2046

  • author: driftingclouds
  • 2004年11月15日

『花様年華』は観なくてもいいのかというと、やっぱり出来れば観ておいた方がいい。
観てないから理解できないってわけでもないんだけど、まあ、監督のいろんな仕掛けにはまるってのも映画の楽しみの一つではあるのだしね。

一言で言うなら『失った恋の記憶と、痛みについての物語』
一生ものの恋を失い、そのあと出会った、同じ痛みを抱えていそうな女性(鞏 俐 コン・リー)にも、その痛み故に去られて、すっかりグレてしまった周慕雲(チャウ・モウワン/ 梁朝偉トニー・レオン)さんは、もう誰にも本気にならない、本気にならなければもう傷つくことも無いんだからと女から女へ渡り歩き、見せかけの恋愛ゲームに戯れる。
そんなろくでもない男に成り下がってしまった周さんに、遊びのつもりが本気になり、報われぬ恋に身を焦がす白玲(バイ・リン /章小恰 チャン・ツィイー)

トニーさんの眼力攻撃にくらくらしながらも、『ああ、こういう男に惚れてしまったらおしまいよね。可愛そうに』と白玲ちゃんに感情移入。
絶対に幸福になんかなれないと判ってたって、感情ってものは止めようが無いんのよね、精一杯虚勢を張って、耐えきれずに崩れてしまう白玲ちゃんが痛々しいわぁ。
章小恰、いつもの綺麗綺麗なツィイーたんと違って、今回初めて生身の血の通った女に見えました。

どんなに傷つこうとも、たくましく前を向いていくミミ(劉嘉玲 カリーナ・ラウ 彼女の登場シーンで『欲望の翼』と同じ音楽が流れたのにはキュンとしてしまったよ)
あるいは、周さんには見向きもせずに一心に日本の恋人のことを想い続けたジンウェン(王 菲 フェイ・ウォン 結局彼女だけが幸せを掴む)
周さんが小説に登場させる女性がこの二人なのは、必然だったのでしょう。

出会っては去っていく女性たちの中心で、周さんは秘密を抱えたまま一人変わることが出来ずにいます。
穴へ閉じ込めた秘密は他人へ漏れることは無いかもしれないけれど、ただひとり、自分自身だけはその秘密を知っている、それに気がついているのか、いないのか。
「キミニオシエタイヒミツガアルンダ、ボクトイッショニイカナイカ」
しかし、肝心なところでやはり飲み込まれた言葉とともに周さんはこれからも彷徨い続けるのでしょう。

俳優について、
トニーさんにはほんとお腹いっぱい。眼神ぶりを堪能させていただきました。
エロくは無かったですが。
張 震くんの出番、覚悟はしてたけど少ないね〜、しかし”バード”トンチャイやドン・ジエ(彼女のシーンはいっそ無い方が)の扱いに比べれば…

そして、あの人についても一言。
見かけ上は意外と映画の世界に違和感無くとけ込んでいるように見えたけど(さすがはクリストファー・ドイル)、ああいう喋りかたは日本のテレビでしか通用しないってことを誰か教えてくれなかったんだろうか?
私、日本語の台詞が出てくるたびに『ああ、これが吹替えだったなら!』とため息つきました。

私は王 家衛(ウォン・カーワイ)の熱烈なファンでもなく、正直言えばちょっとマンネリじゃないの?という気も無きにしもあらずなんだけど、当初の予定では近未来SFのはずだったかもしれないこれとか、後に『射[周鳥]英雄伝』を読んで、この物語からいったいどうやったらあんな話が?(いくら若い時の話とはいえ)と愕然とした『楽園の瑕』とかを見るにつけ、三つ子の魂百までというか、もうなんか参りましたって感じがしてきましたわ。

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「2046」劇場にて

昨日に引き続き、ファボーレTOHOで『2046』を観てきました。 監督は「ウォン・カーウァイ」、主演は「トニー・レオン」、共演は「チャン・ツィイー」「コン・リー」「フェイ・ウォン」「カリーナ・ラウ」「チャン・チェン」そして「マギー・チャン」・・・忘れてました&「

  • [ xina-shinのぷちシネマレビュー? ] 2004年11月16日 22:19

この記事へのコメント

あ〜あ、なんか苦労したわりにはまとまりの無い文章になっちまったよ。
と、人に言われる前に自分で言い訳してみたりして。

1. Posted by KEI 2004年11月15日 01:52

花様年華はみたほうがいいですね。

ウォンの作品はかなりいい感じですね。

ただ、日本の映画よりずっとお金かけているのも事実だったりします。

私も見習いたいですが・・・。

それと私のサイトにコメントいただけると嬉しいです。

サイトはトラックバックしておきますのでよろしくお願いします。

2. Posted by 映画監督志望の助監督 2004年11月15日 09:51

只今見損ね中の「2046」ですが、先日WOWOWでチビっと観た「花様年華」のトニー・レオン演じる新聞記者が宿泊してたホテルの号室が2046だったですね。つ、つながってるんですねー。

んな事より、ホンとは早くトニーさんの眼力に御目文字したい今日この頃です。
(しょーもない書き込みですみません)

3. Posted by わし 2004年11月17日 00:11

>わしさん

そうなんですよ。
周慕雲という役名は『花様年華』でのトニーさんの役名と同じです。
つまり、同じ人物(キャラがだいぶ違いますが…)なんですよ〜
トニーさんの眼力はもうこれでもかってほど堪能できますから、お楽しみに〜

4. Posted by KEI 2004年11月17日 22:46

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