ピアノ・レッスン

  • author: driftingclouds
  • 2006年07月17日

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The Piano
監督:ジェーン・カンピオン 1993年 オーストラリア=ニュージーランド=フランス

BOW30映画祭にて。久々のスクリーンでの再見。

あ〜やっぱりエイダ(ホリー・ハンター)って、わがままで強情で自分勝手なヤな女だわ。私そっくりで(笑)
だから大好き。誰がなんと言おうと、私のフェイバリット20には入る(って微妙?)作品。

この映画に関しては、ほんとに面白いくらいに男性と女性で感想が違うんですね。
こないだも友人(♂)と話しててそのあまりに噛み合なさに笑ってしまったよ。
「だってたかがピアノじゃん?」(友人)「ピアノを捨てろなんて、絶対信じられない。あのダンナ(サム・ニール)は最低だ」(私)というような会話を交わしていたのですが…

そんな理解出来ないあなたのために解説。
ピアノはただの物ではないのです。それはエイダ自身。彼女の言葉であり存在のすべて。
夫は、自分自身を捨てて夫のやり方に従うように強要しますが、エイダにとっては絶対にそれは受け入れることが出来ないことです。
19世紀には当たり前だった、夫にすべてを委ねるという考えを受け入れられない点でエイダは非常に現代的だと言えます。
そこへ現れたのがベインズ(ハーヴェイ・カイテル)
粗野で教養も無い男ですが、彼は即座に理解します。ピアノは彼女自身であり、彼女に受けれてもらうにはピアノをひっくるめた彼女のすべてを愛すること。
いったいどっちに軍配が上がるかは、明白だと言えます。
要するに、自分のすべてを受け入れてくれる男性と出会いたい…という古典的な願望がこの映画の基本なんですのよ。
ありのままを受け入れてくれる相手によってしか、人は変われない。逆説的ですが、そういうことなのです。

まあ、それだけじゃ、ハーレクインロマンス(読んだことないけど)と大して変わらんわけですが、それを格調高く仕上げているのはやはり、マイケル・ナイマンの音楽ですね。
初公開時、ピアノのスコアを手に入れた私はなんとかあの音楽をマスターしようとしたもんです。
が、なにしろバイエルを終えるのに6年も掛かった女ですので、諦めるのも早かったですけど。

そして、アンナ・パキン。自分に100%向いていた母親の愛情が他へ移ったと知ったとたんの子供ならではの残酷さ!彼女の存在もあって、この映画はハーレクインロマンスになる危機を免れているのだともいえるでしょう。

ハーヴェイ・カイテルにこんな繊細な演技が出来るんだ、ってのをこの映画で初めて知った人も多かったのでは。
『愛していないならもう二度と来ないでくれ』と言った時の表情にはぐっと心を掴まれました。

ホリー・ハンターは言う事無し。一世一代の名演でしょう。

ジェーン・カンピオンもこれ一作ですべて出しつくしてしまったのか、その後の作品がぱっとしないのが残念ですが…

久々にスクリーンで見られて良かった。

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この記事へのコメント

またスクリーンでご覧になられて羨ましいです。
自分はサントラに入っていた楽譜で練習しました。
ピアノは結構早く辞めたので全盛期でもモーツァルトの「トルコ行進曲」レベルなんですが、これは1ページ目はマスターしましたよ。
かなり長いことピアノに触ってないので、今は右手の主旋律くらいでしょうが・・・。

1. Posted by micchii 2006年07月19日 15:04

それだけ弾ければ十分ですよ〜
三味線なら弾けるんだけどな〜(私も長いこと触ってないので、たぶんだけど)

2. Posted by KEI 2006年07月20日 23:37

わたしもバイエルを終えるのに6年かかりました。お仲間がいるとは!!(笑)
公開当時の「ピアノレッスン」はエモーショナルな映像と音楽が印象に残ってますが、今見るともっと感じることが違っているかもしれないなとKEIさんの感想を読んで思いました。

3. Posted by らら 2006年07月28日 20:44

ららさん
きゃ〜、お仲間ですか!(嬉)
私も以前見た時はもっと違う感想だった気がするのですが、年のせいか現実的になっちゃって…(えっ)

4. Posted by KEI 2006年07月30日 02:35

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