あるスキャンダルの覚え書き

  • author: driftingclouds
  • 2007年06月21日

Note on a Scandal
監督:リチャード・エアー 2006 イギリス

これがあの事件を元にしたものだったとは、全然気がつかなかった。
事件そのものを描くのではなく、そこに関わった二人の女を通して、孤独や秘めた欲望についての映画に仕立て上げた、と言う発想は素晴らしいと思う。
ただ、題材も役者も良いのに、料理の仕方は今ひとつ…なのが残念。

見どころは二人の女優の演技、なのかしらね。
二人とも上手い女優さんだから、それなりに説得力はあるんだけど、そもそもちょっとミスキャストかな〜と思ったり。

バーバラ(ジュディ・デンチ)は同性愛者じゃなくて、思春期の女の子同士によくある、トイレから何から一緒っていうべったりした人間関係を求めてるんだと思う。
あの日記に星を貼ったりする子供っぽさも、その現れでしょう。

ジュディ・デンチは上手いけれど、なんというか、そういう子供っぽい欲望が裡にあるようにはあまり見えなくて、理路整然としているのに狂っている、みたいな怖さが今ひとつ感じられなかった。
それはケイト・ブランシェットの方も同じで、あういう風に成りゆき任せで欲望のままに突っ走るような隙だらけの女に見えないんだよな〜

それは演出にも問題があって、バーバラを異常な人間として突き放すのか、それともそうまでして人との繋がりを求めてしまう人間の哀れさを描こうというのか、が今ひとつ見えてこない。
シーバ(ケイト・ブランシェット)のほうも、現在の生活に満足していないというのは、バーバラが勝手な思い込みで書いている日記の中だけの描写で、彼女が15才の少年に走る行為そのものにまったく説得力が無い。
ただ単に、バーバラにつけ込ませる材料として無理矢理作った事件にしか見えないのだ。
ラストもとってつけたようで、なんだか三文ホラーみたい…

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