『忘れえぬ想い(忘不了)』役柄チェックその15

  • author: driftingclouds
  • 2005年07月16日

lostintime
リージョン3となってますが、実際はALLです。


英語タイトル『Lost in Time』
導演:爾冬陞(イー・トンシン) 監製:方平 編劇,:阮世生, 方晴
一百年電影有限公司、銀都機構有限公司、中國星集団、無限映画電影製作有限公司 2003年

『ワンナイト・イン・モンコック』公開記念ということで『忘不了』のことなどを。

小慧(張柏芝/セシリア・チョン)はミニバスの運転手である阿文(古天楽/ルイス・クー)と婚約中だったが、阿文は突然の交通事故で帰らぬ人になってしまう。
小慧は阿文の連れ子だった楽楽(原島大地)を自分の手で育てる決心をし、彼の乗っていたミニバスを修理してその運転手となるが、慣れない仕事にトラブルに巻き込まれることが度々だった。
そんな彼女にさりげなく手を貸す同僚の大輝(劉青雲/ラウ・チンワン)、彼は阿文の友人で、事故の現場に居合わせたのだ。
楽楽とも仲良くなった大輝と小慧の仲は徐々に接近していくが、小慧は阿文のことを忘れることが出来ず、あと一歩のところで留まってしまう。大輝のほうもなにやら訳ありらしい。
一生懸命に働いても小慧の生活は苦しく、ついには楽楽を手放す決心をするが…

とりあえず、香港独自の制度とも言えるミニバス(小巴)について、乏しい知識と調べたことをちょっとご紹介。
ミニバスはだいたい16人乗りぐらいのマイクロバスを使い、どこでも好きなところで乗れ、好きなところで降りられるという乗合タクシーみたいなもので、値段も安く、狭い路地の多い香港では庶民の足としておなじみです。
屋根が赤のものと緑のものと2種類あって、赤いのは完全に自由に乗り降りする方式で、緑の方はある程度停留所が決まっているという違いがあります。
降りる際には「ここで降ります!」と広東語で叫ばなくてはならない(英語は通じません)ので、慣れてない観光客はうかつに乗らない方がいいでしょう。
実はこのミニバス、その筋の方々の合法的なお仕事部門として経営されているもののようでして(だからといってこのバスに乗っても犯罪に巻き込まれたりするような事はないです)それゆえにか少々荒っぽい人が多いと思われ、小慧のような世間知らずのか弱い女性にはかなり精神的にもつらかったのでは、と推測されます。
そしてこのバスは映画を観るかぎり会社が用意してくれるのではなく、自分で購入し、そこを仕切っている世話役さんにお願いして仕事をさせてもらうという方式。当然メンテナンスも自分の負担であり、しかも会社へもお金を納めなくては…ということでけっこう厳しい職業のようです。

と、いうようなことはこれをわざわざ輸入版で観ようなんていう方々には言うまでもない事ですね。
いや、いつか日本公開のあかつきには役に立つかもしれないから…

閑話休題。

この映画のセシリアはちょうど一番激やせしていたころでしょうか、観ていても痛々しく、それが役柄ともちょうど合っているというのもあるのでしょうが、とってもいいです。
楽楽を演じている原島大地君は名前でも判る通り、香港生まれの日本人です。
また、この子が上手いんだ。けなげで可愛らしくてねぇ、涙腺のツボ、突かれ過ぎ。
たぶん中の人は30歳ぐらいだな。

ラウちんは主役とは言ってもセシリアを見守る役なので見せ所はそれほど無いかもしれないですが、こういう普通の人をさりげなく演じるのって実は一番難しいのじゃないかと思うんですけどねぇ。
なかなかそういうのは評価されにくいですね…
それに爾冬陞の撮るラウちんてけっこうむさ苦しい人(こらこら)に見えるのよね。もちろん、だんだん映画が進むに連れて素敵に思えてきて、それが良かったりもするんだけど。
ベストシーンは二人が初めて手をつなぐところでしょうか。
イイ年した大人が手をつなぐだけなのに、なんであんなにきゅんとなってしまうんだろう。
あと、いっつも思うのですけど、なんでこの人はこんなに子供の扱いが上手なのか。本人には子供がいないというのに。

タイトルの『忘不了』は中国語がわからなくてもだいたい判る通り『忘れられない』ということ。
人は誰しも忘れられないものや思い出を持っています。
だけども、それが足かせになる事もある。
いくら嘆いても、悔やんでも、失ったものは帰っては来ない。だから、ときには何かを忘れて前に進む勇気が必要なんだ、と。

ラスト、新しい1歩を踏み出そうと決めた二人の晴れ晴れとした顔が素敵です。

それにしても、泣けるし、恋愛もあるし、日本人の大好きな天才子役(それも日本人)も揃っているのになんでこれを日本で公開しないんだっ!
相手役がラウちんだからかっ!(泣)
冗談はさておき、ほんとにいい映画なんですよ、絶対日本人好みの話だし。
ほんとにほんとに、日本公開熱望。
というか、公開されると信じてますから!

追記:公開が決まりました!2006年新春、渋谷シアターNにて
   邦題は『忘れえぬ想い』となりました。
   公式サイト(まだ表紙だけですが)

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この記事へのコメント

昨夜(今朝?)はお疲れさまでした。
>いっつも思うのですけど、なんでこの人はこんなに子供の扱いが上手なのか。
「再見阿朗」でもよかったですよね。あの映画のラウチンが男の子を連れ出そうとしてルビー・ウォンともめるシーンが好きです。

1. Posted by ハチや 2005年07月17日 12:24

いつかラウチンに会うことがあったら、絶対聞いてみたいです。「子供いないのに、なぜそんなに父親(のような)役が上手なんですか?」って!!香港で一番の「父親俳優」だと思ってます。他にいませんよ、ゼッタイ!

2. Posted by もにかる 2005年07月23日 10:04

きゃ!もにかるさんにコメントいただけるとは恐縮でございます。

『喜馬拉亞星』のメイキングでもインドの子供たちと仲良くなってる様子をみてると、子供の警戒心を解くのが上手なんでしょうね、優しいからだろうなぁ。
ほんとにいつか機会があったら聞いてみたいですが、たぶんご本人は照れて「自分が子供だから…」なんて答えてくれそうな気がします。

3. Posted by KEI 2005年07月24日 01:45

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