悲情城市

  • author: driftingclouds
  • 2006年08月16日

悲情城市


監督:侯孝賢(ホウ・シャオシェン) 1989年 台湾

これもBOW30映画祭にて。
日本で初公開された当時は私は台湾の歴史や2.28事件のことなど何も知らず、外省人、内省人なんていう言葉すらも知らなかったのだよなぁ。

それでも、歴史に翻弄される一家、ひいては台湾人が味わった深い悲しみは充分感じ取ることが出来たのだけど、その後多少でも知識を得てみると、ああ、ここはそういうことなのかと新たに発見することも多い。
今回は映画の中で飛び交う言語の区別が多少つくようになったので(以前はメインで話されているのが台湾語だということも知らなかったのだもの)あの当時、いかにあちこちからいろんな思惑で人が流れ込んできていたのかということも感じることが出来た。

映画の中で戒厳令が発布されるのだが、それが解除されるのはこの映画のわずか2年前、内省人の李登輝さんが総統になるまで待たなくてはならなかった、というその歳月を考えるとラストの食事シーンへの感慨もまた違うような気がする。
男たちが次々消えていく家で、静かに家を守り子供を育てる女たちの姿が心に残る。歴史に翻弄されながらもそれでも人は生きていくのだと、希望を彼女たちの姿に託したのだろうか。

149悲情城市の人びと/台湾と日本のうた
背景を知るためにはとりあえずこの本から。著者の田村志津枝さんは映画の字幕を担当された方でもあります。

そうそう、これは梁朝偉(トニー・レオン)を初めて認識した映画でもあったのだ。
いつまでも若く見えるトニーなんだけど、久々に27歳の姿をみたらやはり若い!
若いけれど、あの訴えかけて来る瞳は当時も今も変わらないなぁ。あの瞳に魅了されなければ今ここでこんなに中華映画のことばっかり書いていることも無かったかもしれない…と思うとそれも感慨ひとしおなのだった。

さて、今回残念ながら観られなかった、という方に朗報。
渋谷のシネマヴェーラでは9月30日から10月20日まで侯孝賢映画祭を開催するそうです。
今日本で上映可能なすべての作品の上映を目指して、すでに上映権が切れてしまっているものも台湾と交渉中だとのこと。
当然ながら『悲情城市』も上映されるはずなので、次の機会には是非。
シネマヴェーラ
まだ映画館の公式サイトには情報はアップされていません。

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この記事へのコメント

初めまして。楽しく拝見させていただいております。
中国関連にはまってから日が浅いもので、「非情城市」はまだ観ておりません。BOW映画祭でも、観たい映画と全てスケジュールが合わず涙…(「黒猫・白猫」はDVDでしか観ていないのでスクリーンで観たかった…)。でもシネマヴェーラで観られるとは! 楽しみです。自分の中では「チャウ・シンチー特集」続き、いい特集をありがとう、な感じです(一緒にしてはいけませんね…)。

1. Posted by モヤオ 2006年08月23日 00:31

モヤオさん、はじめまして。
一日だけの上映はスケジュールを合わせるのが大変ですよね。私も観たいと思っていたもの全部は無理でした。
シネマヴェーラは今どき意欲的なプログラムをやってくれる貴重な処ですからね、これからも頑張って欲しいです。
>一緒にしてはいけませんね…
いえ、侯孝賢もシンチーも私たちの世代の偉大な映画人であることに代わりはありません。もしコメディだから…という意味でおっしゃっているのでしたら、それは大きな間違いである、と申し上げておきます。

2. Posted by KEI 2006年08月24日 00:55

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