2008年11月25日

カルヴァドスを楽しむBar

Evita03ブランデーを何らかの形で飲んだことのある人は多いと思うが、カルヴァドスを飲んだことのある人は思いのほか少ない。フランスでは葡萄から作られるブランデーよりも、林檎から作られるカルヴァドスのほうが大衆的で、やや年齢層の高い男性を中心に広く飲まれているそうだ。

カルヴァドス (Calvados) は、フランスのノルマンディー地方北部で造られる林檎のブランデーである。すなわち林檎を原料とした蒸留酒であるのだが、100%リンゴで作られるカルヴァドスは少数であり、10〜30%程度の洋ナシを伝統的に使用するものが多い。

幸いなことに東京には色々な種類のカルヴァドスを楽しむことができるバーが何軒かある。今日はそのうちの一つであるBar Largoを紹介したい。

僕がBar Largoを初めて訪れたのは、2000年の年末頃だったように記憶している。連れと渋谷の宮益坂近辺で簡単な食事を済ませた後、どこかでゆっくりお酒を飲めるBarはないかとうろうろしていたらたまたま見つけたのがBar Largoだ。確か大晦日近くの日曜日の夜で、辺りの酒場は皆閉まっていた。だめもとでLargoの階段を下っていくと、イチローに良く似たバーテンダーさんが扉で迎えてくれた。

年末の日曜の夜なのでカウンターには他にお客さんはいなかった。食事は済ませたけど、寒いから何かしっかりしたお酒が飲みたいねと話していたところ、彼がそれではカルヴァドスなんてどうですかと勧めてくれた。これが僕がカルヴァドスを飲んだ最初の経験だ。

一杯目は作り手の評価が高くて、品質も一押しだと薦められたデュポンを飲んだ。林檎の芳しい香りとドライな甘さが鼻から喉をつたわっていき、素晴らしくおいしいお酒だった。世界中の高級レストランやバー、ホテルが取り扱っており、フランス国内ではタイユヴァンやトゥールダルジャンを始めとしてミシュラン3つ星レストランの半数以上がオンリスト、イギリスでは高級百貨店として名高いハロッズやフォートナム&メイソンなども扱っているそうだ。

☆ドメーヌ・デュポンカスクストレングス・40年以上熟成 !
☆ドメーヌ・デュポンカスクストレングス・40年以上熟成 !


連れはこれまた名声の誉れが高いエイドリアン・カミュを推薦してもらった。僕も一口だけ飲ませてもらったがこちらも非常にうまい。カルヴァドスを飲んだのは初めてだったが、こんなに美味しいものだとは知らず、それ以降僕はことあるごとにカルヴァドスをオーダーするようになった。

アドリアン カミュ プレスティジュ 700ml(カルヴァドス)
アドリアン カミュ プレスティジュ 700ml(カルヴァドス)


Largoは東京のBarの中でもカルヴァドスのストックが古くから多い先駆的なBarだ。渋谷の宮益坂を上りきったところに本店があり、もう一つ新橋寄りの銀座に銀座店がある。渋谷本店は一度だけ移転したことがあるが、隣のビルに移転しただけなので、実質的な住所は変わっていない。

20060407 NPU1どちらのBarにも数十本のカルヴァドスのボトルがストックされており、中々手に入らない珍しい銘柄や、オールドヴィンテージなどが顔を揃える。もちろんカルヴァドス以外のお酒も豊富に揃っており、密かにカクテルもかなり美味しい。バーテンダーさんは皆とても親切で、肩肘張ってカウンターに腰掛ける必要はない。

また、Largoでは、お願いするとカルヴァドスでリンスしたグラスに炎を付け、香りを引き立たせた後にカルヴァドスを注ぐという粋なサービスも行ってくれる。暗闇の中で青白い炎がグラスをつたって広がっていくのは幻想的だ。そして、ほのかに暖かいグラスを持つと、確かに林檎の甘い香りがさらに引き出されてグラスの外に溢れ出す。

20060407 NPU2ちなみに、カルヴァドスにはカルヴァドス・デュ・ペイドージュと、カルヴァドス・デュ・ドンフロンテいう分類とがある。このうち、優秀な酒を生むといわれているのがカルヴァドス・デュ・ペイドージュで、ここでは、アルカリ性土壌の限定地区内で収穫されたリンゴを、コニャックと同様に単式蒸溜釜で2回蒸溜する。

カルヴァドス・デュ・ドンフロンテでは、同地区産原料を、半連続式蒸溜釜で蒸溜しするが、リンゴのワイン(シードル)に30%以上の梨のワイン(ポワレ)を混合し蒸溜するのが条件となっている。林檎Onlyのものに加えて軽やかな甘さが目立つものが多い。

単なるカルヴァドスは、これら2つの地区の周辺で産するものか、それらをブレンドしたものである。

ドンフロンテに関して言うと、もちろんそのまま飲んでも美味しいが、Largoではこれと洋梨の生ジュースをシェイクしたオリジナルカクテルを出してくれる。このカクテルは銀座店の設楽さんというバーテンダーさんが作ってくれたものだが、本当に椅子から転げ落ちるほどうまい。銀座に足を運ぶ機会があれば、必ず試していただきたいカクテルの一つだ。

【渋谷本店】
採点:★★★★★


【銀座店】
採点:★★★★★


drunkonspeech at 23:42│Comments(2)TrackBack(0)この記事をクリップ!カルヴァドス 

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この記事へのコメント

1. Posted by maayaa   2008年11月28日 19:37
幸福で贅沢な大学時代を思い出しました。

林檎が丸のまま瓶に入ったカルヴァドスを初めて見せていただいたのがこのお店でしたよね。

お仲間連とともに、
背伸びして飲む緊張感と
滅法美味いお酒に酔う陶酔感を味わう時間。
毎度ドキドキワクワクしたものです。

鄙にあれたる芋娘に
江戸っ子の粋を教えてくださったのは
思えばchunさんだったなあと。
2. Posted by chun   2008年11月28日 22:58
もうあれも何年も前のことになっちゃったね。そういえば、ポム・プリズンネール、最近飲んでいないな。

当時からmaayaaはお酒の嗅覚がずば抜けていたよね。またみんなで飲みに行きたいね。仕事が落ち着いたら企画します。

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Profile
Chun
大学時代に、某雑誌のフードライターのバイトをやり始めたのをきっかけに、お酒の世界にはまる。

その経験を生かし、現在はシニア外国人向けの日本酒・焼酎の会を企画・運営する。

昼ごはん代をケチってお金を貯め、都内のBarやレストラン、ホテルに頻繁に出没。

利き酒師、焼酎アドバイザーなどの資格を保有するが、一番の得意分野は薬草系リキュール。日本では今一マイナーな薬草系リキュールを、全国的に普及させたいという野望を持つ。