ロード・オブ・ウォー

  • author: driftingclouds
  • 2006年01月16日

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監督:アンドリュー・ニコル アメリカ 2005年

『今、世界には5億5千万丁の銃がある、ざっと12人に一人の計算だ…残る課題は“1人1丁の世界”』

オープニング、ある旅が描かれる。
一枚の真鍮の板から弾丸が作られ、様々な人の手を経て少年の額を撃ち抜くまでの旅。
このシーンだけでも多くの人に観てもらいたいと思う。

資本主義社会において至上とされるのは、需要と供給の問題だ。
だが、より多くの金を儲けようと思ったら、需要以上の品物を売りさばく事が必要になる。
ユーリ・オルロフ(ニコラス・ケイジ)はそのワザに長けていた。

ただ同然で手に入れた余剰在庫を、過剰に欲しがっている所へ売りさばき、巨額の利益を得る。
それがもたらした結果には頓着しないのが有能なビジネスマンというもの。
いちいち、この銃で誰が殺されるかなんて事を考えていたら、弟(ジャレッド・レト)のように精神を病むしかないしね。

豪華な家、美しい妻、可愛い子供、何もかも満ち足りた成功者。
困った事と言えば、何もかも中途半端な妻の野心と、うるさく彼につきまとうFBI捜査官(イーサン・ホーク)ぐらい。

だが、それも破綻する日がやってくる。
妻と子供は去り、弟は…
しかし、ユーリがそれで本当に自分のした事を後悔しているとは思えない。
いつものように困ったような曖昧な顔のニコラス・ケイジの表情が、複雑な気持ちを我々に抱かせる。
彼自身は銃を撃った事もないし、息子にはおもちゃの銃でさえ持たせようとはしない。
自分の手は血で汚れてはいない、ただのビジネスマン。そして、最大の顧客は…

本当に恐ろしいのは、彼のような人間を必要悪として存在させている者。
映画ではバックに大国の存在が示されるけど、その正体は、目先の利益に目がくらんでその結果を考えようともしない我々なのではないか。

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