愛の神、エロス

  • author: driftingclouds
  • 2005年04月25日

と、いうより『若い仕立て屋の恋』の感想だったりするのですが…

胸の膨らみや細い腰にぴったりと沿ったライン、細い首を更に長く見せる高い襟、首元からくるぶしまで覆い隠していながら、脇に入った大胆なスリット…
すべてがその下にあるものへの想像をかきたてる…
本当に旗袍(チーパオ、チャイナドレスのことね)とは悩ましい衣装だと思う。

まあ、それを着こなせる女性はそう多くはないし…そういうのではない、もっとゆったりしたデザインの旗袍もそれはそれで好きなんですけどね。『春の惑い』のヒロインが着ていた旗袍などはその好例。
それでも、私は一度でいいから『花様年華』の張曼玉(マギー・チャン)のような体型(と容姿)になってみたいもんだと思っていたりするのですよ。
ちなみに、この映画の上映されているル・シネマには映画の中で鞏俐(コン・リー)が着た旗袍が飾られているのですが…ん〜産まれる前からやり直さないと無理っぽい…

閑話休題

さて、そのような衣装であるからしてお仕立てというものが不可欠なわけですね。
そして、衣装とその女性とはほぼ一体化して見えるわけで…

高級娼婦のホァ(鞏俐 コン・リー)に恋した仕立て屋の見習いチェン(張震 チャン・チェン)の物語。

これ、一応『純愛』ってことになってるらしいですけど、そんな生易しいもんじゃないですよ。
『花様年華』で封印した部分を全開したかのようにエロエロ(笑)
英語題の『The Hand』が何とも意味深だったりするのです。
いや、エロエロで、でも『純愛』と言うべきか。
旗袍という衣装の魅力を存分に見せつける『花様年華』と表裏一体をなすといってもいい。

もう、どこを切っても王家衛(ウォン・カーウァイ)な王家衛金太郎飴の一編。
しかも短い分エキスがギュ〜ッと凝縮された感があり、むせ返るばかりの濃厚な世界が堪能できます。

いやいや、それにしても張震君のなんと麗しい青年になったことよ。
もちろん見た目だけじゃなくて、うちに秘めた想いを、ぐっと抑えた表情の中に感じさせる演技も素晴らしくてうっとりですよ。
『[牛古]嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』で彼を見たときに「この子はただ者ではない」と思った私の見立ては狂ってなかったわ。
彦祖(ダニエル・ウー)と一緒でだんだん顔が長くなってるような気がするのは気になるけど…

ただ、私にとってはコン・リーは地に足をつけてたくましく生きる女性であり、浮き草のごとく生きる美女には見えないもので、そこがちょっと残念だったのですよ。
とはいっても、張藝謀(チャン・イーモウ)の映画の彼女よりは何倍も美しく、色っぽく撮られていたのですけどね。

正直申し上げて、この1編だけで帰ってしまっても問題はないと思われ…

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  • [ nahoritaのBrooklyn★Brooklyn ] 2005年05月01日 00:44

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