愛されるために、ここにいる

  • author: driftingclouds
  • 2007年01月23日

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Je Ne Suis Pas La Pour Etre Aime
監督:ステファン・ブリゼ 2005 フランス

ん〜、今回はややネタバレ気味かも。
ていうか、しばらく書かなかったらますます感想が書けなくなってるよ…

主人公のジャン=クロード(パトリック・シェネ)は、貧乏人を家から追い立てるような仕事にも、会えば文句ばかり言う父親や、離れて暮らしていてどう接したらいいかわからない息子との関係にも疲れ果てていた。
ある日、医者から運動を勧められた彼は思いきって、自宅兼仕事場の窓からいつも見えるタンゴ教室に通うことにする。
そこで彼はフランソワーズ(アンヌ・コンシニ)という女性と出会う。
レッスンを重ねる度に、お互いに惹かれるものを感じるようになる二人。だが、彼女には婚約者がいて…

人生に疲れ果てた中年男として登場するジャン=クロードはもちろんなのだが、フランソワーズの方も結婚を間近に控えているというのにちっとも幸福そうに見えないの。
そもそも、婚約者と結婚式で踊るためにタンゴを習い始めたのに、小説家らしい男の方は自分の作品のことで頭がいっぱいで彼女のことはほったらかしだし。
それなのに、式の準備だけはどんどん進んでいって、でもいちばん張り切っているのは彼女の母親で、彼女は自分の意見を言えず、当事者なのに蚊帳の外みたいに見える。
ジャン=クロードもフランソワーズも、口べたで自分の思うことを相手に上手く伝えられないタイプ。
二人はほとんど会話を交わさない、だけどもダンスの間に流れる空気でお互いに心が通じ会っているのを感じることが出来る。
彼らの感情を代弁するかのようにタンゴのメロディが流れる。
タンゴというと情熱的なイメージだけど、ここではそればかりではなく静かだったり悲しげだったり…ととても感情豊か。
この音楽の使い方が素晴らしく、ある意味、主役と言ってもいいくらい。

だけど…その口べたが災いして誤解を生んでしまったとき…二人ともなす術を見失ってしまう。
口に出さなくてもわかりあえると思っていたから、そうではなかったと知った時にどうしたらいいのかわからなくなってしまう。

その前にジャン=クロードは父親との間にも同じようなことをしてしまっているのよね。
彼は子供の頃に父親から愛されなかったと思っていて、ふとしたはずみで怒りを現在の父に対してぶつけてしまう。
その直後に父親は亡くなってしまうのだけど、その遺品を整理していたジャン=クロードが見つけたものは…

そして、古くから彼の秘書をしている女性からアドバイスが。
実は彼女も同じようなタイプだったのね。過去の苦い経験から的確な助言をくれる。

思いを口に出さなくてもわかりあえる、そんな人に出会えたら幸せ。
でも、思いを伝えなければ、そういう人には出会えない。

私、フランス語はさっぱりですが、原題を直訳すると「愛されるためにここにいるのではない」という日本語タイトルとはまったく逆の意味になるのだとか。
確かに、”愛されるため”ではなく“愛するために”ここにいる、のだね。

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mini review 07079「愛されるために、ここにいる」★★★★★★★☆☆☆

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  • [ サーカスな日々 ] 2007年11月07日 02:28

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