クイズ

2014年12月20日

マイセン フィギュア 年代クイズの答え

今回もクイズのお答えをたくさん頂き、誠に有難うございました。
マイセンのフィギュアを普段から見慣れていない方には
ちょっと難しかったですか?

答え合わせの前にお断りしておきたいのは、どれが良い悪い
ではないという事です。フィギュアの顔などは、好き嫌いであり、
鑑賞者の感性の問題です。一般的には19世紀の作品は高品質
とされますが、ではその他の時代は品質が劣るのでしょうか。
特に、磁器製造の技術が熟していなかった18世紀の作品は、
マイセンの歴史の中でどのように捉えればようのでしょう?

こんな事を考え合わせながら、回答をご覧頂ければ幸いです。

クイズの答え

1)20世紀半ば 1960年頃 の作品
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2)ほとんど今出来 1990年頃の作品

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3)19世紀半ば  1870年頃の作品
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4)18世紀半ば 1760年頃の作品
s-2C8T7126











いかがだったでしょう?

特に 4)は難問だったと思います。というのは、18世紀のフィギ
ュアは日本ではほとんど紹介されていないからです。日本のコレ
クションは19世紀マイセンが中心ですが、ドイツはなんと言っても
18世紀のものに価値を見出します。18世紀のフィギュアは目の玉
が飛び出るほど高価です。従って、私たちアンティークディーラーが
これらを買い付けて日本に持ってきても、商売的には非常に難しい
のです。必然的に日本で18世紀フィギュアを見かけるのが難しくな
るという悪循環ですね。

ディーラーとして、個人的にはこうした状況は反省すべきと考えて
います。技術的には未熟でも、それを超えるオーラをもった18世紀
の作品は、もっと積極的に紹介すべきでしょう。(とういうものの、私
のような貧乏ディーラーでは夢のまた夢ですが・・・・・・)



アンティーク西洋陶磁器専門店 
             アンティーク アーカイヴ  東京 二子玉川
                 TEL-03-5717-3108
           ホームページはこちらです  http://archiv.jp

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2014年12月12日

マイセン フィギュアの年代 クイズ

ブログの更新が本当に久しぶりになってしまいました。
楽しみにしてくださっている方には、大変に申し訳ありません
でした。

さて、ブログのネタに困った時はクイズです。
今回はマイセンの人形について、お考えください。

アンティークマイセンの好きな方は、ご存知と思いますが、
マイセンの人形は時代時代によって、それぞれ微妙に
表情が異なります。
では問題です。

[問題]
以下の写真のフィギュアは、それぞれいつごろに作られたもの
でしょうか。

マイセンの製作時期はきっちりと特定できるものではないので、
おおよその答えで構いません。ノーヒントで行きます。
顔の写真だけなので、見慣れていない方には難しいかもしれま
せんね。

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写真1)

s-s-2C8T4179










写真2)

s-s-2C8T4180











写真3)

s-2C8T4189











写真4)

いかがでしょう?



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2014年03月08日

マイセン 真贋 クイズの答え

今回のクイズにつきましても、たくさんの反響を頂きました。
熱心な皆様に御礼申し上げます。本当に有難うございました。

ヒントをというご要望も頂いたのですが、お約束ですので
ここで答えを発表したいと思います。
ただ、真贋に関る事なので、ディーラーとしての立場からの
答えということをご承知おき下さい。

s-2C8T1784




写真1) 問題にお出ししたC&S

結論からいうと、本作はマイセン窯でつくったものとは言えません。

では、マークの写真から見て下さい。
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写真2) C&Sのマーク

このマークは、一般にパイファーのマークと呼ばれるもので、
1924年~34年まで使われていたものです。マークはきちんと
釉薬の下に描かれており、濃淡はあるものの形状もマイセンの
ものに間違いないでしょう。従って、素地自体はマイセンのもの
ということができると思います。

s-2C8T1787







写真3) マークに入れられたスクラッチ

写真3〉はマークに入れられたスクラッチです。ここでは便宜上
スクラッチとしましたが、スリキズなど自然に出来たものではなく、
人為的に刻まれたキズです。
マイセンが好きなかたならすでにご存知と思いますが、これは
マイセンの検品から何らかの理由ではじかれた製品につけられ
る印です。今で言うアウトレットですね。
キズの数や箇所によって、二級品から破棄品、現物支給品など
と定義されているのですが、比較的最近のものはともかく、古い
時代のものはよく分からないというのが実情です。

マイセンでは白磁はしっかりと管理されており、白磁が市場に
出る事はないというのが建前ですが、実は、古い時代には、こ
うしたスクラッチをつけて、多くの白磁が流出していたというのが
本当のところでしょう。とすると、マイセンやドレスデンの周辺に
たくさんあった上絵付けの工房が、こうした白磁に手描きしたと
しても、むしろ当然の話です。

私達アンティークのディーラーとしては、こうしたマークにスクラッチ
が入った製品を、二級品であるとかアウトレットであると説明して
販売するのは原則いけない事だと、個人的には考えています。
いくら素地がマイセン製でも、他所で絵付けされた製品はマイセン
で作ったとは言えないからです。
(但し、マイセンでは二級品を正式に販売しているので、スクラッチ
の入った製品がすべて外絵付けという訳ではありません)

s-2C8T1788






写真4) ソーサーの花絵付けとレリーフ

では、この花絵付けがマイセンのものか、外絵付けのものかという
点ですが、これは微妙です。絵付けは多少甘い感じがしますし、構図
もきっちりとしたマイセンの様式とは少しずれています。但し、色使い
や花の種類などは比較的よくマイセンの特徴を捉えています。

s-2C8T1789








写真5) カップの花絵と縁取りの金彩

カップの花絵も同じ色調、同じタッチで描かれています。恐らく同じ
ペインターの仕事でしょう。個人的には構図やタッチにちょっと違和
感を覚えます。しかし、これだけで外絵であると断言するには、ちょっ
と根拠が弱い。絵付けだけを見ればマイセンの花と言えないこともあ
りません。

しかし、上の4)と5)写真の中に、本作が真作でないという大きな
証拠があります。言われてみれば、「なーんだ、そんな事か」と思う
でしょう。またマイセンの愛好家の方ならきっと気付かれているで
しょう。

カップとソーサーの縁取りをよくご覧下さい。
そうです。カップとソーサーが本来の組み合わせではないのです。
ソーサーにはレリーフがありますが、カップにはありません。マイセン
ではこうした組み合わせで製品は出しません。ソーサーにレリーフが
あればカップにもあります。カップのハンドルは有名な「スワンハンド
ル」ですが、明らかにソーサーは別物ですね。

本作はたまたま、白磁で存在していたサイズの合うソーサーとカップ
に、マイセンとは別の工房で上絵付けされたものと判断できます。

よく、「素地はマイセン製だし、絵付けは手描きだから、これはこれで
マイセンとしての価値がある」というような理屈を聞きます。購入した
方がこう考える事は自由ですが、これはディーラーとしては受け入れ
難いものです。こうしたものまでマイセンと認めたら、アンティーク
市場は無法地帯です。アンティークの世界に贋作やコピーが流入す
るのは止めようがない事だとは思いますが、アンティークを扱うディ
ーラーとしては、こうした危険性をしっかりと肝に銘じておかねばなら
ぬと考えます。

クイズの答えから、ちょっとえらそうになってしまいましたが、どうぞ
お許し下さい。



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2014年02月27日

マイセン 真贋 クイズ 

メールや当店のお客様から、クイズが面白かったとの
感想を頂きました。そこで、という訳ではないのですが、
今回もクイズにします。

但し、今回のクイズは真贋に関するものなので、厳正を
期さなければなりません。そこでごく単純なクイズにします。

問題
以下のカップ&ソーサーは当店所有のものです。
マイセン窯で作られたものでしょうか?
それとも、そうでないものでしょうか?

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写真1) 問題のカップ&ソーサー

写真の掲載はこれ一枚だけです。マークなどの写真はありま
せん。写真は見るだけでなく、よく観察して推理して下さい。
どこかに必ずヒントがあります。単純にイエス・ノーだけでなく、
結論に至った根拠や過程などこそが大事と考えます。

熱心な皆様のご名答を期待しております。

次回のブログで、私がどのように結論に至ったかも含めて、
解答を書きたいと思います。



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2014年01月09日

クイズの解答です。 その3

引き続き、クイズの解答です。
今回は5)6)の解答ですが、特に5)は難問だったと思います。

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5)の正解はセーブルです。

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セーブルのSマークとHMのイニシャルが見えます。マークから
白磁(あるいはビスク)が造形されたのが、1929年ということが
わかります。

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またHMのイニシャルからデコレーターがMaurice Herbillonとい
こともわかります。年代にも矛盾はありません。セーブルはこの辺
のデータはきっちりしていますね。では原型をつくった芸術家は誰
でしょう。

s-2C8T1545












s-2C8T1546

1932年頃にセーブルが発行したカタログの中に、同モデルを見つ
けました。E・Meriteが原型の作者であることが、このデータから分
かりました。また、作品に芸術家のサインが入っています。

s-2C8T1547




釉薬に滲んでよく見えませんが、間違いなく大文字でMERITE
と読めます。さらに本体にセーブルのマークが入っています。

s-2C8T1548







楕円の中にはMADE IN FRANCEとあります。また長方形
の中にはS1937DNと読めます。Sはセーブルに頭文字、年号
は最終的に作品として完成された年でしょう。さらにDNは素地
が「pate durenouvelle=新硬質磁器」であるとこを示します。

ちょっと見ると、まるで陶器のようにも見えます。恐らくイングレ
ーズの技法で彩飾されたものと推測しています。新磁器はカオ
リンの含有量が40%と少なく、硬質磁器よりも自由な彩飾が
可能です。当初セーブルは東洋の古陶磁器を模倣するため
この素地をに開発しました。20世紀に入ると、芸術家達はこう
した技術で新しい表現を始めます。本作もこの種の作品の一つ
です。



次に6)の解答です。

s-2C8T1467





正解は ヘレンド です。

s-2C8T1468








マイセンを代表する器型「ノイエル・アウシュニット」とまるで同型
です。しかし、よく見るとちょっと作りが甘いように感じます。
s-2C8T1550






左がマイセン、右が本作ヘレンドです。ハンドルの形状や特徴
である口縁の切れ込みも、ヘレンドは何となくゆるい作りです。

ヘレンドには「ロカイユ」や「オジール」などの有名なシェイプが
ありますが、実はこれもマイセンに源を発するものです。

s-2C8T1604









上の写真は1970代のヘレンドの公式カタログですが、このシェ
イプが掲載されています。ヘレンドでの名称は不明ですが、型番
が与えられています。日本にはほとんど入ってきていませんが、
こうしたシェイプも作られています。

本作は、ほとんど今出来のものと思います。装飾は手描きですが、
金彩は無く、絵付けもごくシンプルなものです。所謂「実用品・普及
品」としての位置付けなのでしょうが、手抜きと言えないこともなさ
そうです。現在ではマイセンでもスタイリッシュと称してこうした普及
品を作っていますが、職人の技術が失われていくようで、ちょっと
寂しい気がします。


クイズの解答は以上です。お楽しみ頂けたでしょうか。
お付き合い頂き、誠に有難うございました。



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2014年01月06日

クイズの解答です。

引き続き、クイズの解答です。
今回は 3)4) を解説いたします。

s-2C8T1458





3)の正解は マイセン です。1905年頃の作品です。
 一般には作者の名前をとり、「リーマーシュミットのサービス」と
呼ばれています。

s-2C8T1459








器型、装飾ともにリヒャルド・リーマーシュミットのデザインになる
ものです。リーマーシュミットはドイツのユーゲント時代を代表す
る芸術家です。ミュンヘン分離派に属し、1907年にはドイツ工作
連盟の設立メンバーになるなど、常に当時の第一線を歩んでい
ました。
s-rr-1









リヒャルド・リーマーシュミット(1868~1957)

マイセン窯はリーマーシュミットに新サービスの制作を依頼し、その
完成を非常に期待していました。
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写真 リーマーシュミットによるプレートの図案画 1903年頃

s-2C8T1552







しかし、出来上がったサービスの印象は意外なものでした。
リーマーシュミットは磁器の特性である冷たさや繊細さを
排し、むしろ民芸陶器ような温もりのある作品に仕上げた
のです。今までのマイセン磁器とはかけ離れた、まるでデル
フト陶器のような印象です。
これは古くからのマイセンの顧客には、受け入れられないもの
でした。やがて、ユーゲントシュティール様式の流行が急速に
縮小してゆくにつれ、マイセンの首脳部は、これら一連の作品
に失敗の評価を下すのです。

皆様にこの作品、どう評価なさいますか?




では4)の解答です。

s-2C8T1456




4)の正解は KPM ベルリン です。
このレターセットは1908年頃の作品です。

s-2C8T1457







これもドイツ、ユーゲント期の作品です。気がつくと、個人的な
好みに偏っていますね。お許し下さい。
デザインは器型、装飾ともにテオドール・シュムツ-バウディスです。
彼は、ドイツで単独の展覧会が開催されるほどの、デザイン界の
巨匠です。特にKPMベルリンにおける彼の活動は、磁器芸術の
歴史を語る上で、決して欠かすことのできない一ページでしょう。

s-2C8T1544










テオドール・ヘルマン・シュムツ=バウディス(1859~1942)

s-2C8T1540











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上の写真は図録に掲載された文鎮ですが、本作品と同じものです。
ユーゲントらしい曲線や慎ましいバラの花、また赤のエナメル彩など
見所の多い作品です。また独特の形状や持ち手のくぼみなどにも、
バウディスらしさが伺えます。
ドイツにはバウディスに熱狂的なコレクターが存在しますが、ユーゲ
ント時代の作品は本当に良いですね。


近日中に、残りの5)6)の解答も発表いたします。
特に5)は難問と思います。
ヒントをひとつ。ドイツの窯ではありません。



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