ん?

東洋経済 社内制度 福利厚生がユニークな企業TOP100
http://toyokeizai.net/articles/-/142633


ランキングにちょっぴり違和感があったのでよーく読んでみた。
やはりアンケートの抽出対象、20代がメイン。

・2駅以内だと家賃補助
・軽食食べ放題
・遊園地が優待で使える
・研修が充実している
・ビジネススクールの学費補助
・飲食の割引
など。
※35歳のおっさんの僕からすると、あんまりほしいと思わないっす。すんません。。。

若手の転職に強いエンジャパンさんのご登録者さんのご意見だけを集めたらそりゃこうなるでしょう。
たしかに独身の20代には天国の会社が並ぶ。
僕の古巣のリクルートキャリアさんはなんと2位にランクイン(!)



これは、つまり、
制度を設計する会社側からすると、会社のお金の配り方、です。
経営者さんから、良くご相談を受けます。
給料を配る側は、貰う側の100倍くらい頭を悩ませています。

突き詰めると、

どれだけ少ない予算(金額)で
社員をヤル気にして生産性を上げるか?
残ってほしい人材を退職しにくくするか?


という命題です。



が、このランキングは、
「20代にとってうれしい」社内制度や福利厚生のある企業
として受け取れば間違いないと思います。


どーゆーことか?
結論からサクっと書くと、

20代の考えること
→福利厚生がいろいろあるとモチベーション上がってうれしい。

つまり、このランキングに近い感覚と思います。

30代後半以降
→現金か休日をくれ。以上! 面白い福利厚生?別にいらないよ。

つまり、このランキングに全然入っていない企業が人気になる。

個人差はもちろんありますが、大まかには会社に期待する報酬がこのように変化する傾向が身受けられるということです。




目安は、35歳以上かつ年収800万円以上
ココが分水域かなーと、
僕自身の経験、周りのビジネスパーソンと話していて思います。

まず、「年収800万円以上の人」は日本にどれくらいの割合がいるのでしょうか?

国税庁の平成26年度民間給与実態統計調査によれば、
給与所得者の平均年収は415万円。

そのうち、年収800万円以上の人数や割合は以下の通りとなっています。
年収800万〜900万:人数…1,250千人、割合…2.6%
年収900万〜1,000万:人数…821千人、割合…1.7%
年収1,000万〜1,500万:人数…1,483千人、割合…3.1%
年収1,500万〜2,000万:人数…306千人、割合…0.6%
年収2,000万〜2,500万:人数…95千人、割合…0.2%
年収2,500万以上:人数…111千人、割合…0.2%
合計すると、年収800万円以上の給与をもらっている人の人数は4,066千人、割合は8.4%となります。
1000万円以上は3.9%だそうです。

30代に限定すると、
平均年収は458万円、
800万円を超えるのは、4%だそうです。

100人中、4人以内に勝ち上がる必要があります。

この数字ですが、少ないように見えて、
首都圏に勤務する人の感覚ではそれほど珍しくはないかもしれません。
東京都勤務の会社員の方なら、15%〜20%くらいではないでしょうか?

15歳で高校受験、18歳で大学受験をそれなりに頑張り
22,3歳で都内のそれなりの会社に就職し、一生懸命働くと
25〜7歳で年収500万円に到達。

以後、10年間、しゃかりきに仕事をしまくると、35歳〜39歳で到達する数字です。
決して非現実的ではないし、かといって簡単ではないとも言えます。
学生時代から通算して、20年間の愚直な努力の積み上げが必要です。

ザックリ言うと、
一生努力をしない
⇨一生年収300万円

人並みに努力する
⇨平均年収の450万円

一回(3年)死ぬ気で努力する
⇨年収が200万円上がる

くらいに、日本社会は設計されているのかな、、、と思います。
つまり、3回やれば800万円は超えます。


僕自身の人生を振り返ると、
大学受験、リクルート、ベンチャー責任者、起業
と合計4回、「死ぬ気で努力する」経験をして30代でようやく年収800万円のラインを超えることができました。
うーん。人生はなかなか大変だ。

また、BARのマスター、人事屋 として
少なくとも1000人以上には800万円以上の年収を稼ぐ人にお会いして、
価値観や、お仕事の話をお伺いしてきましたが、

この年収を超える人に、
アホな人 や、自分に甘い人 や、 仕事のできない人
はそうは、いません。
大抵の場合、まっとうな考え方で、懐の深さもある、仕事のできる大人です。
一度や二度は、仕事で死線を超えた経験がある。

年収1200万円を超える上司や、2000万円を超えるエグゼクティブとの接点が社内外を問わず少なくないので、
自分の能力に自信がある反面、自分の身の程を弁えた謙虚さ、柔らかい人当たりも持ち合わせます。





ベンチャーや中小企業であれば部長クラス
大企業であれば課長か、
TOPセールス、高い専門技術を持った技術者
などです。

20代で到達する人は1%くらいでしょうか?
誰に会っても、まー、むちゃむちゃ優秀です。すごいと思います。
※僕はムリでした。脱落!(笑)


マトモな会社に入社して、ひと踏ん張りすると年収600万円くらいは割と自然に超えます。
が、一貫性のあるキャリアで2度踏ん張り、3度踏ん張り、10年間常に踏ん張り続ける
くらいをしないと超えないのが
「年収800万円」だと思います。



では、福利厚生、会社の制度に話を戻しましょう。


<若者の頃の感覚>

25歳のころの僕が、実際リクルートキャリアに在籍させて頂いていた頃の話ですが、嬉しかった福利厚生の制度は、

・営業目標を達成すると、社員同士で行く旅行代がおこずかいとして貰える制度
金額はさほどでもありませんが、若手社員にとっては心理的に取りにくい有給休暇を申請しやすくなるという点が、一番のメリットでした。

・他、系列会社のやっていたビジネススクールも、割引があったので、
半額だったら行きたいなぁ。。と思って、数回ばかりですが、自腹で受講しました。

・表彰などに関しても、僕はそれほど興味を持たないタイプでしたが、
良き業績を出して、賞状をもらうと、上司やアシスタントさんに喜んでいただけるので、
それはそれで嬉しかった記憶があります。

若者は、自分のモチベーションをなかなか独力で保ちにくいですから、
会社側が、あれこれと、社員のご機嫌を取る制度や、勉強に取り組みやすい制度を用意してあげて、
成果を出すことを助けてあげるわけです。


他社さんの制度にしても、

会社の近くに住んだらサークルノリで同僚とワイワイ遊べて楽しいし、
食べ盛りだから軽食は嬉しいし、
遊園地にも行きたいし、
ビジネススクールで勉強したい人もいるでしょう。


なるほど!欲しい!

たしかに、25歳のころの僕が喜ぶ福利厚生制度は、ランキング通りだ!



そこから、10年の年月が経っておっさんになると何が起こるのでしょうか??
福利厚生を喜んでいた若者も、35歳以上 年収800万円 の大人に成長すると以下の変化が起こります。




・金勘定の能力を持つ
自分の成した仕事が、いくらの利益を会社にもたらしたか、自分の給与はいくらが妥当か、具体的に算出できる

・セルフモチベーションコントロールの能力を持つ
外的環境に左右されず、安定して高いモチベーションを自分で保てる。

・家族を持ち生活の固定費が上がる
給料は大事です。「やりがいのある仕事じゃなきゃイヤだ」なんて言いません。



プロの仕事人ですから、
上記のスキルは大抵みんな標準装備しています。

メンタルは、大抵の人が職業軍人のように強い。
褒められるとか、おもしろい福利厚生の制度とか、なくたって、仕事はキッチリやれます。

キッチリやるから、やった分、キッチリ金をくれ になってきます。
機嫌を取っても、ごまかしがきかない。

「サークルノリはいらん。おだてもいらん。カネをくれ。」

です。

上司にも、マネジメントの上手さよりも、
「経営方針がブレない」 とか、「会社の経営陣が信用できる」
などのファクターを軸に、会社へのロイヤリティが決まります。

これは、40歳、50歳、
年収1000万、1200万、1500万
でも、あまり変わらないと思います。


となるとですよ、、、


<営業職の、強〜いおっさんの欲しがる報酬>

※個人の力で会社にたくさんお金を運んでくる能力のある人

・給与は正当性のある金額がほしい

例)俺の力で年間5000万円利益を出したのに、自分がもらえる年収が600万って安くね?
利益の20%の1000万円〜25%の1250万円くらいは現金で還元してほしい。
トロフィーや賞状もらったって別に嫁は喜ばないし、子供の学費にはならん。
結果が全て。お金ください。

指定の会社の優待などの福利厚生もあまり使わない。
お金の使い道は自分で決めたいし。



・会社の近くに住むなんてとんでもない!

学校の環境も良くないし。家族用に郊外のマイホームに住んでますよ。。。

・ビジネススクールの学費補助?いらんわい。

もっといい講師、個人的にツテあるし、自己啓発費用は自腹が当たり前。
必要なものは定価だろうと自分で買います。


・カネがないなら休みをくれ

お金くれない?分かった!
じゃあ、せめて休日が欲しい。昔のような体力ないもん。。。


<事務系・技術職のしっかり者のおっさんの欲しがる報酬>

※自分自身の仕事の成果がダイレクトに金額では算出しにくい人
の場合は、「全額キャッシュで沢山くれ」の代わりに、これになりやすいです、

・今後30年間の雇用の安定性が欲しい。
定年の65歳までの雇用、賃金が見えないと、老後のファイナンス計画組めないよ。。。
会社の安定性、定年まで大丈夫かな?
45歳で放り出されたらたまらんぞ。。。
※中長期的な見通しを組むのが仕事の方々ですから、安定を好みます。


に変化しているかな、と。

雇う側からの視点でいくと、
無茶は言ってこないが、ごまかしも利かない現実的な要求をしてくる人達になります。



となると、つたない知識ながら、
僕の知る範囲で、「お!いい給与制度の会社!」と思うものを勝手に書かせていただくと、、、

<大人(おっさん)にとってうれしい給与制度・福利厚生の会社ランキング>


・総合商社、大手専門商社 各社
海外赴任手当がおいしすぎる。
年収1000万円+海外赴任手当300万+子供の学費300万+住居200万円相当
合計1800万円貰って、物価の安い発展途上国勤務 なら、年間500万円以上キャッシュで貯金できます。

3年やりゃあ貯蓄はあっと言う間に1500万円。
子供の大学の学費にしてもいいし、老後にも貯蓄できる。
商社マンは、今でもking of 会社員だと思います。


・プルデンシャル生命
完全自力新規開拓のファイナンシャルプランナー(営業職)
とにかく、現金。結果を出せばすさまじく貰える。
フルインセンティヴ給与、経費全額自分持ち、福利厚生なんてないが、
自分が稼いだ利益に対する還元率はぶっちぎりで高い。
普通にちゃんとやっている人で、年収2000万円〜3000万円くらいはもらえます。

10年死ぬ気で働いて5000万円くらいの原資を作れば、田舎に家を買って40代でペンションや、漁師、カフェなど、
趣味を仕事にしたセミリタイアも狙えます。


・JACRecruitment
古巣の人材業界から一社を。
そこそこ高い月給+青天井のインセンティヴ給与ボーナス
で非〜常にバランスがいいと思います。
腕のいい人は、管理職にならずとも、プレイヤーで部長職くらいの高給与を稼げます。
実際のインセンティブ比率まではこのブログには書けませんが(笑)
準大手以上の人材系各社の中ではピカ一で納得感のある給与体系だと僕は思います。

財務状況、経営状態、有給休暇消化率が抜群に良いのも加点ポイント。
メリハリをつけて働く大人向きの会社。


・三菱電機
友人が転職して勤務。
基本給は普通だが、残業代フル支給やら、家族手当やら、社宅やら、手厚さにぶったまげた覚えが。。。
しかも、原則終身雇用。
軍需産業を抑えて、国から独占受注しているから絶対に倒産しない。
奥さんや、家族にとっては、最高の会社だと思います。

・メイテック
年収800万円は超えにくいけど、「人を大切にする終身雇用」を社内外に明言し、本当にやっている会社です。

リーマンショックの時、人材系各社にはリストラの嵐が吹き荒れましたが、
メイテックだけは、誰一人解雇せず、赤字をガマンし、仕事のない待機中のの社員さんにに教育コストをかけて技術研修し、
社員全員を守りきったという歴史があります。

言うことと、やることが一致しているすごい会社さんと思います。


・日本エリクソン
有給休暇20日支給。
高福祉国家、スウェーデン本社の会社らしい水準です。
基本給も高く、ビックリした思い出があります。



とまあ、勝手に書かせていただきました。
僕が知っているのは一部の会社ですので、他にもたくさんあると思います。
とはいえ、これらの5社、ぜんっぜん、今回のランキングに出ていないですよね??

※まあ「福利厚生がユニーク」というお題で、「給与条件が良い」ではありませんが。。。



何が言いたいかというと、

今回の東洋経済さんのデータの抽出方法をしっかり確認せず間違って解釈して
「おいしい会社なんだー」と鵜呑みにしたり、

若いころに欲しい条件だけで会社からもらえる報酬を近視眼的に決めると、

後で困るかもよ〜

ということです。


新卒で入社して35歳になるまで
→13年

35歳から定年になるまで
→30年

オッサンになってからのが2倍以上、人生長いです。
時間の過ごし方も、欲しいものも、変わります。


しかも、家庭を持って30歳前後で子供を作った場合、
45歳〜55歳ころが一番学費でお金がかかる。
私立の学校に子供2人が進学した場合、年収800万円でも、専業主婦制では相当きつくなります。

やりがいだけを追うわけにはいかなくなる。稼がねば、ならん。


だから、

35歳以後 年収800万円以上を稼ぐ頃 の人生
を現在20代の方々、アラサーの方々にも、想像しながら
キャリアづくり、会社選びをしていただきたい


と思って今回駄文を書かせていただきました。



最後に、、、ランキングに乗っている会社さんの勤務条件が、悪い!
というわけでは全然ないですので、どうか誤って解釈しないよう、お願いします。
僕なりの見解を。。。


・リクルートグループの場合
20代ではぶっちぎりの高給与と、うれしい福利厚生がたくさんあります!
40代以降でも、良い会社であることに変わりはないものの、給与、福利厚生的はそこまでは伸びないケースが多いので、
30代前半あたりで、分厚い家族手当や安定性が高いメーカーあたりに転職するか、
独立したり、ベンチャーの役員になったりする人が多いかなぁと思います。

みんな十人十色のキャリアを歩みますが、
やりたいことをやって自由に楽しく生きている人が本当に多いとおもいます。



・サイバーエージェントさんの場合
終身雇用をまじめに考えていらっしゃる優良企業さんだと思います。
現状、28歳〜34歳 年収600万円くらいの女性が増えてきて、
そのターゲット向けの妊活コンサルティングなどの新規サービスのご用意は素晴らしいなぁと思います。

社内には40歳以上 年収1000万円以上
のマイホームパパ、現金と休日を求めるリアルなおっさんはまだそれほど多くないことでしょう。

これから増えていくおっさん社員さんが継続勤務するのを良しとするのか?
良しとした場合、どういったユニークな人事制度を開発されるのか?
とっても楽しみです。
たぶん、他社のロールモデルになるようなすげー面白いのが出てくるはずです。


さて、明日は、僕の新天地に、人事のプロの方が入社されます。
人事制度設計、福利厚生設計、就業規則設計
など、共に、仕事をしながらたくさん学ぼうと思います。

人事は、奥が深い〜





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