四大天王

  • author: driftingclouds
  • 2006年10月27日

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監督:呉彦祖(ダニエル・ウー) 2006年 香港
Alive公式サイト

俳優の呉彦祖(ダニエル・ウー)、尹子維(テレンス・イン)、連凱(アンドリュー・リン)、陳子聰(コンロイ・チャン)らが結成したバンドAliveの活動を追ったドキュメンタリー…とは真っ赤な嘘で、彼らの活動をネタに、香港の音楽界が抱える問題を、爆笑と皮肉を交えつつ掘り下げたフェイクドキュメンタリー。
いわば、香港版『スパイナル・タップ』とでもいうべき映画。

『スパイナル・タップ』と違うのは、4人が本当に1年半の間バンドとして活動していたってこと。
その秘密が明かされたのは、今年の香港国際映画祭でサプライズ上映としてこの作品がお披露目された時のことだったのでした。
Aliveの事は私もむこうのニュースサイトなんかで報じられているのを見ていたのだけど、まさか、すべてが映画のための仕込みだったとはね〜
映画祭直前には彦祖と他のメンバーが対立していて解散の危機?なんてことまで報じられた(実はそれも作戦だったわけだけど)という手の込み具合で、まんまと騙されました。

いや〜笑った、笑った。
完全にフェイクというわけじゃなくてバンド活動の様子は本物だから、どこまでが本物の彼らで、どこまでが役を演じているのか、判然としないというのも面白いし、おちょくられている問題も香港芸能界に限らず、万国共通の問題でもあるしね。
これが初監督の彦祖ですが、なかなかのセンスの持ち主だと思いました。
今度はステ(馮徳倫)と香港の若手イケメン監督ズでも結成してみる?

ほんとはAliveの4人が勢揃いするという話だったのだけど、残念ながらテレンスとコンロイは直前にキャンセル、彦祖とアンドリュー、それに撮影と編集のスタッフ2人の計4人で舞台挨拶とティーチイン。
とにかく彦祖が喋る喋る。英語で思う存分話せるからか、話しだしたら止まりゃしない…
おかげで予定が大幅に遅れ、次の映画に遅刻しました…。
まあ、彦祖のこの映画にかける想いと、真面目な人柄は充分伝わって来たからいいんですけどね。
私は2階席だったので質問出来なかったんだけど、もし出来たら『スパイナル・タップ』を観た事があるか?と聞いてみたかったなぁ。

と、いう事でまたも記憶を頼りにティーチ・インを再現。当然間違っている可能性あり。
特に表記のないところはすべて彦祖が答えています。

Q: 映画はどこまで本当のあなたがたで、どこまでが嘘?
A: Secret. 知らない方が興味が湧くでしょう。

Q:(連凱に)自分自身を演じるのは難しくなかったか?
A: 映画の中の自分は、あくまでダニエルが作ったキャラクターで自分自身ではない。
  自分の性格は20%ぐらいしか反映されていない。
  父は死んでいないのに映画の中で亡くなったので、映画を観た親戚がびっくりして連絡して来た。
  自分も父もシナトラのファンではない。シナトラファンなのはダニエル。

Q:(スタッフの2人に)彼らの明かしていない秘密のエピソードがあれば教えて。
A: 映画の中でテレンスがよくおならをしてからかわれるが、他の3人もおならはよくしていた。
  テレンス以外の3人は本当に歌が下手だった。(笑)

Q: Aliveの活動が映画のためだという事を隠すのは大変だったか?
A: 秘密を知っていたのは周囲の人間でも10人ぐらいだけだった。
  ただ、活動を続けていくうちにだんだん自分たちでもその気になって来たのでそれほど難しくはなかった。
  周りの人たちからは、お金のためにやっていると思われていた。

Q: ゲストのインタビュー部分は本物?
A: 本物。
  普段から香港の音楽界について一家言ある人たちに、音楽界についてのドキュメンタリーを作っていると言って、まったく同じ30の質問に答えてもらった。
  編集が終わってから、本人に、もしマズいところがあればカットするからと言って映画を見せたが、みんな主旨を理解してくれ、快くOKしてくれた。

Q: 映画の中でF4と自分たちを比べるような発言が度々出て来るが、どういう意図があって?
A: 香港の音楽界が想像力や芸術性を失って、あまりに商業第一主義になりすぎている。
  6才から25才の人達にものが売れさえすればいいという考えに警鐘を鳴らしたかった。
  これは香港に限らず世界中で起きている事。
 中身が無くても有名になれる、その代表格がパリス・ヒルトンだ。
  映画を撮る前は、ボーイズグループに対してあまりいい感情を持っていなかったが、自分たちが活動してみて、実は大変な仕事だという事がわかったので、今では一定の敬意を持っている。
 F4はボーイズグループとして社会現象になるほどの人気があったので象徴として名前を使っただけで、別に他意は無い。
  F4のライバルになるためには、髪を伸ばして白いスーツを着なきゃね。(笑)

Q: 映画の中の衣装(↑みたいなね)について
A: 友人のコスチュームデザイナーのクローゼットからダニエルが選んだ。
  本人たちの意思とは関係なく、レコード会社がイメージを決めるという事を少々誇張して表現している。
  アンドリューのセーラー姿は『とってもセクシーよ!(日本語で)』(笑)

Q: Aliveとして活動している間にはファンが出来たと思うが、そのファンを騙した事については?
A: ファンの人達はほとんどがもともと俳優たちの誰かのファンだから、理解してもらえると思う。
 活動している間は真面目に、誠実に活動をした。
  ファンの存在はとても重要で、彼らも映画の重要な一部を担っている。

Q: アニメーションを入れるというのは最初のスクリプトからあったのか?
A: Yes.
 映画にパンク的な要素を取り入れたかった。
 アニメーターは友人で、普段は映画の特殊効果などを手がけている。
 ある程度のイメージを伝えて、スタイルは彼に任せた。
 4つのアニメのパートはメンバーそれぞれの内面を表している。

Q:(連凱にだっけ?)監督としてのダニエルは?
A: Very Impressed.こんなに才能があると思わなかった。
 
Q: 香港・釜山・東京と各映画祭で上映されたが、観客の反応の違いは?
A: 香港の人は内輪のジョークにもウケていたが、それ以外の部分はどの国の人も自分の思っていた部分で反応してくれたし、意図も良く理解してくれたと思う。
  香港に限らずこういう問題はどこの国でも共通するものがあるので、みんな思い当たる節があって、理解を得られたのだと思う。
 (サプライズ上映だった)香港国際映画祭では、2000人の観客に爆弾を落としたかのような反応だった。

Q: Aliveとしての活動はもうやらないのか?
A: (たしか連凱が答えた)バンドとしてのAliveは終わったけれど、クリエイティブなグループとしては何らかの形で続けていきたい。

ふ〜、長かった…以上です。
彦祖には、今度は劇映画にも挑戦してみて欲しいな。

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この記事へのコメント

会場にいらしたんですね!
面白かったし、みんなで笑えてうれしかった。彦ちゃんもじっくり答えてくれたし。とても素敵な時間を過ごせて、いい気分でしたね。

『スパイナル・タップ』知りませんでした。教えてくださってありがとう!

1. Posted by 藍*ai 2006年10月27日 08:45

ALIVEの名前を知ったのはたしか香港紹介の特番だったよ。
ジェッキー・チェン事務所一押しの新ユニット!みたいなノリでして、テレンスのインタビューもあったわ。。こんなオチだったとわっ!観てみたい〜。(DVDジャケだけ観てかなり興味あったのだ@ビレッジピーポーファン)

本日関西から友人が約2名、盛夏〜、とポストモダン観に江戸に乗り込みました。

2. Posted by しゃん 2006年10月27日 13:15

>藍*ai さん
はい、2階から見守っておりました。
彦祖は本当に真面目な人だなぁという印象を受けました。
映画祭のお客さんはコアな人が多いので、ああいう雰囲気の中で観るのは格別なものがありますね。
友人によると、今日の上映はわりとお客さんが大人しかったそうで、このとき観て正解だったと思いました。
『スパイナル・タップ』をパクったというわけじゃなく(内容的には似てない部分も多いし)あれを見てこの手法を思いついたんじゃないかな?と思ったので聞いてみたかったのです。
これも、凄く面白い映画ですよ〜

>しゃんさん
面白かったですよ〜
私も報道を見ていた時には、まさかこんなオチがつくとは思ってもみませんでした。
一般公開はあるんじゃないかと踏んでいるのですけど。

盛夏〜は評判を聞いて買おうとしたら売り切れで見られず、ポストモダン…はユンファのサービスショット見られただけで満足、かな。

3. Posted by KEI 2006年10月28日 00:40

まさか「F4も真っ青な格闘系イケメンユニット」が映画のためだったとは!
「F4」に対抗意識燃やしてる割に、見た目は「ヴィレッジ・ピープル」だし!本当は何がしたいの?とは思っていたんですけど。

>中身が無くても有名になれる、
>その代表格がパリス・ヒルトンだ。
きゃー、かっこいい・・・

4. Posted by KIKI 2006年10月28日 11:36

>KIKIさん
明かされた時はマスコミからは非難轟々だったですからね。
それも覚悟の上だったんでしょうね。男だな、彦祖…

5. Posted by KEI 2006年10月30日 00:50

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