2020年07月16日

大阪で薬草系リキュール

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コロナによる県外移動自粛が解除され、出張で久しぶりに大阪に行くことになった。夕方から得意先との会食があり、ソーシャルディスタンスを取りながら接待をし、宿泊しているホテルまで先輩と後輩と私の三人で帰ってきた。

寝るにはまだまだ時間があったので、久しぶりに北新地のオーセンティックバーに繰り出そうという話になり、THE BAR Elixir Kに行くことにした。

このTHE BAR Elixir Kは以前にブログでも何度も取り上げたが、オーナーバーテンダーのK氏が世界各国を自らの足で開拓し、現地で珍しいお酒を買ってきてくれる。毎回行くたびに見たこともないお酒が並べられているので、行くのが非常に楽しみになるのである。

今回は3人でカウンターに座らせてもらい、思い思いのお酒を頼んだ。

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僕はまずビールのホップで作られたというリキュールのソーダ割を飲んだ。暑い日には最適なさわやかなカクテルで、心が落ち着く。

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次に頼んだのが、マスターがドイツの薬局で買って来たという怪しいリキュール。日本でいうところの薬用養命酒に相当するもので、酒屋でなく薬局で売っているものらしい。これは苦みと甘みが複雑に絡み合い、不思議なおいしさがある。今までに飲んだことの無いタイプのリキュールだ。

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途中、3人でサントリーのウイスキーの話になり、数十年前の角瓶をストレートで頂いたりもした。酒類表記が今と違うのはもちろんのこと、サントリーの住所の地名も変わっているというから、時代の移り変わりに驚かされる。

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最後を締めくくるのは、マスターがイタリアで入手したというフェルネ・アマーロという薬草系リキュール。イタリアにはフェルネ・ブランカを筆頭にこのような苦み酒が色々とあり、それぞれに個性があって面白い。

コロナが落ち着いてきたとはいえ、まだまだ油断できない段階で、北新地のバーも当時の勢いを取り戻すにはまだ時間がかかりそうだ。しかし、Kのような落ち着いたバーで、世界の銘酒を楽しむのは至福の時間だ。早くコロナが完全に収束し、心から落ち着いてお酒が飲める日が来たらと思う。

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drunkonspeech at 18:54|PermalinkComments(0) リキュール(薬草系) | ウイスキー

2019年10月06日

子連れで高級フレンチ@レストラン・タニ

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東京に数あるフレンチレストランの中で私が最も好きなレストランの一つが四谷にあったメゾン・カシュカシュである。四谷と四谷三丁目の間の閑静な住宅街にあり、クラシックな中にも常に新しい技が隠されている谷シェフの料理は、昨今のヌーベルフレンチとは一線を画す非常に素晴らしいものだった。

カシュカシュの素晴らしさは料理だけでなく、幅広いランナップのワインや、食前・食後酒の豊富さというお酒の観点からも称賛に値するものだった。私は時には自分のワインも持ち込ませてもらい、何度もカシュカシュに通っていたのだが、残念ながら数年前に人手不足が原因で閉店してしまった。

先日、フェイスブックで友人のバーテンダーが外苑前にあるレストラン・タニに行って、その料理が大変に美味しかったと投稿していた。そこでふと気になって調べてみると、このレストランはメゾン・カシュカシュのシェフだった谷さんを中心とするメンバーが新たに開店したレストランだということを知り驚いた。

レストラン・タニは土日は子連れでの来店を推奨していて、小さな子供がいる私たちにとても非常にありがたかった。そのせいで週末は大変な人気でなかなか予約が取れなかったのだが、ようやく念願叶って先日レストラン・タニを訪問した。

レストラン・タニは表参道と外苑前のちょうど中間地帯の、大通りから一歩入った落ち着いた場所にある。階段を上って2階のホールに上がるのはメゾン・カシュカシュを思い起こさせる。広さはカシュカシュよりも少し小さいが、上品でシックな内装はとても落ち着ける空間だった。

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我々は普通のコースとワインを頼み、息子は週末限定のお子様ランチを頼んだ。お子様ランチとは言え、その内容は大変豪華で、大人が食べても十分満足が行くものだった。ワインも種々リーズナブルなものが取り揃えられていて、ショーケースの中にはブランデーやマールを中心とする数々の食後酒が並べられていた。

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料理は奇をてらったものがなく、伝統的な手法の中にも新しさのある素晴らしい味で、谷シェフの腕は相変わらず健在であった。私たちは食前酒に少し珍しいパスティスを二人でいただき、ワインはブルゴーニュの白とボルドーの赤を頂いた。オーソドックスと言えばそれまでだが、料理もワインも存分に楽しむことができた。

料理の後にはカシュカシュを思い出させてくれるほど豊富な食後酒をチーズと共に楽しむことに。私はブルゴーニュのマールを、妻はカルヴァドスをオーダー。ワインはほどほどに控えていたので、食後酒も十分に堪能することができた。美味しい料理と最後の食後酒とは、まさにフランス料理の王道。カシュカシュが閉店してもうあの料理を味わうことはできないのかと思っていたところの、嬉しい発見。土日は子連れでも気兼ねなく楽しむことができるので、これから通ってしまいそうな気がする。



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drunkonspeech at 21:07|PermalinkComments(0) マール | カルヴァドス

2019年06月19日

ウイスキー講座に潜入@アカデミー・デュ・ヴァン

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家と会社の往復だけでは人生に彩がなくなってしまうので、久しぶりに何か変わったことがしたいと思った。最近はお酒も行きつけのお店にばかり行っていて新規開拓をしていない。おまけに世間では次々と新しいお酒が発売されて、トレンドに乗り遅れている感もある。そんな焦りもありネットサーフィンをしていたところ、表参道にあるアカデミー・デュ・ヴァンで、恵比寿のBar ODINの菊池さんによるウイスキー講座が開かれることを知り、早速申し込んだ。

アカデミー・デュ・ヴァンの建物の中には何回か入ったことがあったが、実際に授業を受けるのは初めてのことだ。少し落ち着かない感じで席についていると、受講生が教室に入ってくる。全部で10名くらいだろうか。驚いたのは、男性が私を含めて3名で、残りが全て女性ということだ。ワインだけでなく、ついにウイスキーまで女性で占められてしまうのか。

菊池先生の講義は前半にその日に飲むウイスキーの歴史・製法・特徴についての講義があり、後半は実際にテイスティングを行うというスタイル。さらに菊池先生がチョイスした、ウイスキーに合うチョコレートや和菓子など、様々なマリアージュが試されていく。自分が家飲みをしているだけでは到底気づかない組み合わせでとても新鮮だ。

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一回の講義で用意されるウイスキーは8本ほど。どれも菊池先生が吟味した秀逸なものばかり。回によって、アイラの会だったり、スコッチ以外のウイスキーの会だったり、選ばれるウイスキーの種類も変わっていく。最近のウイスキーの高騰を知る者にとっては、受講料に比して飲めるウイスキーの貴重さがわかる、非常にお得な講座だ。

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いざテイスティングシートを渡され、そこにグラスを8脚置き、ブラインドされたウイスキーを飲んで当てるのは非常に楽しい。事前にウイスキーを飲んだうえでテイスティングするのでなく、講義の内容を聞いてからすぐテイスティングするので、頼りになるのは先生に教えてもらったウイスキーの特徴と、それに近いウイスキーを飲んだことがある場合はその経験だ。私は大抵1問間違えて、いつも悔しい思いをしていた。最終日は何とか全問正解に漕ぎつけたが、全部当てるのは至難の業だ。

複数のウイスキーを同時に飲み分けて、それぞれのウイスキーの個性を比較していくというのはとても興味深い経験だ。Barに行ってウイスキーを飲んでも、まずはマッカランを飲んで、次にスプリングバンクを飲んで、最後にラガブーリンを飲んでとやっていると、それぞれのウイスキーは味わえても、それらのウイスキーが他と比べてどうなのかということは体感できない。菊池先生のウイスキー講座ではそれができるのだ。

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そして、菊池先生が毎回「どのウイスキーが一番好きか?」ということを生徒に聞くのだが、これも生徒によってまちまちで、決まり切ったものが無い。それぞれのウイスキーはそれぞれの個性を持ち、人によって何が一番好きかも変わってくる。ウイスキー講座に来る生徒諸氏はそれなりにふだんからウイスキーを飲んでいる面々だが、だからこそ銘柄名やブランドなどに左右されず、純粋に味・香りなどの中身だけで判断を下していくのだろう。

最終回には様々なシングルモルトウイスキーをまず飲んでみて、次に自分なりにブレンデッドウイスキーを作ってみるという楽しい企画もある。アイラモルトなどはちょっとでも入れすぎると、その味ばかりが際立ってしまう。ブレンダーの方々の鋭敏な味覚や嗅覚を体感することもできる非常に興味深い講座であった。

drunkonspeech at 19:56|PermalinkComments(0) ウイスキー 

2018年09月29日

面白い薬草系リキュールが飲める@バー・アエス

20180608_185151最近秘かな楽しみとして、山手線の各駅でお気に入りのバーを作ろうというものがある。普段は恵比寿・渋谷・新宿・池袋辺りのバーに行くことが多いのだが、徐々にレパートリーを増やしていかないと、マンネリ化してしまう。ということで、まずは各駅にあるバーの情報を色々と探してみた。

そんな中見つかったバーが、駒込のバー・アエスだ。普段は駒込で降りることはほとんどない。だからこそ逆に楽しみな点もある。ネットの情報によると、こちらのお店のマスターは、オーソドックスなお酒はなるべく出さずに、色々と変わったボトルを仕入れているらしい。しかも薬草系リキュールもかなりあるということで期待が高まった。

僕は北関東に出張した日、そのまま家に帰る途中の駒込で下車し、地図を見ながらバー・アエスを探した。バー・アエスは駒込からは非常に近く、歩いて3分ほどだ。こじんまりとしたバーで、内装が綺麗で落ち着ける。早い時間だったのでお客は僕一人。マスターが出迎えてくれてカウンターに腰かけた。

確かにいろいろと変わったボトルがある。ほとんど知らないものばかりだ。外が暑かったので、まずは久しぶりにシャルトリューズのソーダ割をと思ってオーダーしたところ、普通のものではなくて、シャルトリューズ1605で作ってくれた。度数が高く、スパイシーな味わいが強くて美味い!

20180608_190426次に何を頼もうか思案していると、マスターが色々とおすすめのボトルを出してくれた。キナの中でも変わったもの。日本の酒造メーカーが作っているリキュール。グラッパに何か漬け込んだものなど様々だ。詳しいことは空きっ腹に次々とリキュールを飲んで酔いが回ってしまったため覚えていないが、初めて飲むボトルは新鮮で、本当に楽しかった。

20180608_190121マスターは元々北千住にあるバーにお勤めで、数年前にこちらのお店を出したようだ。昔から薬草系リキュールには興味があり、リキュールに限らず、「せっかくバー・アエスに来たのだから、普通の店では置いていないものをなるべく取り揃えよう」という心意気でボトルを収集しているらしい。

目白の田中屋などにも定期的に行き、新しいお酒が入っているとまず試飲してみて、納得のいくものだけ選んで取り揃えているという。こういうマスターが地元にいてくれたらなと思う。いつ行っても新しくて面白くておいしいボトルが追加されているわけだから、お店に向かうのが楽しくなるだろう。

20180608_190116薬草系リキュールなど全然飲んだことがなかった人も、バー・アエスに来てその美味しさに開眼し、今ではすっかりその虜になっている人も多いようだ。僕のブログも細々とではあるが、薬草系リキュールの啓蒙ができたらと思って書いている。しかし、実際に飲むことができるのはバーだけなので、少しでも興味を持った方は是非バー・アエスに行って、色々とリキュールを楽しんでもらいたい。最後に、バー・アエスは薬草系リキュールだけでなく、モルトもブランデーもマスターが厳選した普通でないものがたくさんあるので、お酒好きの方は足を運んでみると楽しいと思う。



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drunkonspeech at 11:34|PermalinkComments(0) リキュール(薬草系) | Bar

2018年09月08日

またまた1800年代のコニャック@Bar ODIN

20180803_225543前職のワイン好きの同僚と数年ぶりにあい、恵比寿のビストロで食事をした後、バーに行ってみようかという話になった。その同僚はワインエキスパートの資格も持っており、青山にあるワインスクールのアカデミー・デュ・ヴァンにも通っていた。僕も昨年、アカデミー・デュ・ヴァンの菊池先生のウイスキー講座に通っていたので、二人で先生がオーナーバーテンダーをつとめるBar ODINに行ってみることに決めた。

今日は入店したのが22時過ぎだったので、カウンターに菊池さんがどっしりと構え、大勢のお客さんにふるまうお酒の準備で大忙しだった。僕たちは菊池さんが沖縄から仕入れたという超巨大な天然スイカを使ったカクテルを作ってもらい、これから何を飲もうかと思案していた。

20180803_221539そこでまずはハードリカーからと思い、ラムをオーダーすると出てきたのが写真のバカルディ。当然ODINで出てくるのは現行品ではない。戦前のバカルディでとても美味しいものだという。写真をご覧いただければわかる通りボトル自体が芸術品になっている。味わいはサトウキビ由来の甘さが自然な形で残り、嫌みがない。このラムが第二次世界大戦を乗り越えてきたのかと思うと感慨深い。

20180803_223534次に出てきたのが写真の1800年代のコニャックだ。菊池さんが10年以上前にテセロン社の倉庫で見つけて売ってもらったそうだ。ここまでのコニャックはテセロン社にとっても家宝だろうから、並大抵のバーテンダーに売ることはないだろう。ましてや、値上がりだけを見込んで札束にモノを言わせるような某国の人達は触らせてももらえないと思う。そういう意味で、この国宝級のコニャックを日本で飲ませてもらえるのは全て菊池さんのおかげだと考えられる。

私はODINで何回か1800年代のコニャックを飲ませていただいたことがあるが、このボトルが一番古いものだと思う。菊池さんの話では、江戸幕府が異国船打ち払い令を出した年だというから果てしないものを感じる。味わいはこちらもブドウの味わいがしっかりと残っている。良いお酒は原料の良いところが200年近く経ってもしっかり残るのだろう。アルコールは優しく、すんなり体の中に入っていく。

もう二度と飲むことができないであろうラムとコニャック。ここまで来ると文化財レベルである。そういう貴重なお酒を飲んで、一生忘れない思い出を作ってくれる菊池さんとODINに改めて感謝である。



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drunkonspeech at 14:27|PermalinkComments(0) ブランデー | ラム
Profile
Chun
大学時代に、某雑誌のフードライターのバイトをやり始めたのをきっかけに、お酒の世界にはまる。

その経験を生かし、現在はシニア外国人向けの日本酒・焼酎の会を企画・運営する。

昼ごはん代をケチってお金を貯め、都内のBarやレストラン、ホテルに頻繁に出没。

利き酒師、焼酎アドバイザーなどの資格を保有するが、一番の得意分野は薬草系リキュール。日本では今一マイナーな薬草系リキュールを、全国的に普及させたいという野望を持つ。
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