TAO-1よりドイツの近況報告です!!

今日も客席はほぼ満席で、終演後のグッズコーナーは大変な人だかりです。サインに出て来たメンバーやマネージャーが、我さきにと押し寄せてくるお客様の対応に追われる中、イスの上に立ち「CD, DVD, here!(CDとDVDはここですよ!)」「CD, DVD, available!(CDとDVD、売ってまーす!)」と、大きな声で人目を引こうとする男性の姿が・・・この男性こそ私です。
海外ツアー初参加の今回、ここに立たせて頂いているのには訳があります。初参加ということで、何とか先輩たちに食らい付いていこうと気持ちばかりが空回り、しかも自分の未熟さのためにミスが重なり、最後には取り返しのつかない失敗をしてしまいました。そして全演目から外されることになったのです。さすがにこの時ばかりは、私は何をしにここに来たのか、と自分を見失いかけましたが、「このままでは終われない!」と気持ちを奮い立たせ、いま出来る最大限のことをして自分を磨き直そうと決意しました。太鼓が打てない分、食事の準備や洗濯、演奏中の先輩のサポートなどに勤めていたある日、自分に新しい仕事が与えられました。それがグッズコーナーだったわけです。正直、英語は苦手でした。何度も発音の練習などをしましたが所詮は付焼刃なので、もう開き直ってとにかく大声で、出てくる人たちを引き付けようと心に決め、ロビーに向かいました。
アンコールも終わりお客様が出てくると、精一杯の声で慣れない英語を叫びました。
イスの上に立っているのが珍しいのか、下手な英語のせいなのか、みんな興味深そうにこちらを振り向きます。笑顔で目を合わせれば、笑顔が返ってきます。そんな私の写真を撮っていく人もいて、私自身だんだん楽しくなってきました。そのとき、ふとプロデューサーのある言葉を思い出しました。「エンターティメントとは人を喜ばせることだ」と。
振り返ってみると最近の舞台上での自分は、失敗しないようにとかダメ出しされた事ばかりに気を取られ、太鼓を打つことの楽しさなど分からなくなっていた様に思います。しかし、今回こうしてたくさんの人と間近で接するうちに、観に来た人には少しでも喜んで帰ってもらいたいと素直に思う自分が蘇ってきました。そう思うと自然に自分も笑顔になり、それを見た人もまた笑顔になる。そんな、喜ぶ顔を見るのが嬉しいからこの世界に入ったという事を思い出すことが出来ました。
今回の失敗はもう起こってしまった事で、どうしようもありません。大切なのは、過ちに対して自分がどう考え、どう行動するのかです。このグッズコーナーでの経験を経て、厳しい逆境の中にこそ色々な発見があると実感しました。この苦境を最大のチャンスと考え、一つでも多くの事を自分のプラスにし、一日も早く太鼓打ちとしてTAOの舞台に戻れるよう、精一杯頑張っていきます。

自分の新しい挑戦は今、始まりました。

TAOメンバー 佐藤 牧人