2008年10月25日

美人バーテンダーがいるBar1

Adonis1冒頭から言い訳がましくなるが、美人バーテンダーがいるからといってそのBarに何回も行きたくなるかといわれるとそうではない。Barにはまず第一にお酒、次にバーテンダーさんとの会話を楽しみに行く。ただ、そのバーテンダーさんが作るお酒が美味しくて、接客も素晴らしく、そして美人であるならばそれ越したことは無い。以上が最初の言い訳。

美人バーテンダーがいる店としてまず第一に紹介しなくてはならないのが渋谷のBar Adonisだろう。渋谷のBarが大好きな僕としては、今まで何回も行きたいと思っていたBarだ。ただ、なぜかいつも地図で大まかな場所しか記憶しておらず、近くまで行ってはBarを見つけることができなくて他の店に行くという失態をもう3回くらい繰り返していた。

先日、Blog友達のnao.さんの「nao.のいーもんみっけ!」Adonisの記事が掲載されていて、やっぱり素晴らしいBarのようだと確信した僕は、その住所を携帯電話に記憶させておいた。

Adonisに行った日は、生涯記憶に残るような嵐のような日だった。資産運用を仕事とする僕はその日、会社のBloombergに映し出される狂ったような株価と高金利通貨の超大暴落に怯えていた。終わってみたら日経平均株価はバブル後最安値の一歩手前。5年前の2003年に逆戻りしてしまった。僕は職の確保に対する不安を初めて覚えた。

ハリケーンのような後場が終わって、僕は大手インターネット企業の決算説明会に出席するために六本木のグランドハイアットを訪れた。そして、全てを忘れるために説明会後に六本木ヒルズの「コリトレール」でいつもより長めのマッサージをしてもらってから、「酒でも飲まないとやってられねぇ!」と渋谷行きのバスに乗り込んだ。

当初は「石の華」に行こうと思ったが、予約もしていないし、何となく混んでいそうだったので他の店を探そうと思った。それで思い出したのがBar Adonisだ。

Adonisの場所は思いのほか簡単な場所にあって、何で今まで見つけることができなかったのだろうと不思議に思うくらいだった。ビルの9階というところがネックだったのだろうか。そのビルは東急百貨店本店のエルメスのショー・ウィンドーの向かいにある。

adnisエーゲ海を意識したという建物は明るく落ち着いた感じ。バックヤードに並ぶボトルとその照明も心を落ち着けさせてくれる調度良いもの。僕は一番奥のカウンターの席に案内され、メニューを見せてもらった。

その日はハードリカーをたくさん飲んで、気分良く家に帰って寝てしまおうと思っていたのだが、やはりいつもどおり一杯目は季節のフルーツのカクテルを飲もうと思いなおした。すると、すらっとした長身の女性バーテンダーさんが小さなブラック・ボードに書かれたフルーツのラインナップを見せてくれた。そこには様々なフルーツが書かれていて、僕はその中から「西洋梨」を選ぶことにした。

Adonisにはもう一人バーテンダーコートを着たSuzukiさんという男性がいて、僕はカクテルは彼が作ってくれるのかと思っていたのだが、そうではなくてカクテルはメニューを見せてくれた彼女が作ってくれた。

突然自慢じゃないが、はっきり言って僕はカクテルの舌は相当肥えている。いわずと知れたカクテルチャンピョンの石垣さんを初め、カクテルの名手といわれる人の作る素晴らしいカクテルを幾度となく飲んできた。

その僕でも、彼女が作ってくれた西洋梨のカクテルは、思わず「なんという美味さだ!」と叫んでしまいたくなるほど美味かった。

あまりの美味さに、僕はその西洋梨のカクテルを数秒で飲み干し、そして、ハードリカー中心に飲むという今夜の方針をかなぐり捨て、今日はカクテル一本で締めくくろうと思った。

YOKOHAMA2杯目に頼んだのはいつもの「ヨコハマ」。僕が大好きなカクテルで、見た目も素晴らしく美しい。そのヨコハマをオーダーすると、彼女は無駄のない美しい所作でお酒を調合し、シェイカーを振る。そして、これも半端なく美味い!恐らく僕が今まで飲んだ中で一番美味しいヨコハマだったと思う。

olympic3杯目はいつも僕が好んで頼む「オリンピック」。すっきりした甘みの果汁で作るカクテルが大好きな僕は、カクテルを飲むと決めた日は必ずオリンピックも頼む。フランスで催されたパリ・オリンピックの記念に作られた最高に美味しいカクテルだ。そして、このオリンピックも、今までいろいろなところで何杯も飲んできたが、彼女が作る一杯は素晴らしく美味しい。一体何なんだこの人は?!

このままでは、酔って家に帰って寝るという目的を達成できないので、多少ためらったが、4杯目はシャルトリューズのエリキシル・ヴェジタルで作る「パーフェクト・グリーン・アラスカ」をオーダーすることにした。この危険なカクテルは以前書いた記事でご紹介したとおりだが、彼女が作ると不思議とその味はとてもまろやかになる。

シャルトリューズ エリキシル ヴェジタル 100ml 71度
シャルトリューズ エリキシル ヴェジタル 100ml 71度


僕はどうしてこんな危ないカクテルでこんなことが起こるのだろうと不思議な気分になった。そこで色々と考えてみたのだが、恐らく決定的な要因は彼女のシェーキング・スタイルにあるのではないかと思った。

彼女がカクテルをシェークしているとき、不思議とその音は「コロン、コロン、コロン」とテンポ良く心地良いものになる。男性でハード・シェーキングを得意としている人の、「ガシ!ガシ!ガシ!」という音とは対極だ。

僕はシェーキングの違いがカクテルに与える影響についてはほとんど何も知らないが、きっと彼女のシェーキングでは氷がシェーカーの中で滑らかに回転していて、余分に氷が壊れたり、お酒の味を邪魔するようなことが無くなるのだろう。

さすがに4杯目のパーフェクト・グリーン・アラスカでお酒が若干回ってきたが、最後は苦いカクテルが飲みたかったので、彼女にお任せでカクテルを作ってもらうことにした。そして出てきたのがシルバー・ストリークというイエーガー・マイスター(ドイツの苦くて若干甘いリキュール)とジンを使ったカクテルだ。そして、これも美味い。味がこなれていて、本当にまろやかなのだ。Barに行って5杯連続でカクテルだけ頼んだのは久しぶりだ。

イエーガーマイスター 35度 正規 700ml
イエーガーマイスター 35度 正規 700ml


その日は非常に気分良く家に帰ることができて、相場の大暴落も忘れて無事に眠ることができた。そして、先ほどnao.さんのBlogを改めて拝見すると、彼女は大沢智枝さんというお名前だということがわかった。さらに、大沢さんはカクテルコンペティションの上位入賞者の常連で、2007年には全国大会でも優勝をされているそうだ。このページには大沢さんのカクテルのレシピなども載っている。

でも大沢さんがチャンピョンだという先入観無しに彼女が作るカクテルが飲めて逆に良かった。今後は美味しいカクテルが飲みたいと思った日にはついついAdonisに行ってしまいそうな気がする。唯一残念なのは、美人バーテンダーさんがいるお店には、女性と飲みに行くことはなんとなくはばかられるという点だけだろうか・・。


採点:★★★★★


バー アドニス (BAR Adonis) (バー / 渋谷)
★★★★★ 5.0




drunkonspeech at 18:57│Comments(2)TrackBack(2)この記事をクリップ!カクテル | Bar

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1. nao.の今宵の止まり木『BAR AdoniS』  [ nao.のいーもんみっけ! ]   2008年10月25日 20:05
<第7夜> BAR AdoniS 東京都渋谷区道玄坂2-23-13 渋谷デリタワー9F TEL03-5784-5868 18:00〜2:00 不定休 nao.の今宵の止まり木は、リンクして戴いている酒??..
2. nao.の今宵の止まり木『gravity』  [ nao.のいーもんみっけ! ]   2008年11月23日 03:46
<第12夜> gravity 東京都港区新橋5-29-4 TEL03-5733-5233 17:00〜2:00 日祝休 リンクして戴いているchunさんの「リキュール小話」の中で、美人バーテンヮ..

この記事へのコメント

1. Posted by nao.   2008年10月25日 20:07
chunさん、TBありがとうございます(^^)『AdoniS』行かれたんですね、nao.もまた行きたいと思っています♪実はフードもおいしいって話なので、楽しみです(*^^*)
ちなみに『美人バーテンダーがいるお店』、次は恵比寿にある『Bar Epilogue』などいかがでしょう(当ブログにアップ済み)
2. Posted by chun   2008年10月25日 21:17
nao.さんありがとうございます。おかげでやっとAdonisに行くことができました。本当に素晴らしいBarですね。久しぶりに激うまのカクテルが飲めました。

Bar Epilogueにも美人バーテンダーさんがいるのですね。今度行ってみます。

その前にBlogでは池袋のBar Tooを取り上げる予定です。

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Profile
Chun
大学時代に、某雑誌のフードライターのバイトをやり始めたのをきっかけに、お酒の世界にはまる。

その経験を生かし、現在はシニア外国人向けの日本酒・焼酎の会を企画・運営する。

昼ごはん代をケチってお金を貯め、都内のBarやレストラン、ホテルに頻繁に出没。

利き酒師、焼酎アドバイザーなどの資格を保有するが、一番の得意分野は薬草系リキュール。日本では今一マイナーな薬草系リキュールを、全国的に普及させたいという野望を持つ。