『満城盡帶黄金甲』

  • author: driftingclouds
  • 2007年01月02日




海運戲院のおうごん君タペストリー

監督:張藝謀(チャン・イーモウ) 2006年 中国

そういえば、このブログも4年目、enpituを使っていた時から数えるとなんと6年目突入です。
生来飽きっぽい私が、皆様方からいただく、数々のコメントや何やらのおかげでこんなに永く続けることが出来ました。ありがとうございます。
これからもだらだらと書き続けてみたいと思います。モットーは無理しないこと、です。

というわけで、もうしばらく旅行に関する話題が続きます。
去年、私にとっていちばんの出来事は周杰倫(ジェイ・チョウ)さんのファンになったこと…ていうのもどうなのよ?なお年頃なんですが。
今回の香港旅行の目的の何割かは『満城盡帶黄金甲』を観るためでした。わはは。
香港に到着したその足で真っ先に映画館に行って観たのを始めとして、計3回観てきました。






最初に行ったUA朗豪坊
王宮ものということでちょっと字幕解読に手こずったこともあって、すっきり話が通ったのが3回目だったりして。(汗)

さて、これには原作があります。
曹禺という人の書いた『雷雨』という戯曲です。
中国では大変有名で何度も映画化されており、その中の1作には若き日の李小龍(ブルース・リー)が出ていることでも知られています。
原作は舞台が現代で、とある裕福な一家に48時間の間に起きた悲劇を描いたものです。
先日も北京人民芸術劇院による来日公演があり、私はそれを観に行きました。
なので、人間関係などは、まったく予備知識のない人よりは理解しやすかったかも。

張藝謀は舞台を唐代の王宮に置き換え、さらにストーリーそのものにも少し改編を加えています。

重陽の節句というのは自分や一家の長寿と繁栄を祈る行事で、中国ではこの日はみんなで小高い丘に登り菊の花の酒を飲むという習慣があるそうです。
また、丘に登る際には茱萸(しゅうゆ)という赤い木の実を髪に挿すのだとか。

大王(周潤發/チョウ・ユンファ)は王位に就くために、前王の娘(鞏俐/コン・リー)を娶りましたが、実はその前に妻があり、その前妻との間に生まれたのが長男の元祥(劉[火華]/リウ・イエ)です。
大王と王后の間には次男の元杰(周杰倫/ジェイ・チョウ)と三男(役名失念…すまぬ)(秦俊杰)がいます。
血のつながらない親子である元祥と王后は以前、不倫の関係にあったのですが、現在では元祥は王のお抱え医師の娘である侍女、小嬋(李曼)と愛し合っています。
二人の関係を知った大王は王后に少しづつ毒を呑ませ、殺害しようとしています。
そして、辺境の地へ軍と共に赴任していた元杰が、三年ぶりに王宮へ戻って来る、重陽の節句の前日から物語は始まります…

さて、どうやら日本でも夏公開らしい、との噂ですのでストーリーはこのぐらいで。
これだけ書いただけでもドロドロですが。
誰も彼もが満たされない愛情と、昏い欲望とつらい過去につき動かされており、それが一気に噴出して悲劇に向かう、それを前述のような日である重陽に持ってきたところは藝謀の上手さだと思います。
劇中で大王が「我ら王族は皆の手本にならなければな」と嫌みをいうところがありますが、既に崩壊している関係を人前で取り繕わなければならない、その皮肉さが際立って見えるところです。
ただ、やや人物の掘り下げが浅く、その人物がなぜそうしたのか、が判りづらい部分もあるように見受けられたのは残念。
ユンファ(今回は悪役に徹しててこわひ…)の貫禄と鞏俐、劉[火華]の上手さで押し切ってしまった感もあります。

さて、ジェイですが…はっきり言ってかなりのひいき目が入っていることは認めます。
認めますけど…良かったと思います。よく頑張ったね〜、と褒めてあげたい気分。
初めて見た時は、あいや〜〜〜!と思った衣装も、動いたらなかなかカッコ良いではないですか。
そりゃ、演技の面では他のキャストに比べれば見劣りがするのはしょうがないし…台詞もやっぱりちょっとなまってるし…アクションだってハラハラするし…(汗)
でも、ジェイの演じた杰王子は王宮の外に三年も居たという設定のため、ドロドロした人間関係のことも何も知らず、巻き込まれても居ません。
彼を突き動かすのは「愛する母を救いたい」というただ一点だけ。
それは母親想いのジェイ本人の性格と通じるものがあり、すっと胸に入ってきました。
出番はそれほど多くないですが、彼の真っ直ぐさは観た人の心に残るのではないでしょうか。
実をいうと、観る前にうっかり中華サイトで最後に杰王子がどうなるかを知ってしまった(なぜ機械翻訳はそういうとこに限って正確なのだろう…)のですが、思っていたのとは違っていました。
思っていたのより、さらに悲しいの…
物語が終わり、「菊花台」が流れて改めてその歌詞の意味を想ったら…もう泣くしかないですよ。

え〜と、そこで感動的に終われば良いものを、どうしてもツッコミの虫が抑えられなくて…
・やっぱり寄せて上げすぎだと思う。
・金色だけならともかく、ショッキングピンクや紫は目がちかちかする。
・あの黒づくめの集団は、忍者というか”ショッカー”に見える。(爆)
・副題をつけるなら『三男坊は見た!(市原悦子風)』だ
・あの花火と歌はいかがなものか。北京五輪のリハーサルか?(失笑)
・いくら甘栗むいちゃい隊が安く使えるからといって、大掛かりにしすぎである。
・ちょっと音楽(梅林茂)がうるさい。
あれ………………(汗)、もうこの辺でやめておこう…

そうそう、これから香港に行って映画を観ようと思っている方々。
そこで観る観ないに関わらずパレスIFCには行ってください。
なぜなら、映画で使われた衣装が展示されているから。



杰王子の衣装もあるよ。残念ながら、黄金鎧じゃないけどね。
とかいってもう終わってたらゴメンなさいですけど。

街で見かけた他のおうごん君はアルバムで。

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この記事へのコメント

なんて充実したレビュウ。新年にKEIさんからお年玉をいただいた気分でございますよ!
というわけで、今年もどうぞよろしくお願いします。

ジェイに関しては、褒めてあげたい気分なのですね。
ってことは安心して劇場に行けますね。
早く日本で公開を〜〜!

でもって、やっぱり寄せて上げすぎでしたか(笑)。ああ、やっぱりねえ...。

1. Posted by rivarisaia 2007年01月03日 01:48

>rivarisaiaさん
こちらこそ今年もどうぞよろしくお願いします。

日本でも買い付けされてるらしい、でもって夏公開らしい、と、まだあくまで噂ですが。
今度は主題歌差し替えはありえない…はず。
>寄せて上げすぎ
女の私でも気になって気になって…

2. Posted by KEI 2007年01月03日 19:46

買い付けしたところが”・・・again”だからなぁ。。

私の友人も「チチばかりに目が・・」と言っていましたので、覚悟してみにいってきます!
(過ぎたるは 及ばざるが如しやな!)

3. Posted by XJ 2007年01月05日 14:11

>XJさん
今頃は台北でご覧になっているのかしらん。

>買い付けしたところ
あよ?またあそこなんですか…
でもまさか、今度はあり得ない……よね。
>チチ
シリアスなシーンでも「姐さん、チチが!チチが!こぼれそうやがな〜」……と。

4. Posted by KEI 2007年01月05日 23:46

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