うつせみ

  • author: driftingclouds
  • 2006年04月07日

081


監督:キム・ギドク(金基徳) 2004年 韓国=日本

公式サイト

ああ…まったくキム・ギドクというひとはなんたるロマンチストで悪い男なのか。
『春夏秋冬…そして春』『サマリア』は今ひとつ乗り切れなかった私。なんだ、彼もそういう方向へ行っちゃうのかよ(いわゆる宗教方面というか…)とか勝手に思ってたんですけど。
これにはやられてしまいました。またもや現実世界に戻るのに時間が必要だったよ…

まるで『悪い男』と裏表をなすような映画です。(ヒロインの名はどちらもソナだし)
どちらかと言えば『悪い男』が裏面でこちらが表面かもしれない。
あれよりはずっと穏やかで、しかも、少し笑ってしまえるようなシーンまであるのだもの。
だけども心の奥深くに入りこんで来て直接心をつかまれてしまうような気がする、という点は同じ。
現実と幻想の間のとてつもなく美しいファンタジー。

テソク(ジェヒ)はバイクで家々にチラシを貼る仕事をしながら、留守宅を捜し、そこへ上がり込んで洗濯をし、ご飯を作り…と、まるでその家の住人であるような時間を過ごしそれを写真に収めるという暮らしを送っている。
ある日、いつものように留守宅だと思って上がり込んだ家でテソクは夫に虐待され軟禁状態に置かれているソナ(イ・スンヨン/李丞涓)という人妻と出会う。
その場は立ち去ったものの、再び訪れたその家で夫の暴力を目撃したテソクは夫をゴルフボールで痛めつけ、ソナを連れて家を出る。
空き家を捜しては、まるで家族のように暮らし始める二人。いつしかお互いがかけがえの無い存在になっていく、しかし、二人の逃避行は長くは続かず、ソナは家に連れ戻されテソクは刑務所に入れられてしまう…

そして、そこからの展開がすごいのだ。まあ、それは書かない方がいいと思うけど、これは本当にキム・ギドクしか描けない世界です。

一言も言葉を交わさずにお互いの感情を表現しきった二人の演技も見事。特に、テソクを演じたジェヒという子、監督が目を見て決めたというだけあって、とても印象的な目をしている。
ちょっとこれからの注目株かも。(とか言いつつ、台詞を喋ったら案外普通の子のような気もするけど)

あんまり感想になってないな…こういう映画って言葉を費やせば費やすほど陳腐になっていくような気がするだもの…

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