SPL(殺破狼)

  • author: driftingclouds
  • 2005年11月21日

010


東京フィルメックスにて。
『スリー・タイムズ』も観たのですが,そっちの感想はまた後日。

監督:葉偉信(ウィルソン・イップ) 
ABBA MOVIE C.L ,1618Action Limited

公式サイト(英語、見づらい…)

黒社会のボス、ポー(洪金寶/サモ・ハン・キンポー)の犯罪を証言しようとしていた家族が襲われ、証拠不十分となったポーは釈放される。
護衛に当たっていたチャン警部(任達華/サイモン・ヤム)は残された娘を養女として引き取り、部下たち(廖啓智/リウ・カイチー、夏韶聲/ダニー・サマー、智堯/ケン・チャン)と共にポー逮捕への執念を燃やしている。
だが三年経ってもポーを逮捕する証拠をつかむ事は出来なかった、そしてチャンの退職の日(その日は父の日という設定)まであと二日となった日、後任のマー(甄子丹/ドニー・イェン)が引継のためやってきた。
果たしてチャンはポーを逮捕できるのか…

新作の撮影中との事で、監督の葉偉信(ウィルソン・イップ)は来日しませんでした、残念…イケメン監督を拝んでみたかったのに。
いや冗談はさておき、Q&Aでいろいろ話して欲しかったのにほんとに残念。
代わりに監督からのメッセージがありました。
「デジタル技術の進歩によってクリアな青空とパーフェクトブルーの海を創りだす事が可能になりました。刑事たちがそこに佇むシーン、善玉と悪玉の間の、完全に調和のとれた穏やかな理想の世界。しかし、それは現実にはあり得ない風景なのです。」(以上、メモなど取っていなかったためにうろ覚え、間違っているかも。)

その監督の言葉どおり、美しい海のシーンが何度も登場します。そこだけがとても穏やかで、別の時間が流れています。
私もそこがとても印象に残りました。
しかし、それ以外の場面は暗く、暴力に満ちた映画です。香港では三級(成人映画)指定だとか。
その中で語られるのはいくつもの父と子の物語。敵味方関係なく、求めるものは同じ…だが、彼らが身を置く世界にはそれは無いもの。
男と男の意地を掛けた戦い、親子の愛情、仲間への思い…とても濃密なドラマがあり,ずしんと胸に響きます。

ヤムヤムは目的のためなら手段を選ばない警官。善と悪との間にいるような人物です。
深く静かに執念を燃やし、上司の命令も無視する。正直彼があんな事しなければあんな事には…いやそれを言っちゃあおしまいですけど。
ドニーはアクション要員なのかと思いきや、ドラマにもきっちりと絡んできます。アクションはいちいち言うまでもなく最高です。カッコいい!
でもドニーさん、そんな場面でそんなことしてちゃダメだよ…(と観ていた全員がつっこみました、唯一の爆笑ポイント)

サモハンといえばその巨体に似合わぬキレのあるアクションとコミカルで人懐っこいキャラクター、というイメージですが今回は極悪非道の悪役をニコリともせずに演じています。
あの巨体で凄みをきかせるとかなり恐いです、本気で。
そして、そのサモハンを喰っちゃうくらい強烈だったのが殺し屋役の呉京(ウー・ジン)
もう歩く凶器みたいな感じで、不穏な空気を身にまとって登場すると観ている方まで緊張で堅くなっちゃうくらい。
私は初めて見た気がするのだけど,他に何か出ていたかな?あとで調べてみよう。
調べました。やっぱり他の作品は見てないや。りんちえの後輩なのか、へ〜、素顔は結構かわいいのね。
この二人とドニーさんの対決がとにかく凄い!アクション目当ての人も十分満足だったのではないでしょうか。

部下の刑事たちの中で顔と名前が一致するのは廖啓智くらい(『無間道』で覚えた)、無間道と違って凄くキレやすい役なんですが…公衆電話のシーンでは思わず泣いてしまいました。まさか彼で泣くとは思いもよらなかった…
この人↓見覚えある?
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夏韶聲は昔TVBのドラマなどに出ていて今は歌手活動がメインの人らしいです。
彼も良かったなぁ、悪役顔なのに娘思いというギャップがたまらん。
智堯は見せ場があんなシーンだから…

ほかにサモハンの息子の洪天明(ティミー・ハン)とかも出てました。今回は顔がわかったぞ。

これだけの内容を詰め込んで上映時間はわずかに97分。は〜

この映画は来年の3月4日新宿オスカー他にて公開予定だそうです。
私はかなりの傑作と思いました、是非とも劇場で観ることをお勧めします。
ま、痛いの嫌〜とか言う人には無理にとは言いませんけど。

余計なことですが…これDVD発売のときにはサモハンの吹き替えは水島裕なんだろうか…?

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この記事へのコメント

遅レスですみません。

久々、香港映画らしい香港映画ですね。
「オーバーサマー」もそうですが、葉偉信の作品は、幸せになれない人物ばかり。
未来を信じられない。
監督の人生観なのかしらん?

廖啓智さんの名前を、あちこちでお見かけします
ね。
彼は、自分がこんなに日本で話題になっている
のをご存知でしょか(笑)。

1. Posted by 多謝。 2005年11月27日 10:23

『トランサー』は一応ハッピーエンドだった気が。
でも確かにみんな不幸を背負っているというイメージがあります。
未来を信じられないというのではなく、死んだあとに残る思いが受け継がれていく…みたいなものを描こうとしているのかなとも思います。

そういえば廖啓智さん『星月童話』にも出ていたらしいのですが、全然記憶にありません。というか、映画自体を記憶から抹殺したので…
彼も林雪も日本でこんなに人気(?)があるとは思ってもみないでしょうね。(笑)

2. Posted by KEI 2005年11月27日 21:53

初めまして。shinと申します。
香港では最近SPLのVCD、DVDが発売になりましたので、早速購入、自宅で楽しみました、勝手ながらトラックバックさせて頂きました。

3. Posted by shin 2006年01月16日 12:42

shinさん、はじめまして
コメント&TBありがとうございます。

私は頭使わず見られる作品、とは思わなかったのですが…まあ、人それぞれですね。

4. Posted by KEI 2006年01月16日 23:40

「“ダーク・トリロジー”第4弾」の称号献上します。
いやあ、相変わらずダークですね〜・・・。
でも、アクションの凄さよりも、ドラマ部分が素晴らしかったです。
自分もリウ・カイチーに泣きました・・・。

5. Posted by micchii 2006年03月21日 11:09

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