どくだみの花ざかりの君たちへこのターンX凄いよぉ!

2008年01月21日

ロボ竣公

この映画を作ったのは誰だぁっ!(暖簾をかきわけながら怒りの形相で挨拶)
貴様か!貴様は出て行け!御御Tです。

えぇ、絶対に面白くないと聞かされながらも、ついつい観に行っちゃったんですよ。魍魎の匣
いやぁ、どこで聞いても評判が悪いから、正直あんまり期待してなかったんですけどね。
その予想は裏切られましたよ。いやはや面目ない。

評判が悪いなんてもんじゃない。もっとおぞましい完成度だったんですよ。
以下、一応ネタバレっていうか、たぶん小説版の核心にも触れるんで、続きシステムで。
そしてさらに一言。

前回より長ぇし、後味が悪い。

・・・おや。これを開いたっていうことは、ちゃんと魍魎の匣はお読みになってますね?
横着せずにちゃんと「姑獲鳥の夏」から読まなきゃダメですよ。たとえそれがFF3の学者の武器って言われても信頼できるサイズの文庫2冊でも。
というわけで、読んでるという前提で早速愚痴から。
もう正直、悪い点をあげると小一時間は余裕でイケますよ。

まず、全編中国ロケで戦後すぐの雰囲気を出すことに成功という前フリは実に良いものの、実際見てみると日本でないことは確実に理解できるほどの異次元終戦直後日本以外のなにものでもないですよ。
しいて言うなら、NHKドキュメントで見るパンダのいる自然保護区・・・あ、中国じゃないか。
ということで、全員見事にキャラ崩壊している主要キャラが、どこかの中国を日本と言い張って行動するステキなドラマなんですよ。アラヤダ!これはなんの冗談!?
キャラクターですらこうなので、肝心のストーリーたるや、もはや3周ぐらいして笑える始末。面白くない芸人が出てきたときに出るあの感じね。
マ、確かにあの分量の小説を2時間強で作るならムリは当然出てきます。一部オリジナルでもいい演出はあったしね。じゃ、ストーリー総ざらいいってみようか。

オープニングは戦争風景。榎さんが戦時中にどこかの島をさまよっていると、そこで半死半生の兵隊を発見し、助け出します。男の名は久保竣公。
ここのエピソードは、まぁまぁ面白いなと思いましたよ。ここで久保を助けたことで、どのようにして物語が進んでいくものか、当方はちょっとワクワクしたものです。以上でいいところが全部終了するなんて思ってもみなかったから。
ていうか今になって考えてみれば、榎さんは海軍将校なのに、なんで島をさ迷ってたのかしら。
まぁそこは榎さんだからという可能性もあるし、よしとしますかね。
で、照明弾の光をマトモに見てしまった榎さんは左目の視力をほとんど失い、代わりに相手の記憶を見る能力を得ました。そこで久保を見ると、久保の記憶には匣に入った女・・・って待て待て待てぇい!
久保が原作でそれを見るのは物語の途中ですよ!なに先走って戦時中にそんなもの見てるんですか!
それを見たことによって、魍魎の匣の話は最悪の展開を迎えることになるのが面白いんじゃないか、と思う当方を置いて、その記憶がどれだけステキだったかを語る久保。榎さんは途中で話を無視して寝てましたが、当方もだいぶ寝たくなりましたよ。えぇ本当に。

話は戦後数年まで飛んで、榎さんはすでに探偵になっています。
映画会社の社長に呼ばれて、撮影所に出向きました。
社長は、自分の会社の売れっ子女優・柚木陽子が悩みを抱えて女優をやっていないという話をし、その女優の問題を解決してほしいと依頼しました。そして陽子と会う榎さん。会う前に社長に、「絶対に惚れるなよ」と釘を刺されるほどの絶世の美女、振り向いた彼女を演じるのは黒木瞳!
・・・美人といえば美人だけどもさ、絶世?
なんだか誰もが振り向く学園のアイドルにキルスティン・ダンストが起用されているようなそこはかとない疑問を感じながら、話を聞くと、どうやら心配なのは娘・加菜子のことだそうで。
どこかの余命いくばくもない財閥の社長との間の子らしいですが、遺産が加菜子に全部渡る可能性が出てきたので、娘が財閥の社長の親族が雇ったイヤな弁護士に保護の名目でどこかに連れ出されて大変という話です。
当方の知ってる原作だと、陽子の年齢を絶世の美女に下げるために、陽子と加菜子は姉妹だったはずで、娘というのは中盤明らかになるんですが、まぁこれは話をはしょるためにしょうがない変更かなと思います。どうせ誰がやったって絶世の美女なんてどうにもならんしね。
早速弁護士の増岡のもとを尋ねるふたり。増岡は知らぬ存ぜぬを通しますが、榎さんにはその先が見えています。増岡の実家に加菜子がいると知った榎さんは、早速実家のある八王子に向かいます。なお、原作ではこの後もずっと出てくる増岡ですが、映画ではここで出番終了です。正直、いる必要を一切感じさせない新鮮なやり方です。
八王子に行ってみると、そこには加菜子と陽子のお目付け役として、財閥から派遣された雨宮という男が何かを探していました。
話を聞くと、せっかくここまで探しにきた加菜子は、友達の頼子とどこかへ逃げたとのこと。
そういう行動をさせないためのお目付け役だと思うのですが、そこは雨宮くん。無能ゆえに会社命令で柚木親子の生活の世話を数年もしていた男は一味違います。
そういうわけで、加菜子を探す3人。しかし、結局加菜子はその後、電車に轢かれて無残な状態で発見されます。
そして、手術の結果がだいぶ難しいと知った陽子は、知り合いの名医のいる病院・・・というか研究所に加奈子を移送することにします。その研究所の名前は美馬坂研究所。正方形の形状をした得体の知れない建築物です。
ちなみに原作(講談社ノベルス版)のカバーの扉側の裏に、その建物の絵が載っています。
正方形でどこか気色の悪い白い建物。これが当方のイメージしていた美馬坂研究所でした。
ところが、映画の美馬坂研究所は、山の上に建つなんだか正方形の秘密基地状のなにかでした。
山の裾から頂上まで続く鉄のトンネル!山の頂上にそびえる巨大な鉄の箱!他の町は中国の村なのに、どうみても戦後すぐの建造物とは思えない巨大な佇まい!やりすぎだよ!
しかもそこまでの道は砂利だらけの山道!入院というよりは山登りの雰囲気すら漂うよく分からない建物にガタガタ揺れる旧車で重体の少女を連れ込む医者の心意気!死ぬ!絶対死ぬ!入り口に着く前に加菜子が死んじゃう!
・・・と見せかけて、結局入院できた加菜子。
偶然事故現場に居合わせ、その後の調査を担当していた刑事青木は、懲戒が解けた直後の先輩、木場を呼び出そうとしますが、木場は大ファンなのに映画に出なくなった陽子の最後の出演作品が公開終了するまで一歩も映画館の外に出ないと言い張る引きこもりっぷりを発揮。しかも冗談でもなんでもなく映画館に住み着いています。
さらに映画作品に出てくる陽子の動きを上映中に完全にトレースする始末。どう考えてもその行動は仕事に行かないで引きこもってニコニコ動画で何度もリプレイしつつ「ハルヒダンス」から「持ってけ!セーラーふく!」まで振り付けを全部記憶し、モニターの前であわせて踊るレベルの行動ですが、戦後すぐのことを考えれば木場のほうが先輩です。
しかし、青木に「その女優にあえるよ〜」という魔法の言葉を使われ、ノコノコやってくる引きこもり刑事。しかも会ったら会ったでテンパって憎まれ口。最終的にはそれを青木のせいにするウルトラCまでやってのけました。この木場修太郎は当方の知ってる木場修太郎ではなく、タダの引きこもりのダメオタです。
で、なんだかんだで加菜子のお見舞いに行くふたり。原作では全身包帯の痛々しい姿でベッドに横たわっている加菜子ですが、さすがに映画は違いました。
なんか蜘蛛の巣みたいなネットに転がされていました。
しかも雨宮がやさしく手前のクランクを回転させると、そのまま蜘蛛の巣が立ち上がって磔状態でお見舞い可能というアイディア賞レベルの代物!
おーい!さっきも言ったけど、電車に轢かれて死にかけのお嬢さんになにしてるんだよ教授よぉ!
そのうえよくよく見ると、包帯はすでにミノムシ状になっていて、明らかに四肢切断されてるのが見て取れます。
おーぅコラ!原作最初のトリックかつ冒頭の無残ポイントを、なにアッサリバラしてるんだお前は!
さらに、陽子はその無残な加菜子を見ても顔色ひとつ変えず、「教授が新しい義肢を作ってくださるそうで」とか言い出す始末。もうダメだこの映画。

一方そのころ、関口くんはうつ病で対人恐怖症のはずなのにペーラペラと最近のバラバラ殺人と新興宗教の関連性についての自分の考察を喋くり、憑き物落としは自分の神社の修理をするの踏み台を用意し忘れたので、代わりに関口くんと口癖も間違った慣用句も言わないうえにだいぶブサイクになった鳥口くん踏み台の代わりにするドSっぷりを発揮していました。
この辺はオリジナル展開なんですが、鳥口くんの勤務するカストリ雑誌社では、バラバラ殺人についてあまりに扇情的に書いたため、バラバラ殺人の犯人っていうか久保の逆鱗に触れ、編集長の机にバラバラにした腕ばっかり4本ばかり詰められて、警察にハラを探られています。
編集部は作り居酒屋の2階を間借りしており、しかもカストリとはいえ特ダネを毎日集めるため真夜中でもお構いなしに人がいる設定なんですが、そこにどうやって全身黒づくめで黒手袋の怪しさ満点男がバラバラにした手足をみつしりと仕込んだのかのほうが本編なんかよりよっぽど謎なのですが、まぁそんなことはどうでもいいとして、そんなわけでバラバラ殺人を追いかける気になっている鳥口くんと関口くん。消えた少女の共通点である新興宗教について京極堂を頼ります。あ、なんか榎さんもいたような気がします。もうこの辺は正直あってもなくてもいい展開なのでどうでもいいや。
本当はこの辺は原作ではとっても重要なうえ、たっぷりと薀蓄のある堪らない部分なんですが、映像化が難しいので相当端折られてるし。

と、ズッコケ3人組がのんびりしているうちに、最近巷で起こっている少女連続バラバラ殺人の犯人である久保ちゃんは、すでに頼子を毒牙にかけようとしていました。
そこで、久保は頼子から、加菜子が電車に轢かれたときの話をされます。
原作では突き落としたのは頼子で、その記憶は厳重に封印され、こともあろうに関口の小説に出てきたキャラ「黒衣の男」を犯人にするという驚きのオチがありましたが、映画では確かに突き落としたのは頼子だけども、「黒衣の男」は実在(久保)というよく分からないことになっていました。
ここの前後はもう訳がわからんのですが、加菜子と頼子の目的は原作の河口湖行きの夜行列車に乗ることから夜中の校舎で凧を揚げることに変更されています。
・・・も、目的がサッパリわからん!
しかも校舎はなぜか色とりどりのたくさんの凧でいっぱいだからそれを好きなだけあげればいいのに、なぜか美術室の作りかけの凧を使おうとする2人。
「ふたりで凧を作ることが目的なんだろ?」とおっしゃるかもしれません。当方もそう思ってました。
でも連中のやってたことは完成している奴の凧に色を塗るだけだったんですよ。もういいじゃんそのへんにあるのを適当に揚げろよ!
そんなことをしていると暴漢2名登場、遺産問題で加菜子を殺そうと考えた誰かが差し向けた刺客です。どちらが加菜子か調べるのが面倒になった暴漢にふたりまとめて殺されそうになったところに突如久保乱入、暴漢をいきなり銃殺!その隙に逃げる加菜子と頼子!久保の目的は加菜子を捕らえることのはずなのに、暴漢と「どの凧が好き?」とか言ってちょっと遊ぶ久保!そして腹に1発貰いながらも「あ・・・あの凧かな?」と律儀に答える暴漢!そして一刻も早く逃亡すべきなのに駅でキャッキャウフフしてる加菜子と頼子!お前ら命狙われたばっかなのにその危機感の無さはなんだ!そして頼子は加菜子の首筋におできがあるのを見つけ、発作的に加菜子を線路に突き飛ばす!クレアラシルを塗れば終わる話なのに殺人未遂っていうか殺人!
・・・ここまで説明はほとんどありません。当方は原作を読んでいたので理由がわかりますし、原作は頼子が加菜子を突き飛ばすのにある程度の理屈があるのにこれには全く無く、こんなの初見だったら絶対分かりません。
で、その罰が当たったんだと、ノコノコと久保についていく頼子。もう結果はどうなるか分かるよね?
結局、バラバラ殺人の犯人は久保竣公で、それに気づいた榎さんは久保のアジトを見つけ出し頼子救出を考えるも、すでに頼子はバラバラにされて虫の息、その上久保に襲われて、重症を負った上、虫の息の頼子に助けられてなんとか生還、ただし頼子死亡といったことになり、京極堂たち改めズッコケ3人組は新興宗教の教祖が久保の父親と言う点から、久保と美馬坂の関係を洗い出しました。
それによると、久保の父親は美馬坂研究所に鉄の箱を収める仕事をしており、そのとき偶然に久保が箱に入った女性の死体(美馬坂の実験の失敗作)を見た事から四肢切断フェチになったという事を聞き出し・・・・・・
なにそのバカな改変。
原作では逆だろー!もともとそういうフェチだった久保が、偶然に「箱の中の娘」を見てしまい、それが全ての引き金になり、結果として美馬坂にたどり着いたんだろー!
それが逆じゃ、なんだか出来があまりにも悪すぎるっていうか、美馬坂もそんな危ないヤツを野放しにするなよぉ!研究者はそうだけど、医者は医者だろお前もよぉ!明らかな患者をほうっておくなよぉ!もしくは久保にちゃんと「箱の中の娘」の作り方を教えてやれよ!

で、そんなわけで、諸悪の根源が久保と美馬坂と気づいた面々は、全員でラスボスの城・・・じゃなくて美馬坂研究所に乗り込みます。
なぜか憑き物落としをするはずの京極堂が白い着流しを着ていますが、まぁこいつはズッコケ3人組だしまぁいいでしょう。
そんなわけでラスボスの城に乗り込んだ関口くん、京極堂、榎さん、青木、敦子(京極堂の妹)。
なんか一人今まで会話に出てこなかった妹がいますが、それはなにせ話には少ししか絡まない上に珍しくキャラ崩壊をおこさなかったキャラだからに他なりませんが。
ちなみに、鳥口くんは「ぼくはここで皆さんをお待ちしています」と、オバケ屋敷の入り口のヨッシーなみのヘタレをぶちかましたので不参加です。
あと、キモオタ刑事こと木場修ですが、そこはさすがに惚れた弱み。少し遅れて登場したものの、勢いよくラスボスの城に突撃します。
しかし、京極堂はこの城にいたことがあったので、エレベーターが今の状態では使えないことを知っており、山のてっぺんであるラスボスの部屋まで歩いていくことにしましたが、それを知らない木場はエレベーターで行くことに。
ちなみに、なにがどう問題で使えないのかはハッキリわかりませんが、キモオタ刑事はだいぶダメージを受けながらも一番乗りでラスボス・美馬坂のもとにたどり着きました。銃を抜くキモオタ。それを完全に無視する美馬坂。美馬坂に付き添い、悲鳴をあげる陽子。ここで美馬坂が喋る・・・のですが、やたらセリフがこもっていて何を言っているか非常に聞きづらいです。どのくらい聞きづらいかっていうと、聞いてから理解するのに1秒くらい時間が必要なくらい。
おかげでストーリーはサッパリのまま、なんとなく進んでいく物語。
どうやら美馬坂の目的は、死なない体の研究をすることであり、最初は自分の奥さんであり陽子の母親でもあった女性を助けるために軍部を騙しながら研究を行っていたこと、しかし現在、死なない体を研究するには莫大な資金が必要なこと、加菜子を生かし、遺産が入ればまだ研究が続けられることなどが次々と1秒遅れで理解できます。
しかし、キモオタはそんなこと聞いていません。ずっと陽子が美馬坂をかばうのが気に障ったか、とりあえず銃火器を撃ってみます。なんかの部品がちぎれて美馬坂が一瞬慌てますが、どうやら本筋では無事だったらしく、機械を本調子で運転させることに決定、部下にエンジンフルパワーの命令を出します。
エンジンフルパワー!凄まじいモーターの回転音が響いたかと思うと、突如箱の館は爆発炎上!
当方あまりの事態にちょい笑い!ご丁寧に爆発にビビる鳥口くんがいるので、もう雰囲気は「絶対に笑ってはいけない研究所」以外の何物でもありません。
そんなこんなで爆発に巻き込まれて、ラスボスの研究所から落とし穴に落ちるキモオタ。はぃご苦労様ー!
一方、愉快な5人組は爆発が遠かったせいかとりあえず全員無事なものの、二手に分かれてのぼっていきます。榎さん、青木、敦子の3人は、途中で敦子が意味もなくラリっていましたが、終点に到達。
そこは不思議な箱のある部屋。一人だけその箱の前に行った榎さんは、思い切り箱を開けます。
そこには、変わり果てた姿の久保が。

ちなみに原作では、箱の中にみつしりと詰められた久保がいて、あの最高にイヤなセリフを吐くんですが、さすがは映画版、だいぶ違う形で箱にいました。

そこにはみつしりどころか首から下がない状態で、なんか色々なチューブがついているケースに入った久保がいました。
当然のことながら回りはスカスカで、久保の望むみつしり感は皆無だし、そして何よりも謎なのは、顔の半分がターミネーター状になっていること。
なんだそのロボロボしい義眼は。半分鉄で出来た肌は。
どうみてもロボ竣公という出で立ちです。本当にありがとうございました。
榎さんが優しい言葉をかけながらロボ竣公の首のチューブを引っこ抜くと、屋敷の崩壊が始まりました。もうなんでもありです。

そのころ、ようやく美馬坂の居る場所に到達した憑き物落としとウソうつ病。
じつはなんだかんだで加菜子の父親も美馬坂でしたみたいな超展開をかましつつ、崩壊する屋敷で話をする憑き物落としと美馬坂。さらに堪らないことに、憑き物落としの論調が美馬坂に負けてます。ていうか、憑き物落としはラスボス戦前後でなにひとつカッコいいことをしていないです。
で、なんだかんだグダグダした後、館が崩壊するという話に。アラヤダ!バイオハザードの最後のとこみたい!
なんだかんだで美馬坂は陽子をふたりに託します。京極堂は美馬坂を助けようとするのですが、美馬坂は自分の研究所はここだ、といってさらに上へ昇ります。追いかけようとする京極堂。すると足場が崩れて、アクション映画みたくチェーンにぶら下がり、下は奈落の底という大ピンチの京極堂!さらにそれでパニックに陥る京極堂。必死になって関口くんが助けますが、イマイチ上手くいきません。
ていうか、あんまりに唐突なアクションのうえ、関口くんが意外と冷静なので、異常なほど牧歌的な上、かつてないほどに無様でカッコ悪い京極堂が見れます。本当に悲しいくらい無様です。ていうか当方はもう相当泣きたくなっていました。
あと、キモオタ刑事はずぶ濡れになったうえ入り口に戻されました。フラフラなのにまだ館に向かうのがカッコいいですね。ストーカーにしか見えないけど。

で、そこで話は数ヶ月飛びます。
爆発炎上した箱から全員がどうやって脱出したのか、京極堂はどうやって牧歌的サバイバルから抜けたのか、そもそもキモオタはなんで皆逃げるとこにもう一回入っていったのかは全部うっちゃって話はエンディングに向かいます。当方もさすがにうれしくなりましたよ。ようやく終わってこの苦行から開放されるって。
だがしかし、最悪のオチはここからでした。

なんだかんだで生還した全員は、京極堂の家にみんなで集まります。
そこに居る関口くんと京極堂の奥さんふたりが世間話に興じています。
関口くんの奥さんは、最近鎌倉で変わった箱を持った男に出会いました。
ボロボロの服を着ながら箱を持った男は、鎌倉の観光名所を見ながら箱のフタを少し空けて、中に語りかけていたそうです。
関口くんの奥さんは、その箱の中身を見たそうです。そこには―

そこで場面は変わり、電車の中にいるボロボロの服を着た雨宮。彼は箱のふたをあけて中に何か語りかけています。
それを覗き見していたひとりの少年、気になって箱の中を覗きます。

画面が暗転。
漆黒をバックに、四肢を切断された加菜子が「ほーぅ」としっかりした声で言って終幕。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(゚Д゚)ハァ?

バカじゃないですか?脚本監督のお前、本当にバカじゃないですか?
得意げになにが「ほーぅ」だ。それだけ言っとけば原作ファンも感激とか思ったんですか?それで原作を読んだつもりでエンディングで得意顔か?
そもそも原作の「ほぅ」ってのはな、生命維持に最低限必要な臓器を残して後は全部切除された人間がだな、何かを訴えたいがなにも喋れないで吐き出す吐息のような音なんだぞ?それを四肢切断して笑いながら「ほーぅ」だぁ?ここまでだって相当ダメだったが、もうダメだ。一切面白くできないくらいに本当にダメだ。これは駄作とはそんな領域じゃない、原作の良いところを何一つ理解しないままエキセントリックな部分だけ拾っただけのクズだよ本当に。
なにが凄いって、そこそこ有名な俳優を集めながらここまでのクズに出来る才能が凄いね。感服ですよ。
そもそも映像化不可能って言われた作品だからとはいうけど、ここまでダメに出来るのは本当に対したもんだ。畜生、最後にこんなトドメまで用意しやがって。後味の悪さはボラットの比じゃねぇよ。畜生、畜生・・・っ!

そんなわけで、当方の今年最悪映画はたぶんこれです。
みんなも地上波でやったら観てみよう!レンタルはするなよ、マネーのムダだ。

drill_0 at 23:58│Comments(0)TrackBack(0) 悦楽映画生活 

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