ワンナイト・イン・モンコック(旺角黒夜)

  • author: driftingclouds
  • 2005年07月12日

monkok


世界で一番人口密度が多いと言われる香港の繁華街、旺角。
チンピラ同士のつまらない諍いが殺人へ発展し、殺されたのが組のボスの息子だった事から組同士の抗争に。
大陸の貧しい村から殺し屋としてフー(来福 なんと皮肉な役名!)(呉彦祖/ダニエル・ウー)という青年がやってくる。
彼には香港に行ったまま帰らない恋人の行方を捜すという目的もあった。
フーは身を隠した先の安宿で、暴力を振るわれている大陸からきた娼婦のタンタン(張柏芝/セシリア・チョン)を助ける。
旺角警察のミウ(苗)警部(方中信/アレックス・フォン)らは、抗争を阻止すべく、大規模な掃討作戦を行いボスと殺し屋を逮捕しようとする。
作戦名は「ワンナイト・イン・モンコック(旺角黒夜)」
追うものと追われるもの、そして偶然の出会いが引き起こす悲劇とは…

殺し屋と娼婦、社会の裏街道を歩きながら純粋さを失わない二人と、過去の事件にとらわれて意欲を失っている刑事と…「会いたくないやつに限って会っちまう」「それも縁だろう」「そんな縁は願い下げだ」…想いとは裏腹に最悪の事態へと追い込まれていく人々の姿が切ない。
彦祖とセシリアという美男美女カップルが、あか抜けない大陸の人間を演じている。特に彦祖はアメリカ育ちのハンディをものともせず、見事に北京語で純朴さと凶暴性を併せ持つ人物を演じきった。
方中信も抑えめだが、心に抱えた影を感じさせる演技が印象深い。

錢嘉樂(チン・ガーロッ)、林雪(ラム・シュー)、梁俊一(アンソン・リョン)などなど…爾冬陞(イー・トンシン)の映画は、脇の俳優一人一人に至るまできちんと血肉の通った人物として描かれているのがいい。
彼らを高見から見つめるのではなく、弱いもの、不幸なものに寄り添っている爾冬陞の視線はこの暗い物語でも失われていない。
善人と悪人、そしてあらゆる場所から来た人間を飲み込んでいく旺角の街そのものも生き物のように描かれている。
夜が明ければ大陸からきたちっぽけな人間のことなど忘れ、いつものように賑わうのだろう。
やり切れなさの残る結末だが、登場人物たちの想いと哀しみが深く胸に突き刺さる。素晴らしい作品と思う。

方中信の演じる苗警部は『ダブル・タップ』ので彼が演じたのと同じ人物らしい。
なので『ダブル・タップ』を観てみた。
劇中レスリー演じるリックが「銃には悪い銃といい銃がある」みたいなことを言うのだが、『旺角黒夜』の中では銃を手にしたものはすべて不幸になる。
「いい銃」なんてものはないという事か。
苗警部のトラウマはこのときの事件によるもの。

セシリアの声が吹替えかどうかがずっと話題になっていて、私も劇場で観たあとVCDの声と比べてみたのだけど、やはり劇場版はセシリアの声ではないのではないか。VCDの声も基本は本人の声だけど一部吹替えのような気がするので確信は持てないけど。

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この記事へのコメント

lauchinは、苗へ抗争するはずだったみたい。
なので柏までセが村へ確信された。
そしてきょう、柏にセの願い下げに抗争したかも。

1. Posted by BlogPetの「lauchin」 2005年07月15日 09:44

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