2015年09月06日

マイセン 「青い鳥と金の竹」 東洋文様  マイセンの装飾

今回はマイセンのインド文様を紹介します。

マイセンで「インド」という場合、これは東インド会社に由来する
広く東洋を指す言葉で、日本や中国などに影響を受けた文様を
いいます。

しかし、ヘロルトが考案した「ヘロルトシノワズリー」や「港湾風景」
などは、インド文様ではなく、ヨーロッパ文様に分類されますので、
注意が必要です。

アンティーク市場では、マイセンのインド文様のことを「シノワズリ
ー」と云う事もあるようですが、これは間違いで、マイセンでは、
上述の「ヘロルトシノワズリー」以外に「シノワズリー」という言葉
は使いません。

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写真1)マイセン 「青い鳥と金の竹」 プレート 1970年頃

この装飾は、東独の首相であったオットー.グローテボールの
ためのサービスとして考案されたといわれます。
ドレスデン、ツヴィンガー宮殿の資料室に保管されていた膨大
な東洋磁器を参考に作られたマイセンの新作でした。
薄暗い資料室で、古い東洋磁器を必死にスケッチした絵付師
の中の一人は、若き日のハインツ・ヴェルナーその人でした。


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写真2) 同上   クローズアップ

1960年当事のマイセンは未だ保守的であり、新しい装飾は
中々認められませんでした。古い装飾をアレンジして、サー
ビスを完成される方が、より安全な方法だったのでしょう。裏
を返せば、それだけ、失敗が許されない国家的なオーダーで
あったという事なのでしょう。


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写真3) マイセン公式カタログより

この装飾はマイセンでも最上級の装飾として、カタログに掲載
されています。

インド文様(東洋文様)
古典様式の画法
青と酸化銅の彩色
削った金彩で描かれた竹
金と赤の装飾
金の縁取り

装飾番号 570110

この中で「古典様式の画法」という用語があります。
古典画法はマイセンの花絵などでも出てきますが、インド文様
の場合はどういう画法なのでしょうか。
以下、写真と共にこれついて説明します。

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写真4) 一般のインド文様の線描

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写真5) 本装飾の線描

写真4)はマイセンでも高級な文様ですが、線描に注目して
みてください。細く均一な線だと思います。これは、ペンで描か
れた線であり、とても端正な線描に仕上がっています。

これに対して、写真5)は筆で描かれています。18世紀のマイ
センでは絵付けにペンは用いられておらず、どんな細い線も筆
で描かれていました。これが19世紀半になると、ペンが使われる
ようになります。ペンでは、均一で安定した細い線描が可能だった
からです。これは、やはり量産化による絵付師の負担を減らすた
めの措置だったのでしょう。


「青い鳥と金の竹」の装飾は敢えてペンを使わず、18世紀と同
じように筆による線描を用いました。絵付師の手数は増え、安
定性は減りましたが、非常に味ある線描に仕上がっています。

これが、インド文様における古典画法です。


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写真6) 縁取りの絵付けと赤金の装飾

赤と金の装飾も非常に凝ったもので、もちろん、全て手描きです。

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写真7) 同 クローズアップ

この装飾の名称にある「削った金彩で描かれた竹」というのは、
金彩を磨き、さらに瑪瑙ペンで傷をつけ、陰影のついた竹を
描いているという意味です。

全体で、この文様がいかに格の高いものかを示しているのが
ご理解いただけたでしょうか。


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写真8) 本作の装飾番号

本作の装飾番号は1310b 絵付師番号は60です。
これは、6桁の新品番になる以前の旧品番で、現在は上述の
とおり、570110 になります。

マイセン最上級のインド文様なので、価格も非常に高く、アン
ティーク市場でも見かける事はまれです。




アンティーク西洋陶磁器専門店 
               アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
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           ホームページはこちらです  http://archiv.jp/

dresdner220 at 18:15│Comments(0)TrackBack(0) マイセン作品紹介 | マイセン 東洋文様 インド文様

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