ライフ・アクアティック

  • author: driftingclouds
  • 2005年06月01日

海洋探検家でドキュメンタリー作家のスティーブ・ズィスー(ビル・マーレイ)は、かつては偉大な冒険家として尊敬されていたが、ここ10年ばかりヒット作が出ていない。
前回の航海で長年の片腕であるエステバン(こういう処にシーモア・カッセルを配するというセンスが好き)を“ジャガー鮫”に喰われてしまったズィスーは復讐を誓い、チーム・ズィスーのメンバーに、突然現れたズィスーの息子と名乗るネッド(オーウェン・ウィルソン)、新聞記者のジェーン(ケイト・ブランシェット)、資金を融資した銀行の監視役ビル(バッド・コート)らも加え愛船ベラフォンテ号でジャガー鮫を捜す航海に出る。

とか書くとまっとうな海洋冒険映画みたいだ…
しかしながら映画は脱線を繰り返し、急に激しい銃撃戦が始まってみたりもするけど、全編にはゆる〜い空気と気の抜けた笑いがみなぎっている。
前作の「ロイヤル・テネンバウムス」がそうだったように、あまり生きる事に器用でない人達の家族(この場合は疑似家族だが)の再生という切実な物語が、人をくったおとぎ話のように語られる。

ビル・マーレイとオーウェン・ウィルソンという“2大やる気無さげ&考えてる事がよくわからない俳優“の素晴らしさは言うまでもなく、ヘンリー・セリックの手によるストップモーションアニメ(断じて「安っぽいCG」などではない!)のお菓子みたいな海洋生物たちやベラフォンテ号の内部、いじけキャラのウィレム・デフォー(「今回はA班だぞ」と言われたときの泣きそうな顔といったら!)、サルサなデイヴィッド・ボウイを唄うセウ・ジョルジ、意外な活躍をするバッド・コート、3本足のワンコなどなど、すべてが私にはツボ。

ゆるゆるとした空気に心地よくいつまでも浸っていたい気持ちになりながら、(一応ネタバレ)ネッドが死んだあとに、みんなが揃って潜水艦に乗り込んでジャガー鮫を目撃するところ、完成した映画のプレミアでデフォーの息子を肩車して歩いていくところ、そしてそして最後に船に乗り込もうとするズィスーの肩にメンバーが一人ずつ手を置いていくところにきゅぅぅ〜っと心を締め付けられた。あまりにも美しくて、哀しくて、幸せなので。
人生は死と暴力と別れと哀しみに満ちているけれど、それでも生きるってのはそんなに悪いもんでもない、と思わせてくれる本当に愛おしい映画。

暫定ですが私の今年のNo.1。

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『ライフ・アクアティック』〜Address well-known〜

『ライフ・アクアティック』   公式サイト   監督:ウェス・アンダーソン出演:ビル・マーレイ ケイト・ブランシェット   【あらすじ】(goo映画より)海洋冒険家として世界的名声を得てきたスティーブ・ズィスー。彼とその仲間たち“チーム・ズィスー

  • [ Swing des Spoutniks ] 2005年06月08日 17:13

ライフ・アクアティック

THE LIFE AQUATIC WITH STEVE ZISSOU (2005年アメリカ) 2005/6/5@恵比寿ガーシネ あらすじは、特にないんですが。 筋のない映画と思った方がいいと思いますが、 知りたい方はどこかほかのところでお願いします。 ウェス・アンダーソンって好き。 なにが好きか

  • [ befounddead ] 2005年06月11日 02:47

ライフ・アクアティック

ビル・マーレイ主演 海洋アドベンチャー映画? かつて偉大な海洋探検家と尊敬されていた中年男 スティーヴ・ズィスーと仲間達の冒険を描いていく コメディーなのに何故か切ない感情が残る映画 彼の右腕エステバンがジャガーシャークに殺され そのサメを追い旧式の探査船

  • [ travelyuu とらべるゆうめも MEMO ] 2005年07月24日 23:53

この記事へのコメント

バレで美しくてケイトなどみなぎっている
KEIたちが、バレで別れとかを完成しなかったよ。


1. Posted by BlogPetの「lauchin」 2005年06月02日 10:11

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