そして、私たちは愛に帰る

  • author: driftingclouds
  • 2009年01月27日

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Auf Der Anderen Seite/The Edge of Heaven
監督:ファティ・アキン 2007 ドイツ=トルコ

大学で教鞭をとるネジャット(バーキ・ダヴラク)、父アリ(トゥンジェル・クルティズ)は移民としてドイツに渡ってきたトルコ人で、母親が早くに亡くなったために男手一つでネジャットを育ててきた。
だが、ドイツで教育を受けたネジャットは、父親との考え方の違いに違和感を感じている。
アリは町で出会ったトルコ人の娼婦イェテルが気に入り、お金を払って一緒に暮らすことにする。
父の行動が理解できず戸惑うネジャットだが、トルコにいる娘に教育を受けさせるため仕送りしているという彼女には好感を持つ。
だが、アリと喧嘩になり転んだイェテルは、打ち所が悪くあっけなく死んでしまう。
トルコに渡り、イェテルの娘を捜そうとするネジャット、そのころ、イェテルの娘アイテン(ヌルギュル・イェシルチャイ)は、反政府活動のため、ドイツに密入国していた。
アイテンは大学生のロッテ(パトリシア・ジオクロースカ)という娘と知り合う。
ロッテの母親スザンヌ(ハンナ・シグラ)はアイテンのことを快く思わないが、二人は急速に強い絆で結ばれていく。
だがアイテンは密入国がばれてトルコに強制送還、彼女を追ってトルコに渡ったロッテは刑務所に入れられたアイテンを救い出そうとするのだが…

親と子、トルコとドイツ、2つの世代、2つの文化、3組の親子を2つのあっけない、そう、あまりにもあっけない死が結びつける。
映画の中で、出会うべき人がなかなか出会わない(そして、それは最後まで果たされる事がない)事に、少々苛立ちつつ(私もハリウッド映画の作法に毒されているなぁ)、別の人物たちが出会い、生み出される感情に心揺り動かされた。
三部構成の物語の中で、一番接点を持ち得なかったネジャットとスザンヌがある死をきっかけに出会い、そして、ネジャットはスザンヌの行動を通して、父が自分に注いだ深い愛情に気がつく事になるのだ。
近しい分だけ、いったん離れてしまった親子の気持ちを繋ぐのは難しい。
それを繋いでくれるのは、他の親の大きな愛だということなのだろう。

前作の『愛より強く』とうってかわって、静かだが、人の心に深く沁み入るような語り口が印象的だった。

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そして、私たちは愛に帰る AUFDERANDERENSEITE

2007年カンヌ映画祭で最優秀脚本賞を受賞した作品。「イェテリの死」「ロッテの死」「天国のほとりで」の3部構成で、アリとネジャット、イェテリとアイテン、ロッテとスザンヌの3組の親子の物語をドイツとトルコの2ヶ国にわたって繰り広げる。さすが脚本賞!の素晴らしい...

  • [ まてぃの徒然映画+雑記 ] 2009年01月28日 21:20

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