大丈夫(大丈夫)

  • author: driftingclouds
  • 2004年10月31日

daijoubu

今回のアジアの風で大フューチャーされていた香港の新鋭監督、彭浩翔(パン・ホーチョン)
彼の長編第2作。

妻の留守中に女遊びをしようとする4人の男たち、しかし、妻たちが予定より早く帰って来てしまい…
と、ストーリーだけならありふれたもののように見えるのですが、じつはこれ、全編が黒社会映画(いわゆる香港ノワール)のパロディとして作られているのです。

4人のリーダー格のティン(曾 志偉 エリック・ツァン)は無間道を彷彿とさせる役柄で、そのまんまなパロディもやってます。こういう本人が本人の役をパロデイにするってのは、いかにも香港映画らしいですな。
医者のチョン(陳小春 チャン・シウチョン)はいかにもエリートという感じで、ちょっとクールな感じ。
お調子者のチャオ(とパンフには書いてあるが映画中では阿嬌 アキウと字幕が出ていたような)に杜[シ文]澤(チャップマン・トー)こっちも無間道での役柄(キョン)をなぞったような役。
それに大陸からやって来たポール(スプリット・ブルー、ってそれ名前なのか?)
そして、かつて仲間をかばって犠牲となり今は自宅軟禁で廃人同様の生活を送るガウソに梁家輝(レオン・カーフェイ 英名トニー・レオンだけど梁朝偉(Tony Leung Chiu-wai)じゃないぞ〜公式のくせに間違えるなよ)出番は少ないながら、大変おいしい役で今年の金像賞助演男優賞を受賞してます。


対する女優陣は毛舜[竹/均](テレサ・モウ)、廬巧音(キャンディ・ロー)、李蘢怡(ティファニー・リー)、マーシャ・ユエン、それにガウソの妻に呉君如(サンドラ・ン)
そして、あちこちに出てくるゲストもかなり豪華(私が気がつかなかった人も大勢いる模様)なメンバーでこれは有望な新人をもり立てようと言うみんなの親心?なのかしらん。

すごくバカバカしいことを真剣にやると猛烈におかしくなる、ということをこの若い(31歳)監督はよく解っているようです。
最初に書いた通り、のっけから無間道を思わせるエリックさんの演説で始まり、男たちの熱い友情、あるいは裏切り者がいるのでは?と疑心暗鬼になる様子、妻たちとの攻防戦と全編がまるっきりノワールもののノリで描かれていて大笑いです。
特におかしかったのが、あるところで流れる紅花会の歌(書剣恩仇録の主題歌)とビルの裏口でのカメラマンとの攻防(まんま銃撃戦)でしょうか。
最後の脱出方法も笑えました(アレ持ってってやれよ〜)

あと、オープニングタイトルはなぜかカイル・クーパー風(笑)こういうものに凝るのは香港映画では珍しいのでは?

結局のところ、お互いにそれなりにだましあいながらやっていくのが夫婦ってもんなのよ(知らんけど)なんてな。

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この記事へのコメント

この映画ですが、かなり前に上海で大笑いしながら見たことがあり、「あれは一体何の映画だったんだろう...」とすごく気になっていました。タイトルも忘れてしまったし、内容もうろ覚えだったのですが、KEIさんの記事で記憶が蘇ってきました! もう1回観たいなあ。

1. Posted by rivarisaia 2006年06月16日 02:24

rivarisaiaさん、こんにちは。
面白いですよね、この映画。
彭浩翔はそろそろ一般公開されてもいいんじゃないかと思ってるんですけど、なかなか来ませんね。『伊莎貝拉』はどうかな〜
これが気に入ったなら『買凶拍人』もオススメです。

2. Posted by KEI 2006年06月17日 00:20

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