラフ 1920年頃

オットー・フォイクトはユーゲントシュティール期マイセンの最も
重要な芸術家の一人といえるでしょう。

オットー・フォイクトは1870年にドレスデンで生まれました。当時
ドレスデンにあったビレロイ&ボッホ窯で陶芸を学び、その後
1890年から95年までKPMベルリン窯で働きました。
マイセン窯はその才能を見込んで彼を招聘し、フォイクトは花の
絵付け師として1896年から働きます。彼の花絵は卓越しており、
当時マイセン絵付けの最高峰であったブラウンズドルフ教授の
後継者とされていたほどです。

フォイクトはマイセンで華々しい成果をあげますが、これについて
はまた別の機会にふれましょう。

今回紹介のキツネのリトグラフは、マイセンで働きながらフリーの
芸術家として描いた作品です。キツネの色々なポーズが、生き生
きと描かれています。

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写真2) ドイツの狩猟 表紙

このキツネのリトグラフは、「ドイツの狩猟」と題された作品集
からの1ページです。当初は動物にあまり関心がなかったようです
が、観察するうちにどんどんと魅せられていったと語っています。
ドレスデン、ライプチヒ、ベルリンなどの動物園を回り、このシリーズ
を完成させました。


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写真3) 直筆のサイン

フォイクトは「日本人の描き方が理想である」とも語っていますが、
浮世絵や日本画などに大きな関心をもっていました。
作品にはO.E.フォイクト マイセンと直筆のサインが入っています。


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写真4)作品集の限定番号

この「ドイツの狩猟」は限定で作られたもので、番号が入っています。

当方のお客様にも、熱烈なキツネファンが複数いらっしゃいますが、
フォイクトのキツネはいかがでしたでしょうか。


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dresdner220 at 16:02|PermalinkComments(0) マイセンの芸術家 | その他

2018年08月25日

KPMベルリン  ケレスとテオ・シュムツ=バウディス

今回のブログでは、KPMベルリンの芸術家 テオ・シュムツ
=バウディスとその代表作である「ケレス」を紹介しましょう。


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写真1)KPMベルリン「ケレス」ティーC&S 1975年頃

写真1)は「ケレス #16 ゴールド」のティーC&Sです。オリジ
ナルが作られたのは1910~14年頃ですが、KPMベルリンの
傑作シリーズとして現在でも非常に有名です。


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写真2)テオ・シュムツ=バウディス 

写真2)は1908年頃にKPMベルリンの工房で撮影されたバウ
ディスです。彼は1859年生まれ、ミュンヘンで絵画を学び、デン
マークで陶芸の技術を学びました。バウディスは1900年のパリ
万博でその個性的な作品が認められ、大きな成功を収めます。
この功績により、プロイセンの商工省はKPMベルリンに彼を招
聘し、1908年にはアートディレクターの地位につきます。


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写真3)日本趣味の衣装のバウディス

ユーゲントシュティール時代の多くの芸術家がそうであった
ように、バウディスもまた日本の文化芸術に多くの影響を
受けた一人でした。写真3)は1890年頃に撮られたものです
が、この時代ドイツにも所謂「ジャポニズム」が大流行してい
ました。


バウディスはKPMベルリンで多くの作品を作りますが、その
最高傑作が「ケレス」です。

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写真4)「ケレス」 #17多彩色

「ケレス」はギリシャ・ローマ神話に登場する女神で、大地の
収穫や豊饒の擬人像です。サービスのレリーフは果物や穀物
をかたどっており、周囲の金彩は麦の穂をデザイン化していま
す。白磁の余白を充分に残し、ユーゲントシュティールらしい
まろやかな曲線は、それまでの歴史主義的様式とは、一線を
画す画期的なものでした。

特にティーC&Sにおける機能性は独特で、右にカップのハンドル
を位置すると、ソーサーの余白には小菓子を置けるようになって
います。


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写真5)「ケレス」 #16金彩

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写真6)「ケレス」#15グリーン 釉下彩


「ケレス」には、バウディスのオリジナルデザインとして3種類
が存在します。写真4)の多色と写真5)金彩、そして写真6)
の釉下彩のグリーンです。

当時、KPMベルリンでは、白磁も販売していたため、非常に
多くの外絵(KPM以外で絵付けされたもの)が存在します。
私も「ケレス」のオレンジ色や赤色のものを見たことがありま
すが、これらはKPMのオリジナルではないと考えています。

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写真7)バウディスのイニシャルとマーク

写真7)は1910年前後のバックスタンプですが、釉下彩のグ
リーンでTSBとあるのがテオ・シュムツ=バウディスのイニシ
ャルです。1910年前後のオリジナルの彼の作品には、この
TSBが入ることが多いです。1902年から使われていましたが、
現在では使われていません。

左の宝珠の朱色のマークは、絵付けがKPMベルリンで行わ
れたという証であり、外絵付けの作品には、このマークを使う
事ができません。

染付けの錫杖のマークは、白磁がKPMで作られて事を意味
しています。外絵付けの作品にもこのマークは入っています。

鉄十字(ナチスの鍵十字とは別のもの)はドイツを象徴する
マークで、KPMでは1914年から18年まで、第一次世界大戦
にかけて使われたマークです。


個人的に、バウディスはユーゲントシュティール時代の磁器
芸術家として最も好きな人物です。彼が釉下彩で作った風景
画などは、雲と大地をだけ描いた非常にシンプルな作品で、
ジャポニズムやユーゲントなどの様式など超越して、すでに
わび・さびや無の境地に達しているとさえ感じます。
こうした作品はまたご紹介するつもりです。



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dresdner220 at 14:59|PermalinkComments(0) KPM作品紹介 | ユーゲントシュティール
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