タンデム

  • author: driftingclouds
  • 2009年12月19日

Tandem
監督:パトリス・ルコント 1987 フランス

たまには映画の感想書きますよ。と、言っても最近の映画じゃないですが。
Twitterで田辺誠一さんが最愛の映画と言い、ちょうどシネフィル・イマジカで放送されたのでいい機会だからご紹介。

ラジオで20年以上も続くクイズ番組の司会をしているミシェル・モルテす(ジャン・ロシュフォール)
かつては全国的な人気を誇った番組も盛りを過ぎ、ディレクター兼マネージャーのリヴト(ジェラール・ジュニョー)とともに、地方から地方へのドサ廻りの日々。
それでも気位だけは高いモルテスのわがままに耐え、尽くすリヴトだったが、ある日局から番組の打ち切りを言い渡されてしまう・・・

登場人物は、ほぼこのしょぼくれた二人のおっさんだけだし、オサレなフランスのイメージとは程遠いど田舎の風景しか出てこないし、「髪結いの亭主」のヒットがなければ、絶対未公開で終わっただろうと思われる映画。
ですが、未だにこれが私にとってのパトリス・ルコントのベスト。
たしか、公開時の上映館は“銀座シネパトス”だったといえば、なんとなく納得?

最初のうちは尊大で嫌味な男にしか見えないモルテスなんだけど、彼だって状況の変化に気づいていないわけではない。
公開番組の客はもうほんとにしょうもない連中ばっかり。
ある程度の年齢の人には『まあ、あのモルテスさんなの』と言ってもらえるけど、若者からは『へ〜あの番組まだ続いてたんだ』と言われてしまう。
それでも精一杯虚勢をはって、はって・・でも実は持病もあるし、自分の限界も見えている、いっぱいいっぱいな姿が哀しくも可愛らしく見えてくる。
ほんに、ジャン・ロシュフォール名演でございます。

リヴトの方は、長年モルテスのわがままに振り回されてきてうんざりしてるんだから、打ち切りの話も喜ぶのかと思いきや、そのことを彼に知らせないように必死になる。
長いこと一緒にやってきた相棒だから、そう簡単に見捨てられないというのか、それとも別の気持ち?なんて邪推したくなるくらい、一生懸命なんだよねぇ。

とうとう番組が打切りになっても、リヴトは偽番組を作ってまでそのことを知らせないようにする。
ところが、モルテスはとっくに打ち切りのことを知っていて、番組をめちゃめちゃにした挙句、失踪してしまう。

でもね、ここからがいいところなんですのよ、奥さん!(誰?)

ネタバレになるからあんまり書けないですが(もうかなり書いちゃったけどさ)なんかね、ぎりぎりのところでお互いを必要とする関係っていいな、と、特に恋愛がらみじゃなくてね、男同士の友情だからこそ余計に沁みるっていうんですかね、なんとも言いがたい深い余韻が残る映画でございますわ。

DVDは大昔に出ていたけど、とっくに廃盤。
レンタルビデオがもしかしたら棚の片隅にあるかも、てな状況ではありますが、今月あと2回、シネフィル・イマジカで放送があります。

映画の全編に流れる哀愁を帯びた曲もいいのです。
フランスでは、今でもスタンダードとして歌われているとか。
オリジナルの曲を貼っときます。(映画のシーンもちょっと観られます)