『無味神探』(役柄チェックその14)

  • author: driftingclouds
  • 2005年02月12日

lovingyou


導演:杜[王其]峰(ジョニー・トー)、監製:方逸華 、編劇: 阿海 (游乃海)
香港 : 大都會電影製作有限公司, 1995

杜[王其]峰&劉青雲の黄金コンビの手による最初の作品。

刑事の劉(劉青雲 ラウ・チンワン)は有能だが、人間的に冷淡で、部下や妻に対して思いやりに欠けるところがある。
ある日、家にも帰ってこない劉を呼び出した妻(李若[丹彡] カルメン・リー)はこう告げる「子供が出来たの。でも、父親はあなたじゃないわ。」
まったく家庭を顧みない劉に失望した妻は同僚の男性と親しくなり、彼の子供を宿していたのだ。
怒りにまかせ、バーで女(黄卓玲 ルビー・ウォン)に誘われるままついていった劉だが、実はそれは彼を恨んでいる麻薬の密売人 軍(廣宗華)の罠だった。
格闘の末なんとか軍を捕える事には成功するが、頭を撃たれ瀕死の重傷を負った劉は、奇跡的に命を取りとめたものの、嗅覚と味覚を失ってしまった。
一度は彼のもとを去りかけた妻は、黙って献身的に看病をし、リハビリにつきあう。
劉は生死の境を彷徨ったことで、今まで無視していた周囲の人々への思いやりに目覚め、妻とやり直そうとする。
だが、妻は子供の父親と劉のあいだで揺れ動き、劉も職場に復帰したものの後遺症に悩まされる。
そんなとき、軍が逃亡したとの知らせが入り…

やり直そうと努力しつつ、思うようにならない身体と妻の子供の父親へ対する嫉妬心に葛藤する劉青雲と、一度は自分自身の幸せのために捨てようとした夫と恋人のあいだで葛藤する李若[丹彡]、二人の感情表現が細やかで素晴らしいです。
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また、アクション部分も発端になる最初のシークエンス、軍の罠にかかるところ、最後の対決と、どれも緊迫感に満ち、しかも骨格のストーリーときちんと絡んでいく演出はさすが杜[王其]峰というべきか。

粗暴な男が女性への愛に目覚めて変わっていく…というパターンは後の『再見阿郎』へも受け継がれていくものではあるのですが、この映画の場合はそれが夫婦であるというのが眼目でしょうか。
ほんとにしみじみと良い映画で、わざわざ足を運んででも観て良かった!と思わせてくれました。

後に杜[王其]峰作品のヒロインになる黄卓玲はこれが映画デビュー。
最後のシーンは取り壊し直前(と思われる)TVBの古い建物で撮影されています。
廃屋なのに、なぜ電気とガスが来ているんだ?と、そこだけちょっとつっこんでみたいですが。

VCDが絶版のため、香港電影資料館で観たのですが、観たらよけいに欲しくなってしまいました。
どなたか譲っていただけるという方、もしいらっしゃいましたらご連絡ください。お願い。
香港のヤフオクには出てるんだが、言葉の壁が…

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**〈無味神探/LOVING YOU〉いろんな意味で原点**

なに好き好んで、14年も前の映画を上げるのでしょうか?しかも、ほとんどの日本人は観てもいないし、今のところ観る機会さえない! 正確に言えば観る方法はあります。ハードルが3つほどありますが・・・。 海外サイトからDVDを購入(カード決済ですね)し、リージョンコード...

  • [ 日刊【考える葦】Returns ] 2009年02月01日 23:08

この記事へのコメント

観ました。
>なぜ電気とガスが来ているんだ?と、そこだけちょっとつっこんでみたいですが。
そこよりもっとツッコむべきどころが、撃たれた場所だと思います。
「んな、アホな」と呟いてしまいました。

・・・でも、許す。積極的に。

1. Posted by 森と海 2007年06月28日 00:03

>森と海さん
>許す。積極的に。

ということは、それを補ってあまりある何かを感じていただけたってことですね。
ぜひ、感想を書いてください。お待ちしております。

2. Posted by KEI 2007年07月01日 02:11

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