香港国際警察

  • author: driftingclouds
  • 2005年03月13日

新警察故事

思えば、最初にファンになった映画スターはジャッキーだった。
親に連れて行ってもらうのではなく、自分で選択して映画を観ることを覚え始めた頃出会ったのがジャッキーの『酔拳』でした。
その卓越した技とコミカルな動きにたちまち夢中になった私は『蛇拳』『笑拳』『少林寺木人拳』『天中拳』『ヤングマスター』…とにかく公開される映画は全て駆けつけ、名画座(今は無き池袋日勝文化が多かったと思う)のジャッキー・チェン大会3本立、しかもすべて立ち見!なんてのにもよく足を運んだものです。
ちなみにブルース・リーはあとからテレビで観たので、そこまでのめり込まなかったのよね。

しかし『酔拳』から27年(というのをこの前テレビで『酔拳』放送したときに知ってちょっとめまいが…)まあ、私も27年間ずっと熱心なファンだったというわけでもなく、観ていない作品も多数あるので偉そうなことは言えないのですが、ハリウッドスターになったジャッキーの映画は、正直言って「ぬるい」映画ばっかり。
あの頃二十代だったジャッキーも五十を越え、まだそんじょそこらのハリウッド俳優には負けないものの、肉体の衰えは隠しようが無く『シャンハイ・ナイト』(たぶんハリウッドで出た中ではこれが一番「らしい」作品ではある)でついに実現したドニー・イェンとの対決だって「ああ、これが十年前だったら…」と残念に思ったものです。

そんなジャッキーが香港へ戻って来たんですよ、奥さん!(誰?)
『新警察故事』の原題からわかる通り、大ヒットした「ポリス・ストーリー」シリーズを踏襲した本作、監督は陳木勝(ベニー・チャン)に任せてジャッキーはアクション監督と主演に集中、そして、これからの香港映画を支える(はずの)若手スターを多数起用し、満を持して送り出されたのがこの映画。
ただし、これは今までのジャッキー映画のような明るく楽しいアクション映画ではありません。
ラストの一瞬を除きまったく笑顔を見せないジャッキーなんて初めて見たよ。

遊び半分で人を殺す銀行強盗の若者たちに目の前で部下をなす術も無くなぶり殺しにされた陳警部は、その辛い思い出から逃れるように酒浸りの日々を送っている。
警察を休職し、死んだ部下の姉である婚約者(お懐かしや楊采[女尼]チャーリー・ヤン)ともぎくしゃくするようになった陳の前に新米警官のシウホン(謝霆鋒ニコラス・ツェー、ちなみに『少林サッカー』の悪役ハンで知られる謝賢パトリック・ツェーの息子)が現れ、かつて部下たちを殺した犯人グループの捜査へ戻るようにと促す…

ハリウッド映画で感じさせられていた肉体の衰えなんて、ただのブラフだったんじゃないかと思うほどこの映画のジャッキーは冴えまくってます。
一味の一人を演じた若手の安志杰(アンディ・オン)に「ジャッキーの動きが速くてついていけなかった」と言わしめた身体のキレはいったいどうしたことでしょう。ハリウッドでは三分ぐらいの力しか出してなかったのか。
高層ビルからの落下、香港名物の看板を壊しつつ暴走するバスの上でのアクション…ジャッキー映画ではおなじみとも言えるシーンだけども、今回はそれがよりパワーアップかつ洗練された気がしました。
この辺りはハリウッドの見せかたを吸収した成果かもしれません。

そして、今までのジャッキー映画と違うのはドラマの部分がしっかり作り込まれていること。(いや、だって今まではストーリなんてあってないようなもんだったし…ねぇ?)
ジャッキーがズタボロ状態から復活するきっかけを作るシウホンのコート(青島コートじゃないんだよ)に秘められた過去とか、ジャッキーと婚約者のラブストーリーとか、あと脇の于榮光ユー・ロングァン(最後のあのシーンにちゃんといたのがおかしかった)なんかもいい味出してました。

実を言うと若者にあまり興味の無い私、ニコや彦祖やらの演技をきちんと観たことが無かったんですが、ニコのこの映画の重苦しさを唯一救ってる不思議な明るさもよかったし、彦祖の徹底した悪役ぶりもなかなかのものでした。
二人ともアクションを自分でこなしているのも偉いね。
あと尹子維(テレンス・イン)とか阿saこと蔡卓妍(シャーリン・チョイ)とかいろいろ出てます。
サモハンの息子たちも出ているらしいけど、どこに出ているのかわからんかったよ。

一つ気になったこと。
劇中のジャッキー演じる陳警部の名前が國榮なのは偶然なんだろうか?
どんな高いところから落ちても死なない陳警部に彼への思いが込められている…というのはあまりにも深読みし過ぎでしょうかね。


とにかく、ハリウッドよ、見ろ!これこそがジャッキー・チェンだ!
上映後は拍手も起こってました。
こんな酷い扱い(有楽町を除き都心の劇場での上映無し)にもかかわらずヒットしているようですし、拡大公開とかした方がいいんじゃないですか、配給会社さん?

そして思ったよ、ユンファも、ジョン・ウーも、りんちえも、みんな香港に戻ってこ〜い!

ちなみに私の観たのはエンドクレジットのNG集がアクション中心の日本だけの特別版(これを観るためにわざわざ豊島園へ足を運んだのさ)
香港公開版(NG集が台詞中心)も観に行こうかな…

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この記事へのコメント

川崎の映画館も客席が賑わってました!
久しぶりに勢いのある香港のアクション映画を見ることができて嬉しかったです。
お久しぶりのチャーリー・ヤンも、やや年を取ったとはいえ、透明感のある美しさは健在でした。
若者たちも頑張ってましたね〜。
ところでウー・バイも出演していたこと、上映後に同行者に指摘されるまで気づきませんでした…。

1. Posted by らら 2005年03月14日 11:19

こんにちは。トラックバックありがとうございました。
ジャッキーの役名が「國榮」であることを今知り、愕然としています。そうだったのか…。
ジャッキーには、いつまでも元気に香港で活躍してほしいなあ、と心から思いました。
NG集が日本オリジナルというのも、ここで知りました。ありがとうございます。やっぱり見に行かねばなりませぬ。

2. Posted by きたきつね 2005年03月14日 13:34

チャンネルNECOの「おすぎのシネバラ」で紹介しているのを見たけど、無茶苦茶面白そうですね。おすぎがネタバレすると困るので、泣く泣くチャンネルを変えましたが。
名古屋でも郊外のシネコンでしか上映されていません。上映回数が少ないところもあるし、これで10位に入っているのは偉い。

3. Posted by KIKI 2005年03月14日 18:39

>ららさん

豊島園もほぼ満席でした。やっぱりこういう映画は賑わってるところで観るのがいいですね〜
チャーリー・ヤン綺麗でしたね。このあとも色々出ているみたいなので楽しみです。
そして、私もパンフ見るまでウー・バイに気がつかず…

>きたきつねさん

最初に倒れているジャッキーからニコが拾った身分証に陳國榮と書かれてたのを見たときには、ドキッとしました。
今、この名前を使うというのはやはり意味があるのでは、と思ってしまうんですよね。
NG集はほんとに日本だけのために作ってくれたらしいです。
やはり劇場で観るのは格別だと思います。是非ご覧になってください。上映劇場がもっと増えるといいのですが…

>KIKIさん

おすぎはニコと彦祖に反応しているだけのような…
で、ニコと彦祖のことを話すと自然といろいろネタバレが…

ほんとに上映劇場少なすぎですよね。
上位の方に入っている作品の劇場なんてガラガラなのたくさんあるのに…

4. Posted by KEI 2005年03月15日 01:06

KEIさん、トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。
やっと日本公開されて、みなさんの感想が聞けて
嬉しいです。
ところで香港公開時のNG集・・・、もちろんあったのですが
香港はストーリーが終わったら、余韻もへったくれもなく
電気が点いてみんなさっさと帰ってしまうお土地柄。
この映画もご多分に漏れずで、さすがに電気こそ今回
は点かなかったけど、ほとんどの人が席を立って帰って
行きました。
NG集も楽しいのに、どうなってるの!
だけど、香港での公開の場合、おまけのNG集には
英語字幕をつけてくれないので、さすがにセリフで笑う
ことまではできなくて残念!日本で香港バージョンが
見たいですー。
>とにかく、ハリウッドよ、見ろ!これこそがジャッキー・チェンだ!
まったくもって激しく同感です!

5. Posted by りえ@香港 2005年03月15日 02:49

TBありがとうございました

上映映画館少ないのですね・・・配給会社もくだらないハリウッド映画ばかりやらないで欲しいですね。

日本版のNG集見てみたいな・・・

6. Posted by yyz88 2005年03月15日 18:18

>りえさん

ありがとうございます。

>ほとんどの人が席を立って帰って行きました。
ほんと香港人はそういうのあっさりしてますよね。
それにしてもNG集すら観ないのか、もったいないな〜

>まったくもって激しく同感です!
やっと私たちのジャッキーが帰って来たっ!という感じですよね。
「He's the Man!」そして「出前一丁 is the 麺!」ですよ!

>yyz88さん

トラバ、ありがとうございました。
そうなんです、全国でたったの50館でしか上映していません。
にもかかわらず、公開週末の興行成績は10位だったんですけどね。

7. Posted by KEI 2005年03月15日 23:51

KEIさん、こんにちは。
遅ればせながらですが、ようやく観れました!
TBありがとうございました。
こちらからもさせていただいたんですが…
なんか4つも送ってしまいましたので、
すみませんが削除の方お願いします。(汗

本格的なアクション+味のあるストーリーに
満足でした。
ジャッキーの名前が國榮は
全然気づきませんでしたよ…。

ところでジョン・ウーがユンファを使って
「赤壁の戦い」を取るというようなニュースを
しばらく前に見たような。
あれって香港映画としてなのでしょうか。
そうだと楽しみですね。

8. Posted by Snake 2005年05月17日 02:39

とうとうご覧になったのですね。
回線の具合で何度も送られてしまうのは、私もよくやってますのでお気になさらずに。

ジャッキーの役名は…ニコが拾い上げた身分証に書かれているのですけど、ちょっとしか写らないのでわかりづらいかもしれませんね。
映画の中でも阿榮とか呼ばれてますよ。

>ジョン・ウー&ユンファの『赤壁の戦い』
確かに企画はあるのですが、実現はまだちょっと先のようです。
香港映画というよりは、中国、韓国、日本などアジアオールスターキャストだそうで、正式発表がたのしみ。
しかし、ウー先生が最近やたらと手を広げ過ぎなのが気になるのですよね………企画倒れにならなきゃいいけど。

9. Posted by KEI 2005年05月18日 01:27

通りすがりですが、私も昨夜この映画を見ましたので
ちょっとお邪魔しに。

サモハンの息子は最初に殺される9人のうちの1人で
字幕では「ティンミィン」と呼ばれていました。
(本名が洪天明です)
ちょっと顔の長い目の彼です。

色んな意味で大好きな映画でした。
やっぱり成龍大好きだなぁと思わせてくれました。

10. Posted by G 2005年05月21日 15:12

Gさん、はじめまして。

>サモハンの息子

やはりあの中の一人でしたか。DVD(香港版)買ったのに見つけてませんでした。ありがとうございます。
もう一人(ジミー・ハンだっけ?)もあの中にいたのかな?

私もジャッキーの事が大好きだった頃を思い出しました。
そして、改めてファンになりました。

11. Posted by KEI 2005年05月22日 00:38

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