パラダイス・ナウ

  • author: driftingclouds
  • 2007年05月05日

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Paradise Now
監督:ハニ・ハブ・アサド 2005 パレスチナ=フランス=ドイツ=オランダ=イスラエル

イスラエル占領下ヨルダン川西岸地区の町ナブルスに暮らす若者サイードとハーレド。
彼らが自爆攻撃に向かうまでの48時間の物語。

欧米で、この映画が衝撃と戸惑いを持って受け止められたというのは、彼らも同じ人間である、という当たり前だけど忘れがちなことを思い出させたからなのではないでしょうか。
すくなくとも、この映画の彼らは顔の無い狂信的テロリストじゃない。
閉塞した日常にうんざりしながらも、家族を愛し、知り合った女の子にほのかに心惹かれたりもするごく普通の若者たちです。

しかし、彼らの置かれている社会は自由も無く、未来に対する希望も無く荒廃しきっています。
それは後半、彼らが送り込まれるイスラエルの都市の発展ぶりとの対比で一層際立って見えます。
圧倒的な財力と軍事力(そもそもパレスチナには軍隊というものが無い)で支配しようとするイスラエルに対抗するのに、自爆、という手段を使わざるを得ないということが否応無しに感じられて、やるせない気持ちになります。

もちろん、それでもやはり自爆攻撃というのは許されるべきではない、と私は思います。
しかし、憎むべきは行為そのもの、彼らをそのような行為に駆り立てる世界であり、自爆攻撃をする方もされる方も等しく被害者なのではないだろうかと思うのです。
未来があるはずの若者が、自らの意志で自分の命を投げ出すことを選択する。
その重さをどう受け止めていいのか、考えています。

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