イザベラ

  • author: driftingclouds
  • 2006年11月09日

169サントラ欲しい


伊莎貝拉
監督:彭浩翔(パン・ホーチョン) 2006年 香港
公式サイト

映画祭のラスト(私にとっては)にして、最もフェイバリットな作品。
最早息切れ気味ですが,なんとか頑張って書きますよ。

一昨年の東京国際映画祭で、長編3作目にして特集が組まれて以来すっかり「アジアの風」部門の顔となった感がある彭浩翔の新作は,でも今までとはちょっと趣きが違う作品。
ベネチア映画祭音楽賞受賞(金培達/ピーター・カム)

1999年、中国返還直前のマカオ。
警官の馬振成/阿成(杜[シ文]澤/チャップマン・トー)は汚職事件がらみで休職中の身。
毎日酒場に出かけては女の子を引っ掛けて一夜限りの関係を持つような自堕落な生活を送っている。
ある日、阿成の元に張碧欣/阿欣(梁洛施/イザベラ・リョン)という娘が現れ、彼の娘だと名乗る。
そして、アパートを追い出された彼女との奇妙な生活が始まり…

だいぶ時間が経ってしまったので、細かいところ確認しようかとDVDをかけたら二回繰り返して観てしもうた…
そんなに気に入ったのか,我?うん、かなり。
今年観た中でもかなり上位に位置すると思う。
王家衛ぽい、なんて声もあるようだけどカーワイよりもずっと下世話(良い意味で)で、ホーチョンらしいブラックユーモアの部分もあり、それでいて二人の微妙な心情の変化を細かに掬い上げる繊細な演出もあり…まったく,いったいいくつ引き出しを持っとるのかね,ホーチョンよ。

たいがいの映画の中でコメディリリーフ的な役割がほとんどの杜[シ文]澤が、やさぐれ気味の中年男(もっとも設定としては34、5才だろうから、それを中年と呼ぶのには,うむむ…となってしまうのだけど)を渋く、かっこよく演じている。いや、こんな男前に見えるとは、かなりの驚き。
梁洛施は初めて見るけど、すらりと伸びた手足にコケティッシュな容貌と、男を翻弄する小悪魔的少女にぴったりながら,決して嫌らしくなりすぎない、なかなか香港映画では得難い個性なのではないかしら。
なんだか態度が悪いとかで干されているようだけど,心を入れ替えて頑張ってもらいたいものだわ。
曾國祥(デレク・ツァン)が『AV』とはまるでイメージの違うストーカーちっくな男子学生で登場。(彼は一緒に脚本も書いている)
最初見た時はお父ちゃん(曾志偉)に全然似てないと思ったけど,やっぱり顔の造作はお父ちゃん譲りだわ,と再確認。
黄秋生(アンソニー・ウォン)はつねに何か食べてる阿成の同僚の役でゲスト出演。笑いを誘う。

梁洛施の英語名が「イザベラ」なので、すっかり勘違いしたのだけど、ヒロインの名前は実はイザベラではないのだよね。
イザベラというのは阿欣が飼っていた犬の名前。そして、彼女の母親の昔の英語名でもある。
阿成と別れたあと、名前を変えエラと名乗っていた彼女は自分の死の間際,犬を娘に買い与え、イザベラという名を与えた。
(ここからネタバレ)実は阿欣は阿成の娘ではなく、その後つき合った男性との間に出来た子だった。
けれども、彼女は阿欣を産まれて来る事の無かった二人の間の子の代わりに、阿成の娘として育てる事を望んだのだ。
(ネタバレ終了)
その彼女の想いが、二人を結びつけ立ち直らせるきっかけになる。だから,ヒロインはやっぱりイザベラということなのかもしれない。

ああ,あと何を書こうとしてたんだっけ?
そうそう,音楽。まあ賞も貰ってるし,誰もが褒めるので今さら感もありますが,やはり素晴らしかったです。サントラはぜひ欲しいですわ。
それと映像,くすんだ緑と赤のコントラストが美しい。
最初は夜のシーンが多く、二人の関係が深まるにつれ昼のシーンが多くなっていった気がするけど、それは意図的だったのかな?
この映画を見ると無性にマカオに行きたくなりますね。

それにしても、映画祭ではダントツ人気を誇る監督でありながら、今まで一本も作品が一般公開されていないのはどういうわけなんだろうなぁ。
もっとつまんない(何とは言わないが…)作品が公開されているというのに。
そりゃ去年の『AV』みたいなのは,ちょっと難しいと思うけど、これは絶対一般公開いけますよ。
シネマライズあたりの単館でちょっとオサレ系の宣伝で…どうですか?プレノ○アッシュさん。(名指しかよ!)
とか言ってたら、どこかが興味を持っているらしいとの噂を聞きました。買え,買うんだ〜!と念を送っておこう。
ティーチインの様子は稿を改めて。

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イザベラ 伊莎貝拉

いろんなところで評判よいんです。てなわけで、久々の一日二本、観てきました。ま、一時間半の香港映画二本だし、間が3時間近く空くから大丈夫かな、と思って。舞台は1999年、中国返還直前のマカオ。停職中の刑事、馬振成(杜[シ文]澤)はナイトクラブで張碧欣(梁洛施)...

  • [ まてぃの徒然映画+雑記 ] 2009年01月31日 23:06

この記事へのコメント

ワタシも『イザベラ』は久々の快作だと思いました。シリアスでハートウォーミングな作品を撮っても、一筋縄ではいかないっていうのがホーチョンらしさかなって思った次第。

日本公開、是非してほしいですよ!ワタシも念を送ります。ついでにマカオ&ファドブームを作っちゃってもいいし、ポスト王家衛って呼ばれても我慢するから(苦笑)。

1. Posted by もとはし 2006年11月11日 00:04

>もとはしさん
ディテールはまぎれも無く香港映画ですが、久々に香港映画ファンだけじゃなく、一般客にもアピール出来る作品だと思います。
>ポスト王家衛
もう、公開してくれるんなら何でも我慢しますよ。
そのあと『買凶拍人』とか『大丈夫』を公開すれば誰もそんなこと言わなくなるだろうし(笑)

2. Posted by KEI 2006年11月11日 00:46

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