エレクション2

  • author: driftingclouds
  • 2006年11月23日

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黒社会 以和為貴
監督:杜[王其]峰(ジョニー・トー) 2005年 香港
銀河映像、中國星集団、一百年電影

舞台は1から二年後。また会長選挙の時期が巡って来た。
長老たちは、頭も切れ商売の上手いJimmy仔(古天楽/ルイス・クー)を会長に立てようと考えるが、商売第一でやがては足を洗いたいと思っているJimmyにはその気がない。
一方、樂(任達華/サイモン・ヤム)は再選を狙い飛機(張家輝/ニック・チョン)、東莞(林家棟/ラム・カートン)らを使い暗躍を始める。
やがて、公安当局者から「大陸と取引する為には会長になれ」と言われたJimmyが名乗りを上げたことから前回にも増して血で血を洗う残酷な闘いが幕を開ける…

因果は巡る糸車と申しますが、前回、会長の座を勝ち取った樂は今度は追われる立場。
人の良さそうに見えた彼は本性をむき出しにし始めます。
Jimmyは生きていく為にしかたなく黒社会に入ったといい、やがては足を洗って堅気の商売をすることを夢見ています、しかし、その夢の実現の為には黒社会のボスになる必要があるという矛盾した立場に。
1のときは、大Dも樂も昔ながらの黒社会の人間でした。ですから、お互い血を見てもそこは暗黙のルールがあり、落としどころを見極めていたように思われます。
もっとも、最後に樂はそれをぶちこわしにするのですけど。
ところが、Jimmy仔にとってはまず第一が金。
最終目的の為にはルールもへったくれもなく、なりふりかまわない行動に出ます。
彼ほどの頭脳があればもっと他の方法も考えられたのではと思うのですが、身に染み付いた流儀はそう簡単に変えられないということなのでしょうか。

そうやって手を血まみれに(比喩じゃなくて)しながら勝利を勝ちとってみれば、いつのまにかもっと巨大な権力に絡めとられていたという…
Jimmyの慟哭が胸にしみます。

いや、それにしても古天楽はいい役者になりましたね。
あんまりこれといって特徴のない二枚目だった彼の、どこをそんなに杜[王其]峰が気に入ったのか(本物だから?笑)重用されるうちに、それにふさわしい力量がついたみたい。
もっとも、少し前に『POP ASIA』でインタビューを読んで、ああこの人は結構解ってるんだな、と思ってたのでそれほど不思議じゃありませんが。(俳優はどれだけ自分の中に多く引き出しをもっていて、それを出せるかが重要みたいなことを言っていた。たしか)

『以和為貴(和を以て貴しと為す)』という副題はいったい誰と誰の和を指しているのでしょう?

実は、この作品は黒社会の暗闘を描いてるように見えて、香港社会全体の行く末を描こうとしているのではなかろうかと思うのです。
中国返還後、一国二制度のもと、それまでと変わらない自由と繁栄を謳歌しているように見える香港ですが、やはりどこかで大陸の影響を受けずにはいられない。
それはたまにしか訪れない旅行者の私ですら感じるのですから、そこに暮らす人々にとってはもっと切実なんだろうと思います。
Jimmy仔のように、伝統を捨て、いろんなことに目をつぶり、商売第一、金儲け第一と考える人は大勢いて、現に大陸相手のビジネスなしにはもう経済は成り立たなくなっている。
それはある意味仕方の無いことだとしても、自分たち(香港人)はいったいどこへ向かおうとしているのだろうか?
この2部作はそういう杜[王其]峰からの問いかけのように思えるのです。

まあ、このパート2は大陸では公開出来ないでしょうね(ってされてたりして?)

残酷描写がどうやら凄いらしい…と聞いていたので覚悟してましたけど、思ったほどじゃなかったですね。あれだったら『ファーゴ』のほうが…
しかし、帰りに「じゃ、ミートソース食べようか」って言ったら、引かれました。笑

あと書き忘れてることといえば…
よく天林翁と似たような(詰め物はしてると思うけど)スタントの人がいたなぁ。
…てことじゃなくて、張家輝と林家棟の二人も今回は大活躍でした。
この二人はどっちかと言えば古いタイプの黒社会の人間。
鉄砲玉人生を送る張家輝と古天楽の間の奇妙な友情…と呼ぶには微妙な関係。お互い道が交わることはないと判りつつも認めあっているみたいなところはいかにも杜[王其]峰らしいところ。
そして、ヤムヤムに上手いこと利用される小物人生ながら、牛刀もって仁王立ちで漢を見せる林家棟。
あとはやたら金にうるさい殺し屋で鄭浩南(マーク・チェン)
そして林雪(ラム・シュー)はやはり林雪なのであった(爆)

とにかくこれは2まで見ないと意味がない作品ですから、絶対買ってくださいね。
それには1をヒットさせないと!皆さんよろしく!

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