『傷城』

  • author: driftingclouds
  • 2007年01月06日



旺角の巨大看板。

監督:劉偉強(アンドリュー・ラウ)・麥兆輝(アラン・マック) 2006年 香港

『黄金甲』を観るのが目的なら、なんで台湾に行かないの?と思うかもしれません。
その理由がこれです。
実を言えば私、梁朝偉(トニー・レオン)のファンでもあるので(はなはだいい加減なファンではありますが)どうせなら同時期にやっている『傷城』も観たいよね〜台湾だと北京語に吹き替えられちゃうしな〜やっぱり香港だ!ということになったわけです。

劉偉強&麥兆輝とトニーといえば、『無間道』で私を香港映画迷に引き戻した組み合わせであります。
だから、最初に見るのはここにしようと決めていました。
尖沙咀の嘉禾港威、そう『無間道』でヤンとラウがあわや…というニアミスをするあの映画館です。



残念ながら部屋は違ってましたけど。

映画は三年前のクリスマスから始まります。
多くの人で賑わう中環のバーで、刑事の劉正熙(梁 朝偉)と丘建邦(金城武)がウイスキーを前にこんな会話を交わします。
「なぜ人は酒を飲むと思う?」「さあ?」「つらいことを忘れるためさ」
その後、ある事があって建邦は警察を辞め、私立探偵となり酒浸りの日々を送っています。
バドガールならぬサンミゲールガール(今回のスポンサー)の細鳳(舒淇/スー・チー)とは、恋人未満の微妙な関係。
正熙は周淑珍(徐静蕾/シュー・ジンレイ)と結婚したばかり。
幸せな日々を送っていますが、ある凄惨な事件が起こります。しかも、その犯人は…

う〜、これはネタバレせずに語るのが難しい映画だわ…
トニーが初の悪役(あれ?『ロンゲストナイト』は?)を演じることで話題になったのですが、う〜ん、これを悪役というのだろうか?
いや、確かにやってることだけ見れば極悪非道なのですがね…

観客には正熙がそれをやったことは初めから知らされており、物語が進むに従って、彼がなぜそのような行為をしたのかが明かされていくことになります。
それは過去のつらい出来事。一人の人間の人生を根本から変えてしまうような深い深い傷。

一方、それを追う立場の建邦も心に深い傷を負っています。
酒を飲まなかった彼を酒浸りに変えるような三年前の出来事。
そのために細鳳との関係も踏み出すことが出来ず、破綻しかかっています。

傷を負った二人の男は、一方はその痛みの中で道を見失っていきますが、もう一人は道の果てに希望を見出します。
その違いはどこにあったのか…戻れない道を歩まざるを得なかった男の哀しみが胸に刺さります。

日本でもそれほど待たずに見られるようなので、なるべく細部を省いて書いてみましたが、難しいな〜
でもね、これは2度目に見た方が感慨が深かったです。
すべてを知ってから見ると、トニーのほんとにちょっとした表情や仕草の中に、内に秘めた感情があらわれているのがよ〜くわかります。
あ〜あ、また金像奬にラウちんの目はないかな…と、ため息が出るくらい、やっぱり上手いんだよね…

金城くんも良かったな。ちょっとアル中の演技はわざとらし…だったけど、あんな風に女の子に甘えられる男が似合う人はそうはいないわね。
その辺が一人にお酒飲んで抱え込んじゃうトニーとの違いか(役と本人を混同しています)
静かな中に確固たる意志を感じさせる徐静蕾と、ふにゃっとしているようで芯の強い舒淇。
特に舒淇ちゃんの明るさは、全体に重苦しいこの映画の救いになってる。

これって日本で上映される国際版は日本のあの人が歌うらしいけど…(エ○ベックスは出資者に名を連ねているし)似合わん!絶対にイメージじゃない。
そういう金出したんだから歌はうちの鮎で…とかいう商法やめようよ。下○だと思うよ。
どうせ香港じゃ誰も聴いてない主題歌なんだけどさ…

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傷城(トニー・レオン、金城武)

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  • [ It's a Wonderful Life ] 2007年03月03日 11:01

この記事へのコメント

残念ながらラウチン、またも天敵が現れたようですね、鎮宇もですが。

上映館が増えているようです。
旺角の映画館という映画館、皆やってました。

で、客に絡まれたスーチーを助けようとした
金城君に加勢して、嬉々としてイスを振り上げるお茶目なトニーの姿が忘れられません。

年齢相応のオトナのトニー、素敵でしたね。


1. Posted by 多謝。 2007年01月06日 17:38

>多謝。さん
香港に行かれていたのですね。すれ違い?

もうトニーさんは殿堂入りとかにしてもらって、ノミネートされないようにしていただかないと他にチャンスが回って来ない気がするわ…
作品も、クリスマスの大作と二週間打ち切りじゃな〜

2. Posted by KEI 2007年01月06日 23:53

こんにちわ!TBさせていただきました^^
「無間道」とはタイプの違うサスペンスで
やっぱり物語の作り方上手いなぁって
思いながら観てました。
スー・チーとチャップマン・トウの出る場面は
重い映画でしたけど、ほっとできる場面で
したね〜^^
香港でご覧になったとはうらやましいです!

3. Posted by kazupon 2007年03月03日 11:05

>kazuponさん
TB&コメントありがとうございます。
よく比較されますが、『無間道』とはまったく違うタイプの作品ですよね。
しかし、どちらの作品も人物の掘り下げ方に深みがあり、いい映画だと思います。
ちなみに、香港人はチャッピーが出て来ただけで笑ってました。(爆)

4. Posted by KEI 2007年03月04日 01:48

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